上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.6【第6回 M-1カップ全国グレ釣り選手権決勝大会編】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.6【第6回 M-1カップ全国グレ釣り選手権決勝大会編】

苦戦するもラスト5分で猛チャージ

2日めの準決勝に進んだのは6名。この中から優勝が決まります。あと2試合、気合を入れてがんばります。

準決勝の舞台はアコの1番。この磯は手前が浅く、沖の方が深くなっています。その深場へと続くカケアガリからいいサイズのグレが出てきます。そこを狙うべく遠投するのが良策です。

常勝 M-1グレ 日振島6-31
常勝 M-1グレ 日振島6-35
常勝 M-1グレ 日振島6-16
2日めはこれらの餌を使用しました。

左側に入ってスタートしたのが7時ごろ。まだ薄暗くてウキがよく見えないことからラインを張り気味にしてアタリをとります。しかし、アタリがないまま刺し餌が取られます。それならと、集中してウキを見ながら小さいアタリを掛け合わせていきます。

その小さなアタリには、ナビがウキから20㌢ほどスッと離れるパターンが多いですが、20㌢動いてから合わせてもハリに掛かりません。かといって、そのまま食い込むまで待ってもアタリがでずに刺し餌が取られます。だったらナビが10㌢ほど動いたときに合わせようと集中力を高めて合わせる準備を整えます。これでタイミングがうまく合えばきっちりとクチビルにハリを掛けることができました。

常勝 M-1グレ 日振島6-24
このような合わせ方をするときは鬼掛・極軽グレストレートのようなハリ先がまっすぐのハリが掛かりよさという点で有利です。

以上のパターンで30㌢までのサイズの数を揃えることができましたが、相手選手はいいサイズを持っているので勝つには入れかえが必要です。

後半に入った右側は足場に高さがありません。そのせいでウキがさらに見えにくく、アタリがとれないうちに刺し餌が取られることが多くなりました。そんな中で良型を釣ろうとグレを動かすためにポイントをずらしながら狙いますが、サイズはのびません。そうこうしている間に、相手選手がまたも良型のグレをヒットさせました。

「このままではやばい!!」と、残り20分ほどで作戦を変更。ウキが見やすい手前のシモリ周辺に撒き餌を集めてポイントを作ります。しばらくしてポイントができ上がると、30㌢ちょっとのグレが連続でヒット!! ここで鳴り響いた残り5分のコールを合図にターボエンジンをきかせて釣り、3匹の入れかえに成功。検量の結果は3,355㌘対3,315㌘。何と40㌘の僅差で勝ち上がることができました。

潮のヨレ狙いが正解。あとはサイズアップを…

決勝戦の舞台は8番。対戦相手は高知の北村選手と鹿児島の松元選手です。大勢のギャラリーと報道陣に見守られて試合がスタートしました。

常勝 M-1グレ 日振島6-17
松元選手(左)と北村選手(右)との対戦です。
常勝 M-1グレ 日振島6-18
緊張感のある中、決勝戦がスタート。

まず入ったのは左の水道側です。足もとに撒き餌を打って様子をうかがうと25㌢がヒット。続いて28㌢を釣ったところで木ッ葉グレが多くなってきました。すかさず遠投に切りかえて狙いますが、アジとイサギが邪魔をします。

潮の中を釣るとアジやイサキが多いことから潮のヨレから仕掛けを入れる作戦に変更します。すると30㌢のグレがヒット。以降も同様の釣り方を続け、1個所めでは35㌢までを7匹ほど釣りました。

常勝 M-1グレ 日振島6-19
左の釣り座では潮のヨレに仕掛けを入れる作戦で数を稼ぎました。

続いて入った中央は当て潮とあって遠投の釣りが有効ではありません。そこで、いいサイズだけを狙って手前にポイントを作ります。そして30分ほど経過したころ、ゆっくりとシモらせたウキの沈下速度がかわりました。すかさずバシッと合わせると、かなりの重量感!! やがて上ってきたグレは50㌢近いサイズです。これで優勝に1歩近づいたと思っていると、松元選手もいいサイズを釣られました。

常勝 M-1グレ 日振島6-20
良型がヒット。上がってきたのは50㌢近い良型です。

最後は右の先端へ。いいサイズを意識して釣ろうと少し深めのタナを狙いますが、グレ以外の魚がヒットします。30㌢ほどのグレがときどき釣れるものの、これでは勝利に結びつきません。どうにか入れかえできるサイズがほしいところです。

海を冷静に観察していると、潮が少し緩んで潮目ができ始めました。これはチャンス!! と、仕掛けを潮目へダイレクトに投入すると、すぐにヒット!! しかし、これもグレではありませんでした。結局、最後まで入れかえができないまま試合終了となりました。

検量の結果は…。私が5,150㌘、松元選手が6,185㌘、北村選手が4.085㌘で松元選手が優勝となりました。私は準優勝、北村選手が3位となりました。

常勝 M-1グレ 日振島6-21
全国の決勝戦とあってハイレベルな戦いとなりました。
常勝 M-1グレ 日振島6-22
来年こそ頂点に立ちたいと思います。
常勝 M-1グレ 日振島6-23
収穫の多い大会でした。

決勝戦では負けましたが、新たにやらなければならない課題がたくさん見つかったことは収穫です。また、シード権を獲得できたので体力と技術を高めて来年度のM-1CUPを制覇できるようにがんばります。

最後になりましたが、マルキユー様、役員のみなさま、報道のみなさま、サポートしてくださった選手のみなさま、大変お世話になりました。ありがとうございました。

タックルデータ

撒き餌
※マルキユー製品
グレパワーVSP
グレジャンボ
グレパワーV9徳用
爆寄せグレ
グレパワー遠投
超遠投グレ
チヌパワーV10白チヌ
刺し餌
※マルキユー製品
くわせオキアミスーパーハードM、L
くわせオキアミV9
特鮮むきエビ
魚玉ハード
※生とボイルの沖アミも使用
竿 シマノ・極翔1.2号500
リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル
道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.75号
ウキ ソルブレ・PFフカセM00
ソルブレ・PFフカセ遠投00
ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1.5〜1.7号
ハリ ハヤブサ・鬼掛極軽グレストレート6号

ハヤブサ・鬼掛 速掛グレ浅層攻略5号

釣行メモ

はまざき渡船
出船場所 愛媛県宇和島市石応86-4
電話番号 0895-28-0212
料金 7,000円
営業時間 季節により変動あり(要電話確認)
備考 弁当あり。
駐車場あり(無料)。
氷あり(無料)。
仮眠所あり(1,000円)。

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝2度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TV

こちらの記事も要チェック!!

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.2【第6回 M-1カップ グレ・若狭大島予選編】

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.3【舞鶴田井・コグリ釣行編】

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.4【京都府磯釣連合会グレトーナメント編】

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.5【第48回 報知グレ釣り選手権編】