【特集・投げ釣り】松尾幸浩さんのカレイ釣り戦略(後編) | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

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【特集・投げ釣り】松尾幸浩さんのカレイ釣り戦略(後編)

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取り込み時のバラシをできるだけなくすためにハリ先の鋭さは常にチェックしておきたい。

■ハリは大物を意識して大型

ハリは、大型を釣りたいという目的からカレイバリ15〜16号やウナギバリ16号といった大きめが基本。ハリ掛かりしたときのホールド力が優れていることの他、餌をたくさんつけてアピールできる点も加味してのセレクトである。

なお、テトラがある釣り場では、仕掛けを回収した際にハリがテトラに当たり、ハリ先がなまりやすくなる。数投ごとにハリ先を指先に当てて滑るようならすぐに交換すること。前述したようにカレイの口の回りはかたいため、ハリ先の鋭さはハリ掛かりのよしあしに大きくかかわる。なまった先のハリを使い続けた結果、貴重な1匹を取り込み時にバラしたということのないようにハリ先の鋭さには常に気をつかいたい。

■餌は好時合にボリュームアップ

上バリに動きでアピールするアオイソメを3匹、下バリに匂いで寄せるマムシ(5㌢ほどにカットして使用)をセットするパターンが基本。カレイが1匹釣れるなどチャンスタイムと判断したときは、アオイソメを5匹に増やしてボリュームアップをはかったり、釣れた魚がマムシを食っているなら上下ともマムシをセットしたりとパターンをチェンジする。

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    餌は鮮度が大切。複数用意した餌箱に小わけにしてクーラーボックスで保管する。

  • 上バリにアオイソメ3匹、下バリにマムシ(5㌢)というのを基本とし、時合と見るやアオイソメを5匹に増量してアピールする。

なお、アオイソメに関しては、頭にハリを刺すとすぐに動きがわるくなるため、先端の5㍉下あたりからハリを入れてチョン掛けにする。ただ、遠投する際はその限りではない。投入時に外れないように、かたい部分からハリを刺すのがよいとのことだ。

そして、餌は新鮮なものほど食いがよいことから、1日じっくりと釣るときはアオイソメ500㌘、マムシ100㌘と多めに用意する。また、水温の低下とともにカレイの食いが渋くなれば、動きのよさと匂いの強さを兼ね備えた国産のアカコガネの使用も考慮する。入手しづらいうえ高価なのがネックだが、食いは抜群によいだけに手に入るなら用意したい。

実釣アドバイス

■広く探ってチャンス拡大!!
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投点50㍍以内の東二見人工島の南面でも探れる範囲はかなり広い。潮が走っている状況では休まる暇がない。

カレイ釣りでは仕掛けを流した距離と釣果が比例するといっても過言ではない。ピンポイントで釣れている場合はその限りではないが、釣り場全体で釣れている状況でライバルが少ないならできるだけ長く流せる釣り座を選択するのがいい。たとえば、潮流が左に流れているなら左端に釣り座を構える。そうすれば、隣の人のテリトリーに入ったから回収という通常のサイクルを気にせずに広範囲を探ることができ、ヒット率が高まる(左右に釣り人が入っているときは左右45度にラインが傾いた時点で回収する)。

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また、横の距離に遠近を加えると探れる範囲は大きく広がる。混雑する状況では4本を限度として潮かみから近・中・遠と投げわける(ポイントが決まっているときはこの限りではない。潮しもにある近投ポイントを探ることもある)。それぞれはただ単に投げわけるのではなく、何らかの変化があるところに目をつけること。たとえば、一般的な護岸からの釣りならばケーソンを支える土台の切れ目が近投の候補となる。また、本命からのシグナルがあったラインの他、沖から手前に探る中で見つけたカケアガリなどの地形変化やシモリなどの底質の変化が遠・中の仕掛けをおさめる目安となる。

そうした地形の変化はラインを介して竿へと伝わる手応えの違い(落ち込みは軽く、カケアガリは重くなる)から判断する以外に、手前であれば力糸と道糸の結び目の位置の違いからも読み取ることができる。つまり、結び目の位置が高くなればカケアガリなどがあって浅くなっている、水中に入るなど低くなれば窪みなどがあるため深くなっている、などと判断ができるわけだ。

5〜10分おきに竿を2〜3回あおるサソイを入れる。上方しか見えていないと思われるカレイに対し、餌を少し浮かせてアピールするのが目的。誘った直後にアタることも多い。ただし、あおり過ぎると仕掛けが大きく動き、根に掛かることもあるから要注意。

そのようにして考えていくと攻め手のバリエーションは多岐にわたる。未経験の方は〝投げて待つだけ〟というイメージを投げ釣りに対して持っているかもしれないが「仕掛けをきちんと狙いのラインへ投入し、数分に1度サソイを入れる、あるいは餌取りに餌が取られていないか回収してチェックする」という作業を4本の竿で行なうと結構な忙しさになる。その間にアタリがでたりするとなおさらだ。

もっとも、狙いのラインを流そうと思えば潮流の動向を常に把握する必要があるし、それに付随して仕掛けがイメージ通りに流れるようにオモリをはじめとした仕掛けについても考えなくてはいけない。取材当日にしても、松尾さんは潮が動かない時合落ちには同行者と団らんすることもあったが、潮が動いている間は竿の傍らに立って状況の把握に努めていた。そうした細やかな配慮が釣果につながるのだと実感することができた。

さて、取材から2週間たった11月末、松尾さんから「釣れる範囲は狭まったけど、依然として好調。良型が上がってるで!!」と連絡が入った。「ポイントと時合(潮流)を見きわめ、ここぞのタイミングでアピール度の高い餌を入れ続ける」 この基本を実践しつつ状況に合わせて仕掛けをかえることができれば、ピークをやや越えた感のある状況でもきちんと結果を残せることがベテランの声高らかな様子から認識することができた。

タックルデータ

竿 ダイワ・トーナメントプロキャスター35号425 ※ニューシリーズあり
アタリのでやすさと軽い力でも飛距離がのびる高い反発性、コントロールキャストを容易にする胴から曲がる調子の2つが特筆すべき点であり、同じ場所へ投入することが求められるカレイ釣りに最適とあって愛用している。また、ガイドへの糸がらみが少ないうえ、軽量である点もお気に入りの理由の1つとなっている。なお、現在はさらに軽量で、感度も向上したAGS(エアガイドシステム)を搭載したモデルがラインナップされるなど、シリーズが一新されている。
リール ダイワ・トーナメントサーフ45QD ※ニューモデルあり
ダイワ・サーフベーシア45QD
ナイロンラインを使用するときは、カレイ釣りで求める巻き上げのパワーと軽さを兼ね備えたこの2つを愛用している(トーナメントサーフ45QDは廃盤。ニューモデルはPEモデルのみ)。

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