50㌢のイシダイ登場!! 中紀・大引での石鯛釣技会磯釣り大会の模様を紹介|木村俊一的イシダイストーリー vol.16 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

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50㌢のイシダイ登場!! 中紀・大引での石鯛釣技会磯釣り大会の模様を紹介|木村俊一的イシダイストーリー vol.16

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今回は中紀・大引で行なわれた『第18回石鯛釣技会磯釣り大会』の模様をお送りいたします。強い北風が吹くという予想外の天候とあって釣果が心配されましたが、良型が登場するなど大会は無事に終了。イシダイの魚影が濃い大引のポテンシャルを改めて認識することができた大会となりました。

(カメラ/文 木村俊一)

11月10日、和歌山県大引で『第18回石鯛釣技会磯釣り大会』が開催されました。今回はその様子をレポートさせていただきます。

紀伊半島における今年のイシダイ釣りは黒潮の大蛇行の影響で全般的に不調でした。そんな中、ポツポツと釣果が出ていたのが近郊ながら魚影の濃い中紀の大引です。そのように釣果が出る期待感の高い大引とはいえ、天候がわるければ元も子もありません。大会当日までは天候が気になって仕方がありません。

近年の温暖化は気象に大きな影響を及ぼしています。特にやっかいなのが夏場から晩秋にかけての磯釣りを楽しめない状況を作りだす大きな台風です。それが大会の間際にも発生しました。日本列島には近づかないという予報ながらも強い勢力の影響で、紀南方面はウネリがかなり出ている状況とあって不安が募ります。

イシダイの反応はあり。あとは舞い込みを待つのみ

早朝、上野渡船に集まった釣り人は私たち25人の底物師を含めると50人はいる感じです。予想外に強い北風が吹いているだけに全員が磯へ渡れるか不安になりますが、上野 諭船長は「大丈夫です」とのこと。経験豊富な船長の頼もしい言葉を聞いてひと安心です。

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上野渡船船着き場で出港を待ちます。いつもながら大勢の釣り人に驚かされます。

ヒジキ、ヒラバエ方面とアシカ、オオクラ方面へ向かう2隻の渡船のうち私はアシカ方面へ向かう渡船に乗り込みます。そして出船後、アシカに続いて渡船が向かったオオクラへ前 勉、畑山文義の両氏ととも渡ります。

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オオクラ高場でアタリを待つ前さん。
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オオクラの南側では上物狙いの人たちが竿を出していました。

「今日は風との辛抱比べだな」と前さんがいうように正面から強い風が吹きつけています。その中でフラフラになりながらもタックルの準備を済ませ、餌のウニをつけて投入します。

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すると、さっそく竿先が動きます。餌取りと思われる反応が主体の中、イシ物と思えるアタリも見られます。ですが、竿先が舞い込むような感じではありません。回収した仕掛けにウニの芯が残っていないのでイシ物が反応しているは確かですが、型がかなり小さいようです。畑山さんも同様の反応がでているようで「小さいアタリばかりやなあ」とボヤいています。

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オオクラ高場でアタリを待つ私。竿が舞い込まない状況にもどかしさを覚えます。

これだけ餌取りが寄っていれば食い込むヤツもいるだろうと、根気よく餌打ちを続けます。渡礁直後に走っていた上り潮から下り潮にかわっていますが、オオクラは下りでもよくアタるだけに期待してよいでしょう。

9時半を過ぎたころ、22㍍のところを狙っていた私の竿が舞い込みました。しかし、掛かった直後にハリが外れてしまいました。そのアタリを横で見ていた前さんが「よく入ったのに」といいます。それなのに外れたということはイシダイのクチビルにハリが浅く掛かっていたのでしょう。

悪天候ながらもイシダイが登場!!

その後、餌取りとの闘いがしばらく続きましたが、ボイルアサリの餌で狙っていた前さんが昼ごろに竿を曲げました。やがて浮いてきたのは小型のイシガキダイです。「30㌢もないぞ」とは前さん。測ってみると27㌢でした。どうやらこのサイズが餌を取っているのでしょう。

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イシガキダイを掛けて竿を曲げる前さん。実にうれしそうです。
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キャッチしたのはイシガキダイです。

小型ながらも爆風の中でようやく掛かった1匹とあって前さんのテンションが上がります。そして、ほどなくイシガキダイを追加して「これで嫁さんと1匹ずつ塩焼きにできる」と笑います。

一方、畑山さんは「大会だから何とか型を釣りたい」と一生懸命です。しかし、納竿時間の16時までオオクラは不発に終わりました。

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オオクラへ船付けする上野渡船。
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渡船から見たオオクラです。

港へ戻るまでに寄った白崎の南側にある白岩では西口元晴さんがイシダイ1匹をキャッチされていました。

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西口さんがイシダイを釣り上げた白岩です。

私たちが渡船店に戻るとヒジキ方面のメンバーはすでに上がっており、河東副会長の素早い段取りで審査が始まっています。爆風という天候にもかかわらず、ケムリ島では50.5㌢のイシダイが上がっています。それを釣った木戸康晴さんが今大会の優勝となりました。

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河東副会長が慎重に検寸を行なって下さいました。
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今回の優勝魚をもつ木戸康晴さん。
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白岩でイシダイを釣り上げた西口さん。

天気がわるいことから提出される魚がないのでは? という私の不安をよそに、小型ながらも五賞すべてが埋まりました。みなさんから「風は強かったが楽しい1日だった」という言葉をいただて胸をなでおろしたしだいです。また、「来年も大引で!!」という声も多く聞かれ、秋の中紀大会が定着しつつあることを実感させられました。

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ずらりと並んだ大会賞品。
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優勝の木戸康晴さんに賞品を贈ります。
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準優勝は西口元晴さんです。
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悪天候下でも釣果を上げて入賞された方々です。
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厳しい状況でしたが、楽しい大会となりました。

今回、私は釣果を得ることはできませんでしたが、大会を事故なく無事に終えることができたので満足です。協賛いただきました谷山商事(釣武者)様、大会にご協力いただいた上野渡船様にお礼申し上げます。

釣行メモ

上野渡船
HP http://minnaga.com/uenotosen/
電話番号 090-8572-3909
住所 和歌山県日高郡由良町大引578
料金 4,000円

〈木村俊一プロフィール〉

生活のすべてを捧げて没頭するほどのイシダイ釣り愛好家。「釣れなくてはおもしろくない」を信条として全国各地で竿を出し、柔軟な実釣スタイルでコンスタントに釣果を上げてイシダイ釣りの魅力を発信し続けている。
年間釣行回数約100日。自己記録はイシダイ71.5㌢(重量の最大は7.3㌔・71㌢)、イシガキダイ(クチジロ)84.5㌢・11㌔。尼崎市にて底物釣りのプロショップ「木村商」を経営。1952年生。

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