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ボウズ覚悟からの逆転劇。見老津での口太グレ釣りを紹介|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.28

高水温で推移しているぶん好釣果が上がっていそうな南紀のグレ釣りですが、安定感に欠ける状況が続いています。尾長グレも期待して釣行した見老津でも厳しい状況に見舞われましたが、試行錯誤した結果…!!
(カメラ/文 桑原英高)
和歌山沿岸では黒潮が離岸しているにもかかわらず、厳寒期を迎えても高い水温で推移しています。例年だと黒潮が接岸していても年末年始には一時的に15度台まで下がるのですが、激しい寒波が少ない今シーズンは16度後半から17度後半を維持しているようです。
そんな状況とあって釣果は安定していると思われがちですが、底潮が冷たいのか、水質がわるいのか理由はわかりませんが、釣果にはムラが結構あります。今日釣れたかといって明日も釣れるとは限らない状況が続いています。それでも「よい日に当たって良型の束釣りを楽しんだ」といった情報も聞かれるだけに釣り場の選択に悩んでしまいます。
そんな中、ムラは激しいもののタイミングが合えば40㌢までの数釣りが楽しめるうえ、同型の尾長グレの釣果も出ていた見老津に目をつけました。
釣行の前日、いつもお世話になる林渡船に電話を入れると「地方はムラがあるもののポツポツと釣れてるわ。でも、沖磯は皆目釣れてないで」と寂しい返事。「今回は口太グレが主体の釣りになりそう…」と思いながら、とりあえず丸谷さんとともに見老津へ向けて車を走らせました。
良型グレが期待できるゲタに渡礁
釣行日は2月11日。6時半に港を出た船の中でどこに渡してもらえるのかとワクワクしていると「桑原君らゲタ行こか!!」と船長から声がかかりました。
ゲタという磯に渡礁しました。船長が磯を割り振ってくれる林渡船はいつもながら安心して釣りを楽しむことができます。 渡礁後、別の取材グループが船付きに入ったことから私たちは先端の離れに陣取りました。離れといってもブーツを履いていれば普通に往来できます(磯シューズできていた丸谷さんはちょっと濡れたかも?)。
撒き餌は沖アミ6㌔にマルキユーの沖撃ちスペシャル、グレパワーVSP、V9徳用の3つの集魚材を入れて仕上げました。その他、ボイル沖アミ1.5㌔も用意しています。
今回はこのようなレシピで挑みました。 見老津に釣行したときは沖の黒島で尾長グレを狙うことがほとんどですが、沖磯がまったくダメという今回は口太グレがメインとなりそうです。とはいえ、ゲタは水温の高い時期はイマイチですが、寒の時期には1級磯に変貌するだけに侮れません。見老津にある北西風に対する弱さも気にならないうえ、冬場は40㌢オーバーがよく出る、潮行きがよい日には40㌢までながら尾長グレもアタる、という具合におもしろい釣りが期待できます。
そんな好況を期待して先端に2人で並んで釣りを開始します。
まず用意したタックルは、竿にシマノのNEWモデルであるファイアブラッドクレバーハント、リールにシマノ・BB-Xテクニウム3000DXG S、道糸にゴーセン・リミテーション磯プログレッサ1.5号、ハリスにゴーセン・フロロファイタールーツⅩ1.5号、ハリにONIGAKE・極軽グレ6号というセッティングです。そして、MサイズのG4のウキをセットし、ごくわずかに浮力が残るようにウキの下にG7をセット。ウキ下は2.5ヒロに合わせました。
撒き餌を入れてもしばらくはまったく反応がありません。刺し餌が残ることも多いですが、ときおり取られたり触られたりすることから魚の気配がまったくないわけではなさそうです。
刺し餌を取る魚の正体を確かめようと釣り続けますが、1時間ほどすると完全に残るようになりました。それならと、沖の黒島向きに流れる潮がやや速くなったタイミングで20㍍ほど遠投し、流れに乗せて流してみることにします。
その狙い的中!! 穂先にでたわずかなアタリを素早く掛け合わせると、竿が大きく曲がりました。「かなりの重量感だからグレならデカいぞ!!」と思ったのも束の間、フッとテンションが抜けました。
このあたりは大きなシモリがゴロゴロと入っており、遠くで掛けると根ズレでハリスが切れることがあります。そのため掛けたら一気に巻き寄せるのが得策なのですが、一瞬の隙を突かれてラインブレイクとなってしまいました…。
