上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.1【第6回 M-1カップ・串本予選編】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

〈新連載〉上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.1【第6回 M-1カップ・串本予選編】

上田泰大トーナメント思考12

ぜひとも制覇したい全国大会。
優勝での予選突破を目指して…!!

制覇したいトーナメントの1つ、マルキユー・M-1カップ全国グレ釣り選手権大会の串本予選が今回のステージです。「スタート直後は好調にグレが釣れるもののしだいに食い渋る」という競技会ではよくある状況に見舞われましたが、仕掛けの変更、ポイントや刺し餌のローテーションという手立てで釣りこなして…!!

(カメラ/文 上田泰大)

今月から関西のつりWebで連載させていただくことになりました上田泰大です。

私は、全国で行なわれるグレとチヌの磯釣りトーナメントで優勝できるように、日ごろから常に釣技を磨くことに注力しています。それで培ったノウハウを生かして参戦したグレ釣りトーナメントの模様や、トーナメントで勝つためのテクニック論を中心に、トーナメントに興味がない方でも「おもしろい!!」と思える内容を本連載でお送りしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、第1回は和歌山県の串本で行なわれた『第6回マルキユーM-1カップ 全国グレ釣り選手権大会関西地区(一次予選)』の参戦記です。どうぞご覧下さい。

初優勝を目指してチャレンジ!!

6月28日(木)、和歌山県の樫野で行われた『第6回マルキユーM-1カップ 全国グレ釣り選手権大会関西地区(一次予選)』に参戦しました。本トーナメントの戦績は2008年の準優勝が最高位です。テスターをしているメーカーの大会だけに今回こそは制覇したいところです。

今大会は、3船を1便と2便にわけた合計6ブロックの中から18名が1次予選を通過することができるという規定です。私の抽選番号は6番ということで、永田渡船の1便に乗船しました。

上田泰大トーナメント思考2

6番は永田渡船の1便です。

上田泰大トーナメント思考14 樫野・鉛山

戸島崎の鉛山の平床が今回の釣り場です。

出船後、鉛山(カナヤマ)の灯台から選手をおろしていき、私は他の2名の方と鉛山の平床に渡礁しました。しばらく釣り人が入っていないようで、グレがお腹を空かせて待っていると予想できます。特に今の時期は「梅雨グレ」と呼ばれ、矢引きのタナまで浮くことも珍しくないほどグレの活性が高いタイミングです。うまく釣れば数がのびるはずです。

状況変化への対応が奏功!!

磯の中央あたりにあるシモリの左側に釣り座を構えて準備をします。そして、午前6時にいっせいにスタートとなりました。

上田泰大トーナメント思考3 樫野・鉛山

鉛山の平床に渡礁。サラシとシモリの位置からグレが釣れるだろうと判断し、この釣り座を選びました。

上田泰大トーナメント思考10 樫野・鉛山

まずは浅いタナの撒き餌へ飛びつくグレに狙いを定めます。ウキ下を1ヒロ半と浅く設定して狙ってみると、何といきなり28㌢の尾長グレがヒット!! 「これはいけるかも?」と思いましたが、その後は25㌢、23㌢、20㌢とサイズが小さくなっていきます。とりあえず、規定匹数の9匹を揃えようと狙いますが、5匹ほどで食いが止まりました。モーニングサービスの終了です。

このように1投めから釣れるものの、しだいに反応がわるくなるというケースは珍しくありません。以降は同じ仕掛けだとまず釣れないため、何らかの対策が必要です。

今回の場合は、グレのタナが深くなったと考えられるためG7のガン玉をハリ上15㌢ほどにセット。それで少し深いタナを狙うと、ガツンッといういい感触が竿に乗りました!! その直後、相手はシモリの裏側へ向かって走ります。グレとは違う引きだと思いながらやり取りして浮かせると…。正体はチヌでした…。

