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カゴ釣りなら手軽!! ハマチなどの青物狙いのパターンを解説

ハマチなどの青物狙いのパターンを解説

秋はカゴ釣りで青物の引きを楽しめます。ハマチ〜ブリはもちろん、大アジやソウダガツオも視野に入れることで初心者でも楽しめるカゴ釣りスタイルを紹介しましょう!!

青物狙いと聞いて真っ先に思いつくのは飲ませ釣りでしょう。しかし、このパターンでは生き餌の確保や管理など、実際の釣り以外に気をつかう場面が多くなります。最悪の場合、餌を確保できずに断念…、ということもあるのが難点です。また、生き餌の扱いに慣れていないと、投入後すぐに餌が硬直するケースも少なくありません。青物狙いでは最も有効といえる飲ませ釣りですが、それらの点を考えるとビギナーには難易度が少し高いといえます。

そこでおすすめなのがカゴ釣りです。餌は釣り具店で用意できますし、飲ませ釣り以上に多彩なターゲットを狙えるのが魅力です。タイミングよく釣行すれば飲ませ釣りに負けない釣果が期待できるのでぜひマスターして下さい。

青物狙いのカゴ釣りのタックル

カゴ釣りの基本タックルは図の通りです。

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道糸について

道糸は3号を基準にし、メジロクラスの大型が回っている情報があるときは5号といった太号柄をセットするのが無難です。

カゴの選択について

カゴはクッションつきの天秤タイプがカラミが少なくて使い勝手が良好です。ナイロンタイプよりも餌の出具合がよいステンレスタイプの方が青物狙いにはマッチします。

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天秤カゴは、プラカゴよりもスムースに餌が出るステンレスタイプがベストです。

仕掛けについて

仕掛けはカゴ釣り用の2〜3本バリタイプで、一番下のハリ以外にスキンがついている市販品がおすすめです。それだと餌がなくても大アジなどがヒットするチャンスがありますし、フグなどの餌取りが多いケースでも気にせずに流せるからです。

できれば、各ハリについているスキンの色が異なるミックスタイプ、すべて同じ色のスキンがついたタイプを各色用意したいものです。というのも、ソウダガツオやアジなどは釣行する日によってヒットカラーが異なることがあるからです。

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まずはスキンの色が異なる仕掛けでヒットパターンをうかがうのが得策です。

そして、アプローチするときは、色が異なるタイプでスタートするのが賢明です。それでどの色によくヒットするかを見きわめてから、すべてのハリにそのカラーのスキンがついたものにチェンジすると効率が高まります。

青物狙いのカゴ釣りの餌

撒き餌の考え方

撒き餌は沖アミやアミエビが主体となります。沖アミやアミエビの単体はもちろん、沖アミ+アミエビという組み合わせも有効です。沈下がやや速い沖アミは深いタナ、沈下がやや遅いアミエビは浅いタナを狙う際に効果的という考え方が一般的です。

注意したいのは、カゴごとに違う餌の出具合(隙間の大きさ)の兼ね合いも考えて選択することです。たとえば、隙間の小さなナイロンカゴに大粒の沖アミを詰めると、いつまでたっても放出されないという不具合が生じます。逆に、隙間の大きなステンレスカゴにアミエビだけを詰めると、着水後すぐに放出されるという事態が考えられます。

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カゴに入れる撒き餌は8分程度としましょう。パンパンに詰め込むと撒き餌が出にくくなります。

隙間の小さなカゴを用いるときは小粒の餌を使うしかありませんが、隙間の大きなカゴでアミエビを使いたいときには配合餌を用いるといった対処法があります。その種類はターゲットのタナに応じて選ぶのがベストですが、比較的浅いタナを回遊する青物に的を絞るならグレ用に多い比重の軽いタイプをチョイスするのが得策です(深いタナでアジが釣れているならチヌ用にラインナップされている高比重タイプをセレクトしましょう)。

