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近ごろの中紀は要注目!! サイズ良好かつ尾長グレの可能性も十分|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.41

グレ釣り一直線

近ごろの中紀エリアはグレのアベレージサイズが上がっている印象があります。また、尾長グレも良型が期待できるなど、釣行時の期待感はなかなかのものです。11月の釣行でもなかなかいい手応えで…!!

(カメラ/文 桑原英高)

中紀のグレのアベレージサイズがのびています

本格的なグレ釣りシーズンが開幕する11月ごろは、和歌山県の初島~御坊あたりの中紀地区を狙うのが毎年の恒例です。温暖化によって上昇している海水温の影響かどうかなど理由は定かではありませんが、近年の中紀エリアは南紀エリア顔負けの釣果が出ています。とはいえ、私が子どものころはもっと釣れたことから「復活しはじめた」というべきでしょうか?

30年ほど前、空前のグレ釣りブームがありました。そのころから中紀あたりは釣れても30㌢前後の中型がほとんどで、40㌢オーバーとなると滅多にお目にかかれない状況となりました。それ以前は50㌢オーバーが年に何匹も出ていました。また、私の地元の矢櫃などでは南方系の魚であるモンガラハギやナンヨウカイワリ・ウスバハギなども釣れていたものです。これらの魚を見かけなくなったころからグレの釣果が落ち、小型しか釣れなくなった印象があります。

そのような状況から一転して、近ごろは初島や矢櫃で40㌢オーバーの尾長グレが釣れたり、50㌢オーバーの口太グレが出るようになりました。40㌢オーバーの尾長グレに関しては南紀よりも高確率という感じです。また、口太グレに関しても40㌢オーバーなど皆無であった初島ですら50㌢に迫るサイズが釣れています。一攫千金といえる60㌢オーバーとなるとさすがに南紀方面の方が確率は高いと思いますが、中紀全域においてアベレージサイズがのびているのは確かです。

そんな状況の中、例年通りに矢櫃からスタートしようかと思っていましたが、良型のグレが釣れ始めたという田杭の存在も気になり始めました。どうしようかと迷っていたところ、ユーチューバーの『たけPOKO』さんからお誘いがありました。「中紀方面で竿を出したことがあまりない」というので田杭の小バエに行ってみたところ、そこそこの釣果が上がりました。ただ、当日は爆風、大波の悪天候だったことから記事のネタとしてはイマイチ。そこで、翌週に職場の西本君と釣友のカネちゃんとで小バエへ再びアタックすることにしました。

本命は上り方向の潮。その流れが走りだすと…!!

釣行日は11月12日。風はなく、波が穏やかな最高の釣り日和です。

中紀の本命潮は上げ潮時に流れる上り潮です。現状の緩やかな下り潮が上りにかわるまでは、足もとのサラシと下り潮が当たるところを狙える①の釣り座から竿を出すことにします。

グレ釣り一直線

撒き餌は沖アミ6㌔にマルキユーのⅤ9徳用、遠投フカセスペシャル、沖撃ちスペシャルを各1袋配合したものを用意しました。餌取りとなるオセンが異常に多い田杭をはじめとした中紀では、これらの配合餌をしっかりと練りあげて遠投できるようにしておくのが大事です。

グレ釣り一直線
このような配合パターンとしました。
グレ釣り一直線
遠投できるようにしっかりと練り込みました。

この撒き餌の他、いつものようにセパレートバッカンにボイル沖アミを1.5㌔用意しています。そして、刺し餌は生とボイルを使いわけることにします。

ひとまず撒き餌を足もとへ入れてみると、オセンとマイクロ木ッ葉がどっさり!! そこでハリスにG5を2段打ちにし、ウキ下を1.5ヒロ取った仕掛けで狙うことにします。しかし、オセンとマイクロ木ッ葉の猛攻でどうにもなりません。

グレ釣り一直線

撒き餌の下には40㌢オーバーのグレの姿がチラチラと見えますが、オセンや木ッ葉の下でユラユラと泳いでいるだけです。

潮の流れが緩やかなので足もとを諦めて20㍍ほど沖へ遠投してみますが、こちらも木ッ葉地獄。もう少し潮が動くまではあちこち探りながら辛抱するしかなさそうです。

それから釣れるのは大きくても25㌢ほどのリリースサイズばかり。しかし、この小バエではいい潮がくれば一気に豹変するだけに気が抜けません。

夕方まで釣りができるためのんびりしていると、緩やかに流れていた下り潮が止まりました。やがてゆっくりと上り方向に流れ始めると、海の様子が一変。おびただしい数の浮きグレが海面に見え始めました。45㌢は軽く超えていそうなグレが見える群れもあり、西本君もカネちゃんもスイッチオン!!

