メバルの遠投流し釣りで釣果がアップするオモリ使いを再点検|せんなん〜わかやまライブショット第2章Vol.30 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

メバルの遠投流し釣りで釣果がアップするオモリ使いを再点検|せんなん〜わかやまライブショット第2章Vol.30

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私がやっているメバルの遠投流し釣りでは餌をアピールすることを重要視しています。それを実現するために活用しているのがハリ上に打つオモリです。ここではそのオモリの効果と、セッティングの方法を紹介しましょう

(カメラ/文 葛城修平)

葛城式メバルの遠投流し釣りのコンセプト

私がやっている遠投流し釣りの釣り方を改めて分析すると次のような感じになります。

①遠くのポイントにいる警戒心のない魚を狙う。

②餌を求めた食い気のある魚を狙う。

…というのが2つが大きな特徴です。

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遠くのポイントを攻めるためには?

①については、遠投が重要な課題ではあるものの、投げ釣りのような大きなオモリを使用しないことが前提です。なぜなら着水時のドボンといった大きな音によって魚が散りますし、たとえ魚が刺し餌をくわえても重さに違和感を覚えて食い込みがわるくなるからです。では、どうすればできるだけ軽い仕掛けを遠くへ飛ばせるかと考えると、感度のいい自重のあるウキを使うことで問題は解決します。

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食い気のある魚を狙うためには?

次に②については遠投流し釣りの神髄ともいえます。撒き餌をせずに効率よくヒットに持ち込むためには刺し餌をアピールしなければいけません。

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この餌をアピールすることが遠投流し釣りでは重要です。

ずいぶん昔になりますが、シラサエビを刺し餌にして日中の見えメバルを観察したことがあります。流れに乗せて仕掛けを送っていくと、メバルが流れに乗りながら見つけた刺し餌についていきます。ところが、やがてはじっと眺めていた刺し餌にそっぽを向いて帰っていきます。それを何度かやっていると、刺し餌に興味すら持たなくなりました。

それならと、今度は仕掛けを止めて刺し餌を浮かせたり、ライン緩めて沈めたりしてみました。すると、再びメバルが数匹出てきました。

先ほどと同じように、メバルは追いかけた刺し餌を見つめます。そこで、流すのを止めて刺し餌を浮かせると、魚も止まってパドリング状態になりました。続けてラインの張りを緩めると、仕掛けが落ち始めたとたんにパクリ!!

以上のことからわかるのは、肉食系の魚は「流れに乗って流れるもの=ゴミ」「流れに逆らって動くもの=生き物」ととらえる傾向があり、反応を引き出すには逆らう動きを演出することが重要だということです。

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流れに逆らう操作をすることでメバルの食い気をうながすことができます。

メバリングではルアーをただ流れに乗せるパターンではないので、ときには餌釣りを凌ぐ釣果が得られるのだと思います。もっとも、本物の餌で流れに逆らうアピールできれば最強の釣り方になるはずですよね。流れの中で仕掛けを止める、潮が流れなければゆっくりとリールを巻いて動くものを演出すること。それが釣果アップのカギとなる、というのが私の考え方です。

【遠投流し釣りの極意】餌のアピールのためにハリ上オモリを使用

では、アピールの仕方について考えていきましょう。

重要なのは1点です。刺し餌を目立たせることに尽きます。それを行なうために仕掛けには2つのオモリを使っています。

ハリ上オモリの目的

※せんなん~わかやまライブショット vol.1より抜粋

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ライブショット30-10

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ハリ上のオモリはタナを取ること(沈めること)の他に以下の効果があります。

ハリをつけて海中に入れたアオイソメは、当初はクネクネと体をよじらせますが、時間が経過するとのび切って動かなくなります。それが、ハリの近くにオモリを打って仕掛けを少しずつ引くと、クネクネと動くのです。つまり、餌の存在をアピールするためにはハリ上のオモリが重要というわけです。

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タナを取ること以外に餌の動きをよくするためにガン玉が欠かせません。

以上のことがご理解できれば、次にオモリをハリからどれだけ離すかという課題に突き当たります。

ハリのチモトにオモリがあると、たとえばジグヘッドみたいな感じで動きがより活発になると思われます。ところが、オモリの上にラインがあるぶん姿勢が安定するジグヘッドとは違い、遠投流し釣り仕掛けでハリのチモトにオモリを打つと刺し餌が回転しやすくなります。そうならない程度に離す必要があるわけですが、流れの速度や仕掛けを引く速度、刺し餌の刺し方や大きさによって微妙にかわります。

メバルが刺し餌を吸い込んだとき、オモリが近いほど違和感を与えますし、離し過ぎると刺し餌が動きません。これは経験値ですが、だいたい20㌢から10㌢くらいの間がいいように思います。

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アタリがあるけど食い込みにくい場合は少し離してみましょう。また、流れが速いときはオモリを大きいものにしてハリに近づけてみて下さい。軽い仕掛けがいいとはいえ、0号のウキを使わないのはそうした対応を考えてのことなのです。

なお、ハリの近くに打つオモリではウキの浮力を相殺できないときは、ウキの下にもオモリを打ちます。

ウキの号数は、4B負荷があれば2BとBを使えてベストなのですが、あまり見かけないので3Bを使っています。ハリ上のオモリを重くしたいときはウキ下のオモリをはずし、ハリ上にBを2個を打つようにしています(4Bの場合はBと2Bのオモリを使えるので、上下の入れ替えなどでカバーできる範囲が広がります)。


【葛城修平プロフィール】

日中の賢い魚はなかなか釣れないので、簡単に釣れる夜釣りをメインにメバルを中心とした季節ごとの食べておいしい五目の釣りを楽しんでいる。調理した釣果をアテにして飲むビールがたまらなく大好き。