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ゴミ問題など釣り場でのマナー&モラルを再考しまひょ|やめられまへん!! 投げ釣りはっ【オッサンの気ままな釣り日記編】No.28


今回は近ごろより目立つようになったと感じる釣り場におけるマナー違反についてのお話です。実例をいくつかあげて釣り場でのマナー&モラルを今一度考えてみようかと思います。
(文:中本嗣通)
人間が社会で生きていくうえで最低限必要なことといえばルールを守り、マナーとモラル(礼儀と道徳)を尊厳することだと思います。この「他人を思いやる」という最低限の秩序がなければ人間社会を構成することは不可能でしょう。秩序が守られなければ個としての生活を優先する動物とかわらぬ低いステージにまでおりてしまうことになります。
では、現実はどうでしょう? 「他人を思いやる」というやさしい心が社会の中で息づいている反面、己の利益を得るために個を優先させてルールを破る人が多いのも事実です。それゆえに本来は重くあるべきマナーとモラルが軽んじられ、現在では他人を思いやるどころか「自分さえよければ…」という利己主義的な風潮がまかり通る世知辛い世の中になっているように思えます。
僕らの趣味である『釣り』という遊びにも当然のごとくマナーやモラルが存在しており、そのルールを無視して遊ぶことは許されません。ましてや、その大半が公共の場といえる海岸線を釣り場とする投げ釣りにおいては「マナーとモラルを守り、みんなで楽しく遊ぶ」ことが大前提となって成立するのではないでしょうか?
…とまぁ、オッサンにしてはチョイとかたい言葉を並べてみましたが、早い話が「他人に迷惑をかけることなく、みんなで投げ釣りを楽しみまひょ♡」ということですわ。確かに、現在の常識レベルは僕らが育ってきた昭和の時代に比べて落ちているようで、釣り場でのマナー問題ひとつを取っても以前よりも後退したように思えてなりません。
そこで、釣り場におけるマナー違反の例をいくつかあげて釣り場でのマナー&モラルについて今一度考えてみようかと思います。
『関西のつりweb』を閲覧される優良なキャスター諸兄にマナーを問うなんぞはまさに〝釈迦に説法〟やとは思いますが、よろしければご一緒に再考してみまへんか?
釣り場のゴミについて考えましょ
エラそうに「釣り場のマナーを考えましょう!!」とはいっても、このオッサン自身が聖人君子のような尊厳に満ちあふれた人物では決してありません。どちらかといえば俗物の塊である僕は他人様よりも欲が深いうえ、わがまま勝手で小心者のヘタレときていますから人物的にはゲゲゲのゲに属していることは関西のつり誌時代からご愛読していただいている方ならばよぉ〜くご存知のことと思います。
そんな人間的に低いレベルのオッサンでも、絶対に許せないマナー問題がひとつあります。それは釣り人が起こすマナー問題として世間で大きく取り上げられて問われることの多い『ゴミ問題』です。
こんな看板が設置されなくてはならない状況が悲しおまんな。 釣り具のゴミによる事故の実例
僕の姪っ子がまだ幼稚園児だったころ、夏休みに中紀・湯浅にある海水浴場へ遊びに連れて行ったときの話です。波打ち際で機嫌よく遊んでいた姪っ子が突然泣き出しました。様子を見に行くと、なんとキスの引き釣り用仕掛けがガッチリと絡みついた右足首にキスバリが刺さっているやおまへんか。
「痛いよォ〜」と泣き叫ぶ姪っ子の足首から刺さったハリを抜こうとしますが、カエシが邪魔をしていっこうに抜けません。無理に抜こうとすると細軸の小バリが変形して折れそうになります。ハリ先が途中で折れて体内に残れば一大事です。ナンら有効な道具を持たないオッサンはなす術もなく「アァ〜ッ、これも今まで釣りで殺生を続けてきた報いか?」と嘆いてオロオロするばかりでした。
そうするうちに妹が機転をきかせて呼んだ救急車が到着し、そのまま救急病院へと搬送されます。そして、診察室へ運ばれるとスグに小さな足首へ麻酔を打ち、軽く切開して足首に食い込んだ3本のハリを除去。それで何とかことなきを得たのでありました。
