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全国大会で感じた1匹のグレの価値。悪条件下で釣るまでの過程を解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.56
意気込んで臨んだ全国大会でしたが、状況は厳しいのひとこと。いつも以上にシビアな釣りを強いられた競技の様子から1匹を釣るための過程とノウハウを紹介させていただきます
(カメラ/文 上田泰大)
グレの活性は低&強風の中での戦略は…
12月2〜3日、大分県鶴見の磯で行なわれたハヤブサ全国選抜グレ釣り選手権決勝大会へ参戦しました。
今大会は全国各地で行なわれた予選を突破した選手と、前年度の優勝者を合わせた19名が釣技を競います。
愛媛県日振の予選時には1番のクジを引いて1位通過を果たしています。そのことを思い浮かべながら引いた組み合わせ抽選のクジは何と1番!! とても縁起のいい番号とあって期待がふくらみます。とはいえ、状況はよくありません。北西の風が強くて釣りにくいうえ、グレ自体の活性も低いようです。そのため数はあまり釣れないと予想されます。
3人での対戦となる1試合めは港から一番近い「ウノバエ」という磯へ渡礁。ジャンケンに勝って優先権を得た私は沖を向いて右側(①)に入りました。理由は、潮通しがよさそうで、最も釣れると感じたからです。
釣れそうなポイントを先に選んだのは、地元の釣り人から得られた「あまり釣れてない」「すぐに食いが止まる」という情報に加え、前日に行なったプラの印象から早めにいいポイントへ入って釣果をできるだけのばすのがよいと考えたからです。
スタートして3投め、シモらせたウキをゆっくりと引いてから竿で聞くと、コツコツッとアタリがでました。すかさず合わせるとグレがヒット。間もなくキャッチしたのは30㌢ほどのキーパーです。
続いて同じポイントを狙うものの、餌取りの勢いが強くなって刺し餌が残りません。それならと餌取り用の撒き餌を手前へ入れて少し遠投して狙います。すると、シモりかけたウキがモゾモゾッと消し込まれてグレがヒット!! キャッチしたのは先ほどと同じぐらいのサイズです。
この後はフグやアイゴなどの餌取りに悩まされて釣果をのばせませんでしたが、880㌘(2匹)対270㌘(1匹)対305㌘(1匹)で1回戦を勝利できました。
強風対策のシビアな釣りが奏功
2回戦のステージは「白崎の4番」。ジャンケンに負けた私は右側(①)からスタートです。
ここでの作戦は、2ヒロまでの浅いタナへ浮いてくるグレを00のウキを用いた仕掛けで狙い撃ちにするというもの。ただ、ネックとなるのが正面をまともに釣れないほどの強風です。その対策として、風しもへ遠投した直後に竿先を10㌢ほど海中へ入れ、すかさずラインを引いて海中へ潜らせる、という方法を取ります。これをしないと滑った上潮にラインが取られ、撒き餌と刺し餌がどんどん離れるばかりか仕掛けの角度がわるくなります。そのような状態だとまず釣れません。
ほどなくしてシモらせたウキが海中に消し込まれました。間もなく上ってきたのは23㌢ぐらいの尾長グレ。釣れない状況下では貴重な1匹です。
左側(②)に入った後半はアイゴなどの他魚が多く、グレの追加はなし。その結果、200㌘対0㌘で勝利。貴重な1匹で勝つことができました。
ベスト4が出揃ったところで1日めの競技は終了。その夜はホテルで懇親会が催され、翌日の準決勝の対戦者を決める抽選も行なわれました。その結果、私は関西から一緒にきた西さんとの対戦となりました。
小アタリへの対策が功を奏したものの…
2日め、準決勝の舞台となる磯は「ウノバエ」。お互いが前日に釣りした磯ですが、状況は少しかわっています。
ジャンケンに負けた私は左側(①)の船付きでスタート。すぐにヒットさせますが、手前に寄せた魚が急に動かなくなりました。根に張り付いたのだろうとラインを緩めるものの魚が動きだすことはありませんでした。
そうこうしているうちに相手選手はグレを1匹キャッチ。こちらも気を取り直して狙いますが、再び掛けた魚が同じところで寄ってこなくなります。強引に浮かそうとしても、左右に移動しても魚は出てこず…。前方に浮いているブイのロープが何本か入っているのでしょうか? 30年以上釣りをしてますが、こんな経験は初めてです。
結局、キーパーとなる23㌢あるなしのグレを1匹釣っただけで前半は終了となりました。
右側(②)に入った後半は前日と同じように狙います。しかし、グレの反応がありません。釣れるのはフグ・アイゴ・チャリコのみ。
終了時間がだんだんと迫ってくる中、小さなアタリをとれるようにカヤウキを用いた仕掛けにチェンジ。仕掛けが入り過ぎないように狙うと、28㌢ぐらいのグレを1匹追加できました。
その後は反応がないまま試合終了。検量結果は350㌘対385㌘で敗戦。23㌢あるかと思っていたグレはサイズ足らずとして検量ではじかれてしまいました。
その後、3位決定戦が行なわれましたが、620㌘対235㌘(ともに1匹)で負けてしまいました。
風が強いうえ、グレがあまり釣れていないという厳しい状況の中で、ていねいな釣りをすることの重要性を今大会を通して感じました。それを課題としてあげて練習し、次回の競技に生かしたいと思います。
なお、優勝は西選手、準優勝は細川選手、3位は国見選手、私は4位という結果になりました。
全国大会はあちこちから集まった釣り仲間と交流ができる大きなチャンスです。今回も自身が知らない釣りを学ぶことができ、釣りの楽しさを改めて実感できました。みなさまもぜひチャレンジしてみて下さい。
釣行メモ
第三正幸丸 | |
---|---|
HP | https://seikoumaru.info/ |
電話番号 | 0972-33-0896 |
住所 | 大分県佐伯市鶴見大字地松浦267-2 |
タックルデータ
撒き餌 ※沖アミは9㌔。1日分(2試合分) |
マルキユー・グレパワーV9徳用 | ||
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マルキユー・爆寄せグレ | |||
マルキユー・グレジャンボ | |||
マルキユー・グレパワーV10 | |||
刺し餌 ※スーパーハードMがよかった |
マルキユー・くわせオキアミスーパーハード M | ||
マルキユー・くわせオキアミV9 M | |||
マルキユー・特鮮むきエビ | |||
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活性起爆材・グレにつけた生沖アミ | |||
マルキユー・活性起爆材・グレ | |||
竿 | シマノ・BB-XSPECIAL SZⅡ 1.2号485/520 | ||
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リール | シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG | ||
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道糸 | 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号 | ||
ウキ | ソルブレ・PFフカセM-00 | ||
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ハリス | 東レ・スーパーL EXハイパー | ||
ハリ | ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ | ||
【上田泰大プロフィール】
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