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ヒット率アップを目指す尾長グレの際釣り戦略|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.19

尾長グレの気配を感じられるシーズンになりました。そこで、今回は尾長グレを狙うにあたって特に意識していることをまとめてみました。以前紹介した内容と少し重複する部分もありますが、参考にしていただいて尾長グレ狙いの魅力の1つといえるプロセスの楽しさを実感して下さい!!
(文:桑原英高)
尾長グレが釣れる確率が最も高いのは磯際
尾長グレといえば潮がガンガンに流れる沖磯で、本流に乗せた仕掛けを100~200㍍沖まで流す豪快な釣りを想像するかもしれません。確かに以前はそんな釣り方でよく釣れていました。しかし、はるか沖まで浮きグレが見られる釣り場が多くなった近ごろは、沖に流すと口太グレばかりということが多くなっています。
そういった釣り場で尾長グレに狙いを定めるのであれば、口太グレがあまり釣れていない磯を選択するのが得策です。また、同じ磯の中でも口太グレが少ない潮筋をしつこく狙うのも一手です。ただし、いずれにしても尾長狙いはボウズと隣合わせであり、ダメなときも多いことを頭に入れておかなくてはなりません。
そのようになかなかめぐり合えない尾長グレを狙うにあたって最も釣れる確率が高いのが磯際です。尾長グレがいる釣り場に限りますが、私が近ごろ良型を仕留めているのは100㌫磯際です。昔のように遠投したり、沖に流して釣った尾長グレは1匹もありありません。遠投をしても25~35㌢クラスなら口太グレに混じって食ってきますが、40㌢以上に的を絞るなら磯際狙いが断然有利です。
とにかく刺し餌を磯際に入れることを考えましょう。際から離れるならピックアップして再投入をするのが賢明です。 近ごろの傾向として、40㌢を越えるサイズは竿2〜4本といった釣りやすい距離ではほとんど釣れません。サイズを狙うのであれば、できるだけ磯際を狙うことです。ただし、そうしたポイントで食ってくるポッテリとよく肥えた居つきの尾長グレはかなりスレており、釣り方がとても重要になります。
仕掛けのなじみを妨げるシズは排除
私がいう磯際とは30㌢以内です。これはウキの位置ではなく、刺し餌が磯から30㌢以内ということです。それほどの磯際を狙うとなるとシズを多用する人が多いと思いますが、私はほとんど使いません。なぜなら尾長グレはタイミングが大事だと考えているからです。「撒き餌を拾いに浮上してきたタイミングで撒き餌の中に刺し餌を確実に入れる」という釣りを実践しなければなかなか食わせられないため、私はシズを使いません。
みなさんは「仕掛けをなじませる」ということにどんなイメージを持っているでしょうか? 「シズを打って仕掛けを沈める」ということもなじませるということなのかもしれませんが、私が考える仕掛けのなじみとは図1のように海中の流れに仕掛け全体が同化することです。
海に打った撒き餌を目で追うと、まっすぐ沈むこともあれば、右に左に下にと蛇行しながら沈むことがあります。この撒き餌に刺し餌を追わせることが同調ということだと考えているわけです。
当然、沈下する撒き餌の動きをしっかりと見ることが欠かせません。 シズを打って撒き餌の中にブチ込むような釣り方では活性の低い魚に刺し餌を食わせられません。ユラユラと沈む撒き餌の中に紛れ込ませ、一緒に漂うようにしてこそスレた魚に口を使わせることができるのです。
それを行なうには層ごとに異なる流れを刺し餌に受けさせなければなりませんが、シズを打つとうまくいかないのです。刺し餌が潮を受けて先行しようとしてもシズが邪魔をするからです。
図のように潮がクネクネと蛇行しながら潜るとすると、撒き餌も同じように蛇行しながら沈下します。このときに仕掛けをうまくなじませれば仕掛けも同じように蛇行します。この状態こそが仕掛けが完璧になじんだ状態だと私は思っています。
