上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.5【第48回 報知グレ釣り選手権編】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.5【第48回 報知グレ釣り選手権編】

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グレ釣りトーナメントは勉強の場としても有意義です

今回は『報知グレ釣り選手権』に参戦したときのレポートです。この大会は歴史があり、参加する選手も強者ばかりです。そのため各選手の釣りを見るだけでも勉強になるほど有意義な時間を過ごせます。今回もいろいろなノウハウを吸収することができましたよ!!

(カメラ/文 上田泰大)

10月20〜21日、愛媛県の宇和島にて行なわれた『報知グレ釣り選手権』に参加しました。今回で48回めとなる大変歴史のあるトーナメントとあり、参加する選手は強者揃いです。レベルの高い選手の技を見て盗むことも自身のレベルを上げるには大切だといつも実感せられる大会です。

わずかな潮の変化の察知がカギ

今回の参加者は48名。まずは抽選で12組(1組4名)にわかれ、マンツーマンによる3試合の合計ポイントで次の試合の進出者を決めるリーグ戦を行ないます。

B船の6組となった私は他の2組の選手とともに赤灯波止に上がり、海を向いて一番左側の①の釣り座に入りました。

ルールは、80分(40分で場所交代)のうちで釣った20㌢以上のグレ15匹の総重量で競うというものです。

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    赤灯波止です。先端回りを除いてスリットが入っています。

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    先端部でスタートしました。

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    後半はこのあたりに入りました。

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    同じ波止に上がった関西から参戦したメンバーです。

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試合が始まるとすぐに木ッ葉グレが食いだしました。いつ食いが止まるかわからないので、ウキ下を浅くして数を稼ぎます。その結果、前半の40分で15匹の規定をクリア。どうやら赤灯の中では、このポイントが最も釣れているようです。

後半はサイズアップを目論んで深ダナ狙いに徹しました。

終わってみると、相手選手は11匹。まずは1試合めを勝利することができました。

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1試合めは順調に数をのばせました

2試合めは赤灯の中央②に入りました。1試合めは低調だったとのことで心配していた通りにグレの食いは低調です。どうにか5匹釣ることができましたが、規定サイズの20㌢以上は3匹のみ。それでも相手選手が0匹ということで2試合めも勝利することができました。

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2試合めは波止の中央付近が釣り座となりました。先端と違ってグレの食いは低調でした。

3試合めも釣れてない③のポイントとなりましたが、8匹ほどのグレをキャッチ。2試合めと同様に相手選手が0匹ということで勝利することができました。

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3試合めの釣り座です。2試合め同様にグレの食いが渋くて苦戦しました。

この日は潮があまり動きませんでした。そのため、潮が動かないときは深く、動くときは浅く釣るということを心がけたのがよかったようです。また、船が通ったときに起こるわずかな潮の変化に応じてグレが浮くことを見逃さず、そのタイミングに集中して小さなアタリをとらえることができたのが勝因だと思われます。

トーナメントでの判断ミスは致命的

続く試合は23㌢以上の総重量によって競われます。そのためサイズを狙いながらトラブルなく手返しを早めて釣ることが求められます。

対戦相手2名とともに渡礁した磯はマサカバエ。まずは遠投しないで手前から釣ります。すると、2投めに25㌢がヒット!! これは幸先がよいと思いましたが、すぐにアジがわきだしました。沖アミの刺し餌では歯が立たないので練り餌にチェンジ。これが功を奏して25~30㌢が連続でヒットしました。

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次に入ったポイントでも順調に釣果をのばします。しかし、残り20分のところでグレの食いがわるくなりました。ムキ身も含めて刺し餌をローテーションするものの、アジの猛攻にあって思うように釣果がのびません。

結果は13,255㌘。対戦相手は11,060㌘と13,590㌘という結果で、あと1匹の差で負けてしまいました。振り返ってみると、グレが食わなくなった後半にいろいろと試している時間が無駄でした。最後まで練り餌パターンで通せば違う結果になったかもしれません。

さて、この日の夜は選手と役員による懇親会がありました。全国から集まった仲間から釣りの話を聞ける時間はとても貴重でした。

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    1日めのA船の結果です。

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    1日めのB船の結果です。

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    懇親会はいろいろな情報を収集ができる貴重な場です。

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    翌日の準決勝に進む6名の選手です。

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    優勝カップと名人盾です。いつかはこのタイトルも取りたいです。

人の釣りを見ることも大事です

翌日は準決勝、決勝、名人戦が行なわれました。決勝に進んだのは松山の西田選手と姫路の鰰澤選手です。そして、鍋島で行われた決勝戦を制したのは西田選手でした。

その決勝戦が行なわれている間、私は前年度名人の池田選手とタダナミ灯台の丘で竿を出しました。この磯は、手前は底が見えるほど浅く、シモリがたくさん入っています。見るからにグレの取り込みが難しいとわかる磯です。このような場所では竿を立て過ぎず、ヒットと同時にリールを一気にゴリ巻きしてグレを取り込むのが得策です。そうすればバラす確率が低くなります。

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    タダナミ灯台周辺です。

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    灯台の丘の釣り場です。

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    手前がかなり浅い磯です。取り込みには注意が必要です。

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    手前が浅い場所ではあまり竿を立てずにやり取りするのが得策です。

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    このクラスがアベレージでした。

その後に行なわれた名人戦では池田選手のサポーターとして試合をアシストしました。間近で見た両者の釣り方はとても勉強になるものでした。西田選手は大きめのウキを用いることで少し遠投し、段シズをつけた仕掛けで撒き餌の外を少し深めに釣っていました。一方の池田選手は状況に応じてポイントと刺し餌をかえながら手返し早くして数を釣られていました。

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    名人戦は西田選手と池田選手のマッチアップとなりました。

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    名人戦を観戦する参加者のみなさんです。

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西田選手は少し遠投して撒き餌の外側を釣っておられました。

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池田選手の手返しの早さは目を見張るものがありました。

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    名人戦の検量です。

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    検量の結果、西田選手が新名人になられました。

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    決勝トーナメントの結果です。

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    3〜6位の順位決定戦の結果です。

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トーナメントの上位3名です。次回はここに食い込めるようにがんばります。

残念ながら経験の差で試合には負けてしまいましたが、今後の釣りのヒントとなることをたくさん得ることができたのでよかったです。ときには人の釣りを見ることで今まで知らなかったことに気がつくことができます。上手な人と同じ磯に上がったら竿を少し置いて見学するのも上達への一歩となるでしょう。

タックルデータ

撒き餌
※マルキユー製品
グレジャンボ
グレパワーV9徳用
爆寄せグレ
遠投ふかせTR
チヌパワーV10白チヌ
※沖アミは9㌔使用。
刺し餌
※マルキユー製品
くわせオキアミスーパーハードM
くわせオキアミV9
特鮮むきエビ
魚玉ハード
※生とボイルの沖アミも使用
竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520
リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル
道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号
ウキ ソルブレ・MFスラッシュS0
ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1.5号
ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ6号

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝2度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TV

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