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口太グレ絶好調の南紀・見老津で尾長グレにこだわった結果は…!?|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.37


南紀の見老津では口太グレが良型混じりでよく釣れています。一方、個人的にメインターゲットとしている良型の尾長グレの釣況は不安定です。それでもイズスミと同じように撒き餌に反応する姿が見えだすと…!!
(カメラ/文 桑原英高)
毎年、晩春から初夏にかけて南紀・見老津にある沖の黒島回りの尾長グレ狙いがおもしろくなります。しかし、今シーズンの釣況はなぜかわかりませんがさっぱりです。沖の黒島にある牛の首、シモトバ、地の中崎、ガマの口、ガマ横、中崎、ナベ、長チョボなどの磯際を狙うと撒き餌につられて良型の尾長グレが姿を見せてくれるのですが、今年はまったくといっていいほど魚影が確認できません。そもそも沖の黒島回りでの尾長グレ狙いの基本はサイトフィッシングであり、姿が見えなければ釣れる見込みはほぼありません。
それでもいつかはいい日に当たるだろうと思って何度も通いましたが、姿が確認できるのは40㌢までの中型のみ。いつもはウジャウジャと湧き上がってくる大型のイズスミの姿さえほとんど見られない状況です。潮のかわりめなどに姿が一瞬見えたとしてもすぐに見えなくなることがほとんどでした。
そんな尾長グレとは違って口太グレに関しては40㌢オーバーも含めてよく釣れています。
このように例年とは異なるパターンの見老津へ春〜晩春に4度釣行しました。そのときの模様を紹介したいと思います。
見えることが条件!! 牛の首の尾長グレ狙い
4月6日、渡礁したのは沖の黒島回りの中で尾長グレの魚影が最も濃い牛の首です。海中にあるトンネルの回りでは高確率で尾長グレが釣れるとあって個人的に大好きな磯です。
ここでのタックルと仕掛けは四国西南部で竿を出す際と同様です。竿にシマノ・ファイアブラッドONAGAゲイルバード53、リールにシマノ・ハイパーフォース3000DXG S、道糸にゴーセン・リミテーション磯フォルテッサ2.5~3号、ハリスにゴーセン・フロロファイタールーツⅩ2.5~3号、ハリにONIGAKE・沈め探りグレ7号といった頑丈な仕様です。しかし、これでも太刀打ちできないことが多いのも牛の首です。というのも、磯の地形が特殊だからです。
ファイアブラッドONAGAゲイルバード53のような1.7号クラスのロッドが求められます。 図をご覧いただければわかる通り、牛の首の名の通りにくびれるような地形となっています。そのクビレ部分は海中でトンネル状になっており、潮流が往来します。特に、下り潮が速いときには狭いワンドを通過することで勢いを増した流れがトンネルへと押し込まれるため、仕掛けにかなり重い手応えを感じるほど潮の圧力がかかります。そのタイミングで魚が掛かると、とんでもないパワーで竿が絞り込まれるのです。しかも掛かった魚は、入られるとまずアウトとなるトンネルへと向かうため何が何でも走りを止めなければなりません。そのため、大型を本気で狙うなら最低でも上記の仕様となるわけです。
牛の首のトンネルのポイントです。 尾長グレのレギュラーサイズは40~50㌢ですが、60㌢クラスもときおり姿を見せるのでワクワクします。いずれにしても良型の尾長グレが出てくるときは大型のイズスミも必ず姿を見せます。50~70㌢クラスのイズスミがウヨウヨと出てくる様子は圧巻とはいえガッカリしがちですが、諦めてはいけません。大型の尾長グレはそれに混じって浮上するからです。つまり、イズスミの中を釣るように狙うのがこの釣り場での尾長グレ狙いのパターンとなるわけです。
当然、撒き餌を打っても何も見えないときは期待薄です。「釣れるときは見える。釣れないときは見えない」というのが沖の黒島回りでのパターンといっても過言ではありません。
どうにも止まらないサイズがヒット!!