その直後に再びアタリがでましたが、次はチモト切れ…(泣)。そのバラシの後、ピタッと潮が止まったことで沈黙となり、いつまでたっても刺し餌は残ったまま。このタイミングで弁当船がきたので弁当タイムとすることにしました。
グレが釣れたことのない最悪の流れが到来
大好きな林渡船のサバの唐揚げ弁当を食べ終えてから仕掛けをチェンジし始めたところ、すでに釣りを始めていた丸谷さんの竿が大きく曲がりました。その竿の曲がりからすると、そこそこのサイズだとうかがえます。やがて玉網に無事おさまったのはポッテリと肥えた38㌢の口太グレ。釣った丸谷さんは「グレおりますよ~」とニッコリです。
とてもおいしいサバの唐揚げ弁当です。 丸谷さんの竿が大きく曲がりました。 よく肥えたグレです。 それを見た私は、ピンポイントを狙えるようにハリスにG8を2段に打ち、無数にあるシモリの際を狙ってみます。しかし、ここで潮の流れがだんだんとわるくなります。沖から手前に当ててきた流れが右のワンドの中へ入り込むようになってからは刺し餌を触られないようになりました。
今までにこの磯で竿を何度も出していますが、この流れで釣れたことがありません。まさしく最悪といえる潮であり「もはやこれまで」と諦めの気持ちになります。
速い底潮を考慮した作戦が正解
ボウズを覚悟しながら竿を出し続けること約2時間、ラッキーなことに状況がかわり始めました。流れが左に振り始めて船付き側へ走るようになりました。この流れもたいしてよくないですが、今までと比べれば期待が持てます。
丸谷さんはウキ下5ヒロの遊動仕掛けでポツポツと竿を曲げていますが、深く釣ればサンノジばかりがアタるようです。しかし、このようなときはサンノジと同様のタナでグレも食ってくることが多いものです。刺し餌が残ることから私もウキ下を3.5ヒロに合わせてジワジワと沈める作戦で様子をうかがうことにします。
深く釣るとサンノジ(ニザダイ)がよくアタりました。丸谷さんも苦笑いです。 反応がない状況が続く中、やがて忘れたころに刺し餌が取られるようになりました。そこで深釣りに見切りをつけてG4のウキを用いた完全フカセへとシフトします。
まずは2.5ヒロのウキ下で流してみるものの、いまいちしっくりときません。「底潮がやや速いのか?」と考えてウキ下3ヒロの固定仕掛けに変更します。
これが正解!! やや速そうな底潮を考慮して道糸をあまり張らずに素直に流してやると、船付き前のシモリ際でウキがモゾモゾと動きました。軽く道糸を張ると、ウキは緩やかに海中へ。すかさず合わせると、ドンッ!! と竿が曲がりました。
やっときたグレらしい引きにひと安心。やがて上がってきたのは35㌢弱。たいしたサイズではありませんが、ボウズ覚悟だっただけにうれしい1匹です。
これがヒットパターンだ考えて同じところを同じ攻め方で狙うと、しばらくしてあやしいアタリがでました。今度はサイズが少しよいのかギュンギュンと竿をしならせる引きで楽しませてくます。まもなく玉網におさまったのは丸谷さんが釣ったグレと同サイズの38㌢。
何とかいい引きを楽しめました。 なかなか厳しい釣りながらも何とかグレの顔を見ることができました。 この1匹を最後にタイムアップとなって厳しい1日は終了となりました。丸谷さん またリベンジに行きましょう!!
釣行メモ
林渡船 HP http://hayashitosen.com 住所 和歌山県西牟婁郡すさみ町見老津286 電話番号 0739-58-0037 料金 4,500円
弁当は700円備考 渡船店にて受付(乗船名簿記入)をしたあとに渡船乗り場へ移動して乗船。渡礁する磯は船長の判断によって割り当てられる。釣り終了後、港にて料金を支払う。 餌店 フィッシングベース海クン(0739-45-8450) タックルデータ
竿 シマノ・ファイアブラッドグレ クレバーハント リール シマノ・BB-XテクニウムC3000DXG-S 道糸 ゴーセン・リミテーション磯プログレッサ1.5号 ハリス ゴーセン・フロロファイタールーツX1.5号 ハリ ONIGAKE・極軽グレ6号 撒き餌 マルキユー・グレパワー沖撃ちスペシャル —マルキユー・グレパワーV9徳用 マルキユー・グレパワーVSP 【桑原英高プロフィール】
グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。1969年生。
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