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チヌ・紀州釣りの悩みを解決!!|かかり釣り用のダンゴベースって使えないの?
Q:かかり釣り用のダンゴベースって使えないの?
初歩的な質問ですみません。かかり釣り用の箱に入った大容量集魚材って波止からの紀州釣りでも使用できますか? 波止の紀州釣りにおけるよいダンゴベースの基準について教えて下さい。
A:使えるものの調整が不可欠です
「かかり釣り用のダンゴを紀州釣りに使えないか?」という疑問や質問をたまに耳にします。ヌカに砂、サナギに押しムギなど、共通している素材が多いわけですから当然といえば当然です。答は「使えなくはない」といった中途半端なものになります。使うにはそれなりに工夫と技術的な要素が必要だからです。
いずれも同じような成分ですが、粒子の粗さが異なります。かかり釣りの場合、投げるという行為が基本的になく、ほとんどが竿下狙いになるため表面のかたさがあればダンゴとして十分に成立します。
一方、紀州釣りの場合、少なくとも5〜10㍍の飛距離が必要であり、空中での抵抗に耐えるだけの表面のかたさが求められます。また、表面がツルッとしているほど抵抗が小さく、スムースに飛びます。粒子が粗いとどうしてもゴツゴツしたダンゴになりやすく、抵抗が大きくなるぶん空中で爆発する確率が高くなります。
これを解消するには、箱入りでも粒子が細かいタイプを選ぶか、ザルなどでふるいにかけて粗い粒子をはぶく、という2つの方法があります。粒子が細かいタイプでいえば、マルキユーのパワーダンゴチヌがあります。こちらは比重的にも適しており、紀州釣りのベース餌(単品でもOK)として使用できると思います。
注意したいのは、かかり釣り用のダンゴベースには粘りの強いタイプがあるということです。紀州釣りにおいて粘りは釣りのリズムをわるくする原因になります。割れやすくしたり、割れにくくしたりとコントロールするという紀州釣りとって不可欠といえる要素が、粘りが強いと難しくなる可能性があります。
粘りが強いダンゴは空気抵抗にも強いうえに割れにくくてよいと思われるかもしれませんが、大切なのは海底に届いたあとの割れるタイミングをコントロールできることです。相反する要素になりますが、空気抵抗に強いながらも海底に届いてからはすぐ、あるいは1分後(このタイミングを自在に調整できることが大切)に割れるダンゴに調整できることが必須の条件となります。
粘りの強さは砂や細ムギ(押しムギの細かなもの)を加えることで解消できます。ただ、入れ過ぎるとダンゴ状にならない可能性があるので注意が必要です。適度な粘りを見つけだすまでは経験が必要になるでしょう。
このように、かかり釣り用のダンゴはあくまでも専用品として開発されています。そのまま紀州釣りに使うには難しい面があるため、個人的には紀州釣り用のダンゴの購入をおすすめします。
ちなみに、私が使用しているダンゴはベース餌の紀州マッハ攻め深場3袋に細びきさなぎ3袋、チヌスパイス3袋、押しムギ2㌔、アミエビ8㌔というブレンドです。集魚力と粘りがほしいときは紀州マッハ攻め深場1袋にかえて速戦爆寄せダンゴを1袋入れます。
米ヌカなどを使用してイチから作る場合は、まずは解凍したアミエビ8㌔(粘りのある集魚材などでも可)とその倍程度の重さの砂(15〜20㌔)を混ぜ合わせます。よく撹拌したら細びきさなぎ4㌔を加え、さらによく撹拌してから米ヌカ4〜6㌔を加えて混ぜ合わせます。最後に押しムギ2㌔を加えてでき上がりです。
このパターンを再現すると全体の量が多くなるため、各分量は参考程度にして下さい。おそらく半分程度が適量かと思います。なお、砂やヌカの量は釣行先の水深などに応じて変化させるため、予備は必ず持参しています。
紀州釣りにおけるダンゴベースのベストバランスは、ある程度比重があって投げやすい、空中では割れないものの握る力で着底後の割れをコントロールできる、1日握り続けても疲れにくい、という感じです。このバランスは個々の体力や握力が異なるため定義できません。このためベストバランスは微調整を繰り返して個々で見つけていただくしかありません。
アドバイスとしては、ダンゴ作りの際にレシピを記載して残しておくことです。それをすれば、配合バランスをかえることで違うダンゴを作ることができますし、同じにすれば前回とほとんど同じダンゴを作ることが可能になります。そうしてダンゴ作りに慣れていけば経験や勘で微調整も可能になります。
(解説:藤原直樹)
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