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配合餌を用いるパターンも有効です。

なお、和歌山でいうと、紀北エリアではアミエビ派が多い、中紀エリアでは沖アミ派が多いということからわかる通り、魚が好反応を示す餌はエリアごとに異なります。釣行するエリアの事情に応じて餌をかえることも大切です。

刺し餌の考え方

刺し餌は撒き餌に合わせるのが基本です。沖アミ主体の撒き餌なら沖アミ、アミエビ主体の撒き餌なら刺しアミという具合です。前述した市販仕掛けを用いるなら、刺し餌は下バリにつけるだけですからワンパックもあれば十分です。

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アミエビを撒き餌に使ったときに有効な刺しアミ。
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撒き餌に沖アミを使ったときには刺し餌も沖アミとするのがスムースです。

青物狙いのカゴ釣りの釣り場と釣行タイミングの目安

青物を狙うに当たって最も大切なのがポイント選びです。回遊するルートを見きわめない限り、アタリをとらえるのは難しいでしょう。

好ポイントの第一条件は潮通しがよさです。たとえば、岬の先端に近い波止、他よりも突き出した波止が狙い目となります。

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潮通しのよいロケーションが狙い目となります。

また、カゴ釣りで狙う場合は海面に変化がある場所もポイントの目安となります。特にわかりやすい変化が潮目です。海面に見られるくっきりと出た筋の境目はていねいに探りましょう。その変化の周囲は他よりも複雑な流れが発生しており、撒き餌が溜まりやすい傾向にあるからです。

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このような潮目が見られるところもポイントの目安となります。

注意したいは、潮通しのよさが好条件になるとはいえ、急流はカゴ釣りには適しません。撒き餌と刺し餌が同調しにくくなるからです。そのため、大潮後の中潮など、潮が適度に流れるタイミングでの釣行がおすすめです。

時合の傾向について

時合が到来する傾向はターゲットによって異なります。ハマチを狙うなら潮の上げ七分〜下げ三分がベストです。それが朝まづめに重なるタイミングなら好釣果の期待が特に高まります。

大アジ・大サバは朝夕のまづめどきが狙い目になります。

ソウダガツオに関してははっきりした時合がありません。朝まづめに回ってきたと思ったら真っ昼間に食いが突然立つこともあります。

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ソウダガツオは1日を通してチャンスがあります。

なお、浅いタナを活発に動き回るハマチやソウダガツオを狙うなら、曇天が好条件になることも覚えておきましょう。

青物狙いのカゴ釣りの実釣パターン

ウキ下の設定の考え方

実釣の際に最も大切なのがウキ下の設定です。釣り場の水深の半分より上のタナが狙い目になる青物狙いでは2〜3ヒロを基準にし、状況に応じて上下させるのが基本です。ソウダガツオや大サバの回遊が見られるときは、1ヒロのウキ下が有効になるケースもよくありますし、アジに関しては底近くを狙う方が大型がよくアタることもあります。

投入点の考え方

撒き餌をカゴに詰めて刺し餌をセットしたら投入です。このとき、投入点の目安として手っ取り早いのが周囲の釣り人が流しているコースです。そのコースには撒き餌の帯ができているぶん効率よく狙えます。釣り座を選ぶときにはその点を意識し、他の釣り人の潮しもに入るのが理想的です。

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とはいえ、重量のある仕掛けをコントロールよくキャストするのはなかなか大変です。慣れるまでは、道糸をリリースするタイミングをしっかりとつかむために、八分程度の力で竿を振り切るようにしましょう。同じコースを流すことが釣果につながるカゴ釣りでは、常に一定のポイントへコントロールよく投入することが大切です。

なお、タラシが長くなるカゴ釣りでは、投入時にハリが周囲に引っ掛かるトラブルが多発しがちであるため、竿を振りだすまではハリを目で追うこと。背後を人が歩くこともあるため、安全性の観点からも必ず行なって下さい。