羽根や足、クチバシなどにラインやハリが絡んだ鳥の写真とともに釣り人のマナーのわるさを問題視する新聞の記事やニュース番組などを見て腹立たしく思いますが、このときはそれどころではありません。なにせ自分のかわいい身内、それも幼い女の子がドえらい災難に遭わされたのですからまさに「怒髪天をつく」思いですわ。
渚は1年を通じて釣り場であるとともに、子どもたちの遊び場所でもあります。だからこそ、砂浜はもちろん、防波堤や岩場といった海辺に危険な使用済みの仕掛けをむやみに放置、投棄するといった悪しき所業は言語道断です。その常識を逸脱した行為によって、どこかの海辺で幼い子どもたちが手痛い思いをするだけに終わらず、もっと重大なケガを負う事故へ発展する可能性も否定できません。
このエピソードは、僕がフィッシングショーや講習会などのステージの最後で行なうマナーの啓蒙の際に語る話です。掛け値なしの実話だからこそ説得力があるのか、僕の話を熱心に聞きながらうなずいて下さる方がたくさんいています。そんな方々は使用済み仕掛けの後処理もキチンとしていただけることでしょう。
釣り場のゴミはいっこうに減らず…
それでも現実に釣り場へ入れば使用済みの投げ仕掛けがあいかわらず散乱しているケースも多く、それらを見るたびにタメ息がもれる僕なのです。
ラインやハリといったタックル系以外で釣り場のゴミといえば、朽ちることなく半永久的に残存するプラ系の弁当ガラや餌パック、ビニール系のコンビニ袋やアミエビをはじめとした撒き餌の袋といったパッケージ類、そして空き缶やペットボトルといった空き容器が代表的なところでしょう。このようなゴミが釣り場の隅に放置され、プラ・ビニ系のゴミが海面のアチコチに浮き漂っているのが紛れもない釣り場の現実です。
とはいえ、釣り場で観察をしていると、意外にもこれらのゴミをいったんは空き袋に入れてまとめる釣り人を多く見かけます。しかし、問題はその後の行動ですわ。その袋にまとめたゴミを自宅まで持ち帰れば満点なのですが、残念なことに釣り場に放置する人がこれまた多いのも事実。それも誰かがゴミ袋を釣り場の片隅に1つ、2つと捨て置くと、その場所がまるで元からのゴミ捨て場であったかのように短時間でゴミ袋が山積みとなっていくさまは見事なほどでっせ。
自身で出したゴミはきちんと持ち帰る。1人1人にマナーとモラルがあればこんなことにはならないはずです。 確かに自分のゴミを他人のゴミ山に隠すように捨て帰るのは安直な処理方法ですが、問題はそこが正規のゴミ捨て場でないことがわかっていながら捨てるという確信犯の釣り人が多いことです。
そんな釣り人にぜひとも考えてほしいのが、その山積みされたゴミの『後処理』です。その作業を担うのは地元のボランティアであったり、自治体が貴重な税金を使うしか方法はないということを知ってほしいのです。
ゴミ箱であれば捨ててよいという安直な考えは捨てましょう。 また、大阪湾岸エリアのある釣り場の清掃作業を実施した某大型釣り具店のHPに「ゴミの量もさることながら、もっと深刻に受け止めるべきことがあります。それは〝釣り場に人糞が放置されている〟ということです」と以前に書かれていたことがありました。こうなるとマナー違反を飛び越えて畜生、獣レベルの所業ですわな。
そういえば過去に淡路島の一文字波止で黒々とした立派なモノの上にティッシュが乗ってある人糞としか見えないモノに出合ったことがおました。これにはもォう閉口でしたわ…。また、日本海のとある漁港では係留中の漁船の甲板上にするならず者のせいで漁港への立ち入りが禁止された事例もおまんねんで。
撒き餌を使う釣りでは、波止に落ちたものを流して帰るのもマナーの1つです。 てなことで「いつか誰かが処理するやろう…」とか「ゴミ箱がないのがわるいんや…」といった逃げ口上でゴミを捨てるのは卑怯者の常套手段。自分の出したゴミはキチンと持ち帰って処理するのが大人としての対応であり、責任であることを忘れずに優良な釣り人として分別のある行動を取りましょう。
さらに、ゴミ袋の隅に少しでも空きスペースがあるのならば、周囲に落ちている他人のゴミを持ち帰って処理をする〝小さなボランティア〟を実行してもバチは当たらんと思いまっせ♡
釣り場での場所取りについても考えましょ
お次は『場所取り問題』です。これも何かとトラブルになる事態が多い問題ですが、基本となるのは「早い者勝ち」という不変のルールです。当日の朝イチから、もしくは前日からその釣り座にロッドを出している釣り人に対してだけは優先権が与えられるのです。