さて、今日の牛の首は薄いドブ潮ながらも魚の活性はわるくありません。チョウチョウオやタカベといった小魚が撒き餌にたくさん集まりますが、いつものパターンなら大型の魚が寄ればおとなしくなり、やがて姿を消します。
大型の魚が寄るまで根気よく撒き餌を続けながらウキ下2ヒロの完全フカセで狙っていると、アタれば良型というこのポイントではあまり釣れない30㌢弱の尾長グレの子どもが頻繁に釣れだしました。それでも撒き餌を打ち続けると、たくさんいた餌取りがおとなしくなり始め、50㌢クラスのサンノジやイズスミが磯際に集まり始めました。
餌取りが多い時期はアミパワーグレSPを入れるのが有効です。 分量はしっかりと用意しなくてはなりません。 そして、それまでアタッていた30㌢に満たないサイズの反応がなくなり、いよいよ勝負の始まりと思った矢先、いきなりウキが海中へ消し込まれました。間もなく上がってきたのは32㌢。小ぶりですが、ひとまずキープします。
次にきたヤツの引きは強烈で、キツく締めたドラグがジリジリと鳴って糸が引き出されます。その強さに対処のしようがなく、根ズレでハリスが切られてしまいました。
「次こそは!!」と、ハリスを3号にアップ。ところが、続いてきた引きも竿を立てることができないほど強烈で、またもやラインブレイク…。その後、37㌢の尾長グレがきましたが、強烈な引きを体感した後とあって木ッ葉クラスかと思うほどでした(笑)。
37㌢の尾長グレ。それまで強烈な引きが続いていたことから手応えはもの足りませんでした。 それからは30㌢と35㌢を追加。「次は40㌢オーバー!!」と期待しましたが、潮が上り方向にかわると魚の活性が一気に低下。狙いの40㌢オーバーは出ないまま終了となりました。
牛の首での釣果です。もう少しサイズがほしいところです。 尾長グレの気配は濃厚でも上り潮だと…
尾長グレの気配は濃厚であることがわかったので、いつも利用する林渡船の磯割りがちょうど横島回りということで翌週も見老津にアタックしました。
渡船へ乗ろうと港で用意をしていると、職場の同僚である西本夫婦に会遇。一緒に乗船すると「みんなで牛の首へ行け!!」と船長の指示が出ました。
しかし、今日の牛の首はご機嫌斜めの様相です。上り潮とあって撒き餌を入れても魚影がまったく確認できず、沈黙が延々と続きます。ダメなときの牛の首の典型的なパターンに同行の丸谷さんも諦めモードです。
やがて西からの超爆風が吹きだしたことで私もギブアップ。しかし、西本夫婦は黙々と釣り続けています。
林渡船のお客さんに大人気のサバの唐揚げ弁当は700円。メチャウマです。
状況が変化したのは納竿時刻の間際。潮が緩やかに下り始めると、トンネル付近で50~60㌢クラスのイズスミが集まり始めました。そして、その中には50㌢クラスの尾長グレの姿が見えます。
これを見た西本夫人のマキコちゃんは大興奮。爆風という厳しい状況の中で必死になってがんばる姿に心打たれた丸谷さんが横に立ってアドバイスをしますが、スレッカラシの魚たちはそうは簡単に食ってくれません。結局、アタリをとらえられないまま無情にもタイムアップとなりました。
爆風の中でがんばるマキコちゃんをサポートする丸谷さん。 個人的にもこのままでは腹の虫がおさまらないので牛の首へのリベンジ釣行を決めました。
口太グレは好調!! その中で尾長グレにこだわると…
5月9日、以前からフェイスブック上で釣行を約束していた奥野さんと見老津へ(週末になると雨というサイクルで延期が続いたことから5月になりました)。
渡礁後の牛の首はまたしてもご機嫌斜め。口太グレ狙いの奥野さんは船付きで40㌢クラスが混じるまずまずの釣果を上げましたが、尾長グレ狙いの私は撃沈。長年通い続けている牛の首ですが、これほど貧果が続くのは初めてです。40㌢オーバー混じりでよく釣れている口太グレに目を向ければ釣果は得られるかと思いますが、個人的には見老津といえば尾長グレなんですよね~(笑)。
口太グレは良型混じりで絶好調!! それに対して尾長グレは絶不調!?
5月23日、牛の首に見切りをつけて息子と丸谷さんとともにナベ回りの磯割りの林渡船へ。
船頭が選んでくれた磯は牛の首と同様に沖の黒島回りでは尾長グレ狙いの超1級である地の中崎(昔は牛の首よりも大型がよくアタりました)。個人的には50㌢を軽く超えるサイズを玉網入れ寸前でバラした悔しい思い出のある磯です。もっとも、40~47㌢クラスなら数えきれないほど釣っていることから久しぶりに渡礁するとあってワクワクします。
この磯には「下げ潮はまったくダメで、釣果が上がるのは上げ潮」という特徴があります。つまり、下り潮が走る状況で上げ潮が重なるのは最高のタイミングだといえます。そのことから上げ潮となる午後からの釣りに期待しようと思っていたところ、渡船が目前にやってきて「風で釣りにくいけど、ソビエトにも行けるぞ!! どうする!?」と船頭が口太グレの数釣りが期待できるソビエトへの転進を提案してくれます。それに反応したのが息子。「口太の数釣りがしたいからソビエトにかわりたい!!」ということで、尾長グレ狙いを渋々諦めてソビエトへ。
渡礁後、口太グレの数釣りがしたいといっていた息子の釣りが炸裂。船付きから下り潮に乗せて仕掛けを50㍍以上流すパターンで35㌢、39㌢、42㌢、43㌢と良型を連発させます。
ソビエトで絶好調の息子。
良型の口太グレを連発させます。 私も隣に入って竿を出しますが、西からの爆風の影響で流しづらく、何かしっくりきません。仕掛けがうまくなじんでいないようなので仕掛けを変更します。その後、刺し餌をハリに刺して投げようとしたとき、大きな波が突然足もとをさらいました。その影響で息子がバッカンは海へ流されました。幸い渡船が近くにいたのでバッカンは無事に回収できましたが、風波が強くなったことで撤収の指示が出てジ・エンドとなってしまいました。
以上のように貧果続きですが、リベンジをしにまた見老津へ通うつもりです。
いつもお世話したなる林渡船。安心して磯釣りを楽しめます。 釣行メモ
林渡船 HP http://hayashitosen.com 住所 和歌山県西牟婁郡すさみ町見老津286 電話番号 0739-58-0037 料金 4,500円
弁当は700円備考 渡船店にて受付(乗船名簿記入)をしたあとに渡船乗り場へ移動して乗船。渡礁する磯は船長の判断によって割り当てられる。釣り終了後、港にて料金を支払う。 餌店 フィッシングベース海クン(0739-45-8450) タックルデータ
【桑原英高プロフィール】
グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk関連記事
- 興奮度は最高!! 愛媛県中泊で大型尾長グレと勝負|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.36
- 南紀の超名礁、伊古木・沖のセシマのポテシャルの高さを再認識!!|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.35
- 尾長グレヒットの期待感大!! 良型が出た南紀・見老津の釣りを紹介|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.34
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