仕掛けの流し方

キャスト直後はスプールエッジに指を当ててラインを出します。ここでラインを一気に出すと糸フケが出過ぎるので要注意。糸フケが多くなるほど潮流の抵抗がかかり、仕掛けが狙いのコースから外れたり、合わせがききにくくなるという不具合が生じます。張らず緩めずをキープするようにラインを適度に出しましょう。

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このようにスプールのエッジを押さえながら適度に道糸を出していきます。

なお、これは仕掛けを流すときも同様です。仕掛けが流れるコースがかわらないように糸フケをこまめに取ることが大切です。

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その後はアタリを待つわけですが、反応がまったくないことも珍しくありません。そんなときは、スキンをキラキラと動かすイメージで2回ほど竿を軽くシャクるサソイを行なってみましょう。反射食いを誘うこのパターンは、竿をシャクッた直後にアタリがでることもあります。ただし、大きくシャクッたり、頻繁に誘うのは禁物です。仕掛けの流れるコースがかわるからです。ひと流しで2回誘うのが限界でしょう。

アタリのパターン

ハマチ・ソウダガツオのアタリは誰でもわかるほどウキが豪快に海中へ入ります。しかもウキが入った瞬間に手もとにも引きが伝わるため、ウキにでるアタリを見たことがないビギナーでも見逃す心配はないでしょう。

ハマチなどの青物狙いのパターンを解説
このように出ているウキのトップがズッポリとはいるので一目瞭然です。

合わせの方法

そのように強烈なアタリだけに強い合わせは必要ありません。たいていは向こう合わせでしっかりとハリ掛かりするからです。それでも念のためにハリを食い込ませるようなイメージで軽く合わせておくと安心です。

やり取りの方法

合わせが決まれば青物独特のスピード感あふれるファイトが始まります。ここでの注意点はラインを出さないこと。ラインを出すと波止際に沿って走られたり、シモリ回りを走られてラインブレイクする確率が高くなるからです。また、両隣の人の仕掛けにカラむといったトラブルが多発するから注意が必要です。

魚が沖に向かって走っているときはリールを巻かず、引きを竿でためることに徹します。そして、引きが弱まったところで竿を寝かしながらリールを巻きます。こうしたポンピングを繰り返すのが青物をキャッチするやり取りのコツとなります。

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ただし、口もとがやわらかいアジが相手になるときはポンピングは不可です。アジがヒットしたサインである下へ下へ潜るような感覚が伝わったら、ポンピングせずに竿を立てたままごくゆっくりとリールを巻きましょう。これで口切れによるバラシが減り、キャッチできる確率が高くなります。

取り込みの方法

小型の魚の取り込みはゴボウ抜きがベストです。足もとへ寄せても走り回る青物類の場合、ヘタに玉網を使わない方がよいものです(弱い竿の場合は玉網で取り込むこと)。

ハマチなどの青物狙いのパターンを解説
このクラスなら抜き上げるのが無難です。

抜き上げるときは、足もとに寄せるにしたがって竿先を下げ、ハリから竿先までをできるだけ短く保って一気に抜き上げるのがコツです。ここで遠慮がちになると波止の壁面に魚が当たってバレるという不具合が起こります。上空へ向かって放り上げるイメージで抜き上げるとうまくいきます。

なお、良型に関しては玉網を使って取り込みましょう。

ワンポイントアドバイス

時合が短いことが多い青物狙いでは、仕掛けを流している時間を長くすること、つまり仕掛けを回収してから投入するまでのタイムロスを少なくすることが大切です。刺し餌のセット→撒き餌をカゴに詰めるという順序を守るなど、常に一定の動作を心がけましょう。

また、ハリが掛かりやすいスニーカーではなく、靴ヒモがないシューズやブーツを着用するなど、身の回りのものを見つめ直すことでも手返しが高まり、釣果アップにつながります。

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