盛期の中紀をもっと楽しむ3つの要点|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.20

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良型の口太グレの数釣り、40㌢級の尾長グレ狙いなど、これからの中紀は1年のうちで最もアツいシーズンを迎えます。やや特徴的な面もあるエリアだけに、今回は好釣果を上げるための中紀の戦略に迫ってみましょう

(文:桑原英高)

寒グレシーズンが終了して食い渋る時期になりました。ひと昔前であればピタッと食いが止まるころですが、近ごろは様子が違います。依然として浮きグレが多い釣り場なら、潮さえよければそれなりの釣果が上がります。

しかし、この時期特有のドブ潮と呼ばれる緑がかった潮が入るとやっかいです。それまで釣れていても、まったく食わなくなることがあります。一説によると、このドブ潮は酸素量が少ないそうです。そのせいで魚があまり動かなくなるのでしょう。スキューバダイビングをする人に聞いても「緑色の潮が入ると、それまでたくさんいた魚が一気に姿を消してしまう」ということからもかなりわるい状況であることがうかがえます。

この現象は、これまでは南紀方面でよく見られていましたが、近ごろは春の中紀方面でもときおり見られます。原因はよくわりませんが、この潮が見られるようになってからは中紀のよい潮といえる上げ潮ではまったく食わず、下げ潮で食いが立つことも多くなりました。今までは上げ潮に狙いを定めて釣行していた釣り場でも、どちらの潮で食うかは行ってみないとわらないということが多くなった気がします。

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晩春から初夏の中紀では良型の尾長グレを狙って釣れるだけに要注目です。

それでも、これからの時期に中紀方面がおもしろくなるのは間違いありません。昔は27~33㌢クラスがメインだったレギュラーサイズは近ごろどんどんアップし、40㌢クラスもかなり出るようになりました。また、尾長グレが多くなってきた印象もあります。しかも、尾長グレはサイズがよく、50㌢クラスとまではいかないものの40㌢前後が高確率で狙えるから要注目といえます。

そこで、今回はこの時期の中紀でのパターンを私なりに紹介したいと思います。

中紀のグレ釣りをもっと楽しむ3つの要点

【要点1】ウキ下について

釣りに行ったときに回りを見てよく思うのが、ウキ下が深い人が多いということです。水温が不安定な4月上〜中旬はやや深いタナ(2.5~3ヒロ)が狙い目となりますが、4ヒロや5ヒロといったタナを釣ることは決してありません。中紀のグレは食いが立てば極端に浅いタナへ浮上することが多いからです。深いタナを釣っていてもベラやガシラ、たまにチヌが食うぐらいです。

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浅いタナを積極的に狙うのが得策です。

1ヒロぐらいのタナで食う状況下でも2.5ヒロ前後のウキ下で釣っている人をよく見かけますが、それでは効率がわる過ぎます。1ヒロや矢引きといった浅いタナで釣るのは確かに勇気がいります。それでも良型のグレが入れ食いになることも多いだけに、食っているときはウキ下をどんどん詰めることを意識して下さい。そうした方が数がのびます。固定観念を捨てて2ヒロまでのウキ下で勝負すること、これが中紀で好結果を得るための秘訣です。

【要点2】撒き餌について

この時期は撒き餌にも神経をつかいたいものです。中紀における餌取りの主役であるオセンを足止めするために、撒き餌は遠投を意識してしっかりとまとまるように仕上げましょう。オセンの動きを釘づけにできれば意外と簡単にグレの顔が見られるはずです。

普段は沖アミをメインとした撒き餌を使用されていると思いますが、この時期の中紀ではアミエビを加えるのが有効です。それによって撒き餌の沈下速度が遅くなるうえ、密度が濃くなるためオセンを上層で足止めしやすくなります。

もちろん、1個所に群れを留めようと思えば撒き餌の量が必要です。私の場合、沖アミ12㌔とアミエビ3~4㌔を混ぜ合わせたものに遠投タイプの集魚材2袋を入れて仕上げています。

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撒き餌にはまとまりを持たせるためにアミエビと遠投タイプの集魚材を沖アミに加えるパターンが有効です。

中紀では、足もとに撒き餌をたくさん打って餌取りを集め、少量の撒き餌を入れた沖で本命を釣るという分離作戦がほとんどのケースで有効です。この作戦を成功に導くコツは、足もとと沖のポイントの間にポロポロと撒き餌をこぼさないこと。それができなければ釣りわけができず、オセンばかりがヒットするということになります。そうならないように、しっかりとまとまる撒き餌が必要になるわけです。