海面にプカプカ浮いているヤツは刺し餌をまったく触らないので、少し下にいるグレに狙いを定めてウキ下を1ヒロに変更。それと同時にハリをONIGAKE・速掛グレ浅層攻略5号から極軽グレ4号に変更します。

浮きグレの進行方向の先に仕掛けをなじませて待っていると、狙い通りにアタリがでました。20㍍ほど沖だったことから群れのサイズをはっきりと確認できておらず「35㌢くらいかな?」というイメージでやり取りします。ところが、ほどなくしてやけに重くなるとともに、なかなか強烈な突っ込みを見せ始めました。

グレ釣り一直線
なかなかの締め込みを見せてくれます。

「これは40㌢はありそう!!」と思っていると、間もなく40㌢を超えていそうなグレが海面に姿を見せました。ただし、時期がまだ早いのと、居着きではないため痩せており、お腹はペチャンコです。矢櫃や初島のグレは年中パンパンに肥えていますが、この時期は大引あたりを境にしてこのようなペチャンコのグレが多くなりますね。

グレ釣り一直線
お腹がぺちゃんこですが、良いサイズのグレです。

続いてカネちゃんにヒット!! 上がってきたのは35㌢クラスです。

「さあ、これから入れ食いか?」と思ったのも束の間、上げ潮の時間帯にもかかわらず下り方向へ流れ始めました。この流れは中紀方面ではよくない潮。しかし、ここは中紀の名礁小バエです。何とかなるだろうとがんばってみますが、反応はありません。そのまま下り方向の流れはどんどん速度を増し、グレの反応は途絶えてしまいました。

中紀は本流釣りも可能!! 狙い通りに尾長グレも…

①の釣り座では当て潮がキツくて釣りにならないため、②の釣り座に移動。小バエではいい型の尾長グレが出るのはこの②と④の南向きの釣り座です。

手前では木ッ葉グレが釣れる以外に反応がないので、速い下り潮に仕掛けを乗せる本流釣りで尾長グレを狙うことにします。

ウキを00号に、ウキ下を1.5ヒロにした仕掛けをジワジワ沈めながら流していくと、50㍍ほどのところで道糸がバチバチッ!! と弾けました。食った場所が遠いので大合わせを2~3度入れると、気持ちのいい重みが伝わってきました。

グレ釣り一直線
気持ちのいい引きを見せる相手の正体は…。

足もとで小気味いい締め込みを見せてくれたのは33㌢ほどの尾長グレ。尾長グレは尾長グレですが、サイズ的にやはり40㌢はほしいところです。

グレ釣り一直線
大きくはないものの尾長グレが上がってきました。

はるか沖へと仕掛けを流す本流釣りで尾長グレを狙える釣り場は最近では少なくなりました。南紀では磯際でしか釣れなくなった昨今、中紀の磯では本流釣りでアタります。矢櫃や初島では100㍍以上流すこともあるなど、昔ながらの尾長グレ釣りが楽しめるのがうれしいところです。

その後、同じところで同クラスを追加しましたが、①の釣り座の西本君とカネちゃんは沈黙状態です。それでも、しばらくして下り方向の流れが緩み始めると、カネちゃんが35㌢クラスをヒットさせました。

グレ釣り一直線
カネちゃんがまずまずの引きをとらえました。

一方、なかなか調子の上がらない西本君ですが、木ッ葉とオセンの活性が落ちついている潮の緩んでいるタイミングに、朝イチに良型が見えていた磯際を狙い撃ちにしてまんまと食わせることに成功。何度も突っ込む強烈な引きに対し、私と同じBB-Xスペシャルを大きく曲げて浮かせにかかります。やがて玉網におさまったのは40㌢オーバーの口太グレ。これは居つきの個体のようで体色が茶色で、体型がポッチャリとしています。

グレ釣り一直線
西本君は最後にポッチャリとしたナイスサイズをキャッチしました。

この後、私が30㌢ちょいの口太グレを釣ったところで納竿時刻の17時を迎えてタイムアップ。

グレ釣り一直線
この日の釣果です。サイズも期待できる中紀から目が離せません。

この日は上げ潮時も下り方向への流れる状況とあって調子はイマイチでしたが、少し水温が下がればおもしろくなると思います。

釣行メモ

白井渡船
HP https://r.goope.jp/mitisio
電話番号 0738-62-2430
料金 4,000円
備考 弁当なし

餌は紀の国屋(☎0737-63-4488)。

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk

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