基本的には早い者勝ちというルールがあります。ただし、必要以上のスペース取りは考えものです。その一方で、あとからきた人はすでにいる釣り人がどのような釣りをしているかを把握して適度な距離を取るのがマナーです(遠投が主体となる投げ釣りはある程度の間隔が必要です)。ひと声かけてから入るようにすればトラブルは回避できるはずです。 しかし、世の中には不変の掟をやぶる不埒な輩もいます。僕が東播エリアで体験したのは、あとからやってきた強面の地元キャスター数名が口々に「ここはオレの場所に決まっているからな!!」といいながらA級ポイントの周辺に三脚を置いていったのです。横入りというか、釣り座を強奪するギャングのようなヤツらでおました。
こんな常識なしのヤツらを相手にルールを説いてみてもまともな話になることはありません。…かといって、正当性のあるこちらが尻尾を丸めて逃げ出すのもシャクですわな。そこで、とりあえず早い者勝ちの正当性を声高らかに主張してみると、周囲の釣り人からの強力なサポートもあって意外なほどアッサリと相手が引き下がりよりました。
こんな横入り行為は許されることではありませんが、これはうまく撃退できた例です。でも、ひとつ間違えば争いごとへと発展して楽しいハズの休日をイヤな気分で終えるハメに陥ってしまいます。だから、大きなトラブルになる前に「勇気を持って引く」のも選択肢であることをお忘れなく。つまらないヤツを相手にしてケガでもさせられたら、ホンマ、一大事でっからネ。
そして、場所取りの目印として三脚などをポンッと釣り場に放置して車の中で仮眠をしている人をよく見かけますが、アレもいかがなモノかと思います。やはり場所取りというのならば、三脚にはロッドを並べて釣り人がそばに立っているのが本来の姿であろうと僕は考えます。その苦労を経ることによって、初めて後続者に対して自分の優先性を主張できるのと違いまっかな?
道具のそばにいるのが本来の姿だと思います。 エエ釣り座、A級ポイントに入りたいのは誰だって同じですわな。だからこそ、みんながイチ早く釣り座へ着いて場所取りを行なっているのです。それを公共の場所において「オレの釣り場や!!」といわんばかりに主張するのは、まさにマナーもモラルもない行き過ぎた行為やと思いまっせ…。
普通の神経を持つ人であれば、マナーに反する行為をする場合には必ず「後ろめたい気持ち」を持つハズ。その気持ちこそが何であろう、人として誰もが持ち備える〝良心〟に他なりません。
この〝良心〟というモノを突き詰めていけば、最終的には冒頭で述べた「他人を思いやる心」になると僕は考えます。つまり、マナー&モラルの基準となるのは「自分が他人からされてイヤなことは絶対に他人にはしない」ということ。だから「自分がコレをされたらイヤやな…」という行動がマナー&モラルに反するボーダーラインになるのではないでしょうか。
そういったマナー&モラルを守る基準がすべての釣り人へ浸透して実行されていけば、今回取り上げた釣り場における『ゴミ』や『場所取り』といった慢性のマナー問題もスグに解決できると思うのですが…。
なにやら年寄りの説教みたいな内容になりましたが、このマナー&モラルというヤツは釣り人に常につきまとってくる問題です。だから、次世代を生きる自分たちの子どもや孫に楽しく投げ釣りができる釣り場、美しい海辺の環境を残し伝えていくためには、まずは僕らが小さなことでもいいからマナー問題に対して何らかのアクションを起こすことが本当に必要なのと違いまっかな?
てなことで、俗物の塊であるオッサンには似合わないユニセフの親善大使のような立派な口上をいって、痒くなったお尻を掻きながら今回のお話は終了とさせていただきます。
【中本嗣通プロフィール】
1959年に北河内で産湯につかり、中学1年生から投げ釣りオンリーで釣歴を重ねる。『関西のつり』誌の愛読歴は43年、執筆歴は28年を数え、まさに関つりと共に人生を歩む。「口上は一流、釣技は二流、釣果は三流」が座右の銘でんねんわ 投釣倶楽部大阪会長。
■ブログ…https://ameblo.jp/yameraremahen/関連記事
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