うまくなじませるには刺し餌、ハリス、ウキなどの各アイテムをどこにおくとよいかと、投入方法をよく考えなくてはなりません。 そんなにハリスがクネクネ曲がった状態ではアタリがでないのでは? と思われるでしょうが、固定仕掛けであれば大なり小なりアタリは確実にでるものです。なぜなら、クネクネ曲がっていても、その潮によって仕掛けが海中で固定されるからです。空中で風をはらんだ仕掛けを引っ張ったときにウキや穂先が動くのと同じ原理です。
尾長グレ狙いではウキ下の微調整が必須
尾長グレが見えていれば浮上するタイミングと頂点を見計らい、見えなければ刺し餌の取られ具合をうかがいながら固定仕掛けのウキ下を微調整して上記の釣り方を実践します。私の場合、尾長グレが見えているときは3~5㌢刻みでウキ下を調整します。見えない場合でも刺し餌に変化がでるところを見つけたら同じように3~5㌢刻みで調整していきます。スレた尾長グレはタナの取り方がかなりシビアなのです。
小さなアタリをとるためにもシビアなウキ下設定が求められます。 潮流の速さによってポイントがかわる
次に狙うポイントついて。春は図2の赤い×印のようなところを狙うのが基本です。潮が速いときは、流れが当たる磯の出っ張りに近い潮陰にある磯際が狙い目となります。ただし、完全な潮陰は口太グレが釣れる確率が高くなるから注意が必要です。
また、ハエ根の先端も見逃せません。ここでも潮が当たるところに最も近い潮陰を狙うのが得策です。この場合もハエ根の際にピタリと刺し餌をなじませて狙うのが基本です。引かれ潮に乗せてしまうと口太グレが釣れる確率が高くなります。
潮が緩やかなときは、青い×印のように潮が当たるところを狙うのが得策です。このパターンにハマッたときが最も尾長グレを狙いやすいでしょう。
和歌山県下の磯では口太グレと尾長グレが混生していることがほとんどですが、尾長グレの習性なのか、口太グレよりも潮当たりのよいところを好む傾向があります。そのため、そうした条件を狙っていけば釣れる確率が高くなるといえます。
そして、水温が徐々に上がりだすと△印のように、磯に当たった潮が跳ね返るところが好ポイントになります。この場合、口太グレがいなければ、磯際にこだわらずに沖も狙ってみるとよいでしょう。口太グレが食ってくる確率は高いものの、本来ならば春先から夏場にかけての最高の尾長グレポイントであるだけに狙ってみる価値はあるといえます。
対尾長グレでは撒き餌をつぶさないのが得策
以上の他、大切なのが撒き餌です。私が尾長グレオンリーで釣りに行くときは沖アミをほとんどつぶしません。今までの経験上、尾長グレは視覚にて反応するスピードが口太グレよりも速いと思うからです。木ッ葉グレが多いところで竿を出すと、まず食ってくるのが尾長グレであることからも反応の早さは口太グレよりも勝っているといえます。中型、大型にかかわらず、離島でも同じような経験をしているだけに間違いないでしょう。
視覚による反応がよいと思える尾長グレに対してはつぶさない沖アミが有効だと考えています。 そうした理由から尾長グレ狙いのときは9㌔の沖アミのうち3㌔だけを餌取り用につぶし、残りはつぶさず使います。
そして、遠投の必要はないものの、配合餌はいつも通りに用います。いくら足もとの釣りといっても素撒きはしにくですし、餌取りの回避を考えるとあった方がよいからです。ただし、濁りがあまりきつくならないように仕上げることを意識しています。経験上、尾長グレはきつい濁りがあると反応がわるいような気がするからです。
以上の話は私のホームグランドである南紀での傾向です。浮きグレが少ない中紀では、水温が上がりだすと本流釣りや遠投でガンガン沖を攻めるパターンが有効になる釣り場もあります。
【桑原英高プロフィール】
グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hkこちらの記事も要チェック!!グレ釣り仕掛けの再考 Part.2|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.15
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