【要点3】タックルについて

竿については、私はほとんど1号で釣っています。中紀に限らず、南紀でも口太グレオンリーの釣り場なら1号竿で十分だと思っています。何より中型グレの引きを思う存分楽しむならこのクラスが適しています。

私が中紀で1.2号や1.5号の竿を使うのは本流に仕掛けを乗せて100㍍以上沖を釣るときだけです。そうした釣りでは40~45㌢クラスの尾長グレの他、マダイなどの大物もよくアタるからです。100㍍以上も沖で掛けると取り込みにかなり時間がかかるため、しっかりとしたタックルで挑みたいものです。

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このようなうれしい他魚が期待できるのもこれからの中紀の魅力です。アタッたときに確実に取れるタックルで挑みたいものです。

特に重要なハリの選択について

そして、最も大事なのがハリの選択です。水温が上がりだす晩春は、グレ以外にマダイやイサギ・チヌ・サンバソウといったいろいろな魚がアタります。それぞれに見られる特有の引きを味わうチャンスですが、ハリが魚にマッチしていなければ楽しみを体感できる確率が下がります。

近ごろはトーナメントの影響で小バリを使う人が増えています。私も試合のときは小さなハリも使いますが、普段はあまり使いません。むしろ最近は6〜8号といった大きなハリをメインに使っています。

大きなハリを選択するのは、30㌢以下のグレを釣る気がないということの他、口太グレ以外の魚が食ったときに小バリではバラシが多くなるうえ、強気の勝負ができない、という理由があるからです。トーナメントのように小型のグレを数釣るなら小さなハリは有効ですが、プライベートの釣りで小型をあえて狙う人は少ないでしょう。寒の時期なら必要な場面があるかもしれませんが、魚の活性が高まる時期には必要ないと考えています。

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魚の活性が上がるこれからは大きめのハリでも問題なく掛けることができるはずです。

釣りに行くとバラシは必ずあります。その防止策として近ごろ特にこだわっているのがハリなのです。口太グレがメインの釣り場なら5~6号(6号の使用頻度が高い)、尾長グレが出るところでは7~8号というのが私の基本となっています。やや大きいですが、回りの人と比べて釣果に大きな差が出たことはありません。

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このような尾長グレが期待できるときは大きなハリを使うのがよいと感じています。

バラシの原因は7~8割がチモト切れです。それをフォローできるのがハリだと考えています。口太グレに関しては飲まれても何ら問題ありませんが、一段と歯がかたくなる35㌢オーバーの尾長グレにハリを飲まれると1.75号のハリスなら簡単に切られます。それが40㌢クラスになると2号も3号もほとんど関係なく切られます。ハリスの太さで対応しようと思えば4号や5号を使わなければならないでしょう。しかし、それではなかなか食ってくれません。

では、どうするか? 早合わせでハリを飲まれないようにするか、飲まれにくいハリを使用するかのいずれかしか対応策がないのです。ただし、刺し餌をスポッと吸い込むように捕食する尾長グレの習性を考えれば、早合わせによる対策はなかなか難しいものがあります。アタリがでたときには刺し餌はいったん口の中に入っているわけで、よほどよいタイミングで合わせなければ飲まれてしまいます。早合わせがうまく決まればハリがクチビルまで引き戻されて飲まれず済みますが、一瞬でも遅れるとダメです。ハリが口の中に掛かり、ハリスが歯に擦れて切れてしまいます。

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このような手のひらサイズでも、ハリが大きくてもきちんと掛かります。むしろ、大きいハリだとこのような理想的な掛かり方が期待できると考えています。

サイズの大小に関係なく、いったんは尾長グレの口の中に入るなら飲まれにくいであろう大きなハリの方がいいのでは? そう考えて最近はやたらと大きなサイズのハリも積極的に使っています。それでも結構釣れています。

食いのよしあしについては、ハリの大きさによるところも多少ありますが、大きく影響しているのはハリの重量ではないかと思います。ハリが大きくなると、軸が太くなるぶん重量が増します。その結果、刺し餌が速く沈み過ぎて食いがわるくなるのではないでしょうか。このことから個人的には7~9号ぐらいのサイズで、軸が太くもなく細くもないといったハリが理想的だと考えています。


以上の点を意識しながら竿を出すと、今まで以上におもしろい中紀に触れていただけると思います。魚の活性がどんどん上がってくるこれからのシーズン、ダイナミックな釣りの中にも繊細さを組み込んで楽しい釣りを展開して下さい。

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk

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