上田泰大トーナメント思考11

その後、2連続でチヌがヒットしたことからガン玉をはずします。そして、少し遠投して沖にポイントを作り直します。他魚が釣れたときは違う場所を狙うのが得策ですね。

この作戦が功を奏し、20〜25㌢のグレが食いだして規定匹数をクリア。ここからはキーパーを入れかえるためにポイントと刺し餌をローテーションしながら探っていきます。ポイントをローテーションする理由は、同じポイントに撒き餌が入り過ぎると餌取り(フグ・キタマクラ・カワハギ・木ッ葉グレ)が多くなるからです。

そこで…
①目の前のシモリ
②シモリの左側
③左の根の際
④サラシの切れ目
⑤遠投で沖め

…という5個所を順番に狙うことにします。

刺し餌に関しては、生沖アミ、マルキユーのスーパーハード、V9、特選むきエビをローテーションします。こちらはグレに飽きられないようにするための作戦です。

11時ごろ、この作戦が奏功してサラシの切れ目でウキがきれいに入りました!! そこそこの重量感で上ってきたのは28㌢のグレ。狙い通りにキーパーの入れかえに成功です。

その後、上げ潮にかわってカワハギやベラ・アイゴなどの他魚が多くなると、グレは20㌢前後の小さいサイズしか食わくなりました。残り1時間、状況を打開するために誰もやってない船付きへ思い切って移動することにしました。

場所移動が大正解。本日1番のサイズがヒット!!

こちらも潮はあまり動いていませんが、水深があるので期待できそうです。中でも期待感があるのが竿3本ほど前で黒く見えるシモリです。そこにグレがついているだろうと予想し、シモリの裏へ刺し餌を届けます。すると…。

上田泰大トーナメント思考4 樫野・鉛山

水深がある船付きです。

上田泰大トーナメント思考5

この黒く見えるシモリの回りにグレがついていそうです。

2ヒロほどウキが沈んだところでナビが走りました!! 合わせると今日1番の重量感。「この1匹を取れば予選を通過できる!!」と心の中でつぶやくものの、ハリスが1号であるうえにシモリの裏で掛けているので無理はできません。

ジワジワとゆっくりと浮かせると、やがて魚の姿が見えました。グレだ!! 早く取り込みたいところですが、ハリスにはシモリで擦れた傷がついているはずなので強引なやり取りはできません。しかし、そんな考えを知っているかのようにグレは最後の力を振り絞ってシモリにへばりつきます。それに対してラインを1度思い切り出し、1、2、3とゆっくりと数えてから竿を立てます。するとグレがシモリから離れて浮いてきました。すかさず玉網に収めてキャッチ成功。やれやれです。

手にしたのは本日最大の34㌢。とても価値ある1匹です。

この1匹が決め手となり、総重量2,430㌘にて船内2位で予選を通過することができました。少し残念だったのは1位との差がわずか10㌘ということです。「あと1匹入れかえができれば…」と思うと悔やまれますが、セミファイナルへつなげられたのでよしとしましょう。

  • 上田泰大トーナメント思考1
    34㌢をキャッチできたことで上位進出を果たせました!!
  • 上田泰大トーナメント思考8
    今大会の予選を通過したみなさんです。

表彰式は、表彰の他に抽選やジャンケン大会も行なわれて盛り上がりました。私も抽選でタオルをゲット。終始楽しい大会は盛況のうちに終了しました。

上田泰大トーナメント思考7

抽選ではウエストタオルをゲット!!

なお、セミファイナルは10月に南紀の勝浦で行なわれます。その前に行なわれる若狭大島予選を通過できれば1発で全国大会へ進出できます。そちらでひと足早く全国大会の切符を手に入れられるようにがんばりたいと思います。

トーナメント参戦ムービー

トーナメントの1日を自身で追って動画撮影しました。こちらもぜひご覧下さい。

(YouTube「上田TV」より引用)

タックルデータ

撒き餌
※マルキユー製品
グレジャンボ
グレパワーV9徳用
爆寄せグレ
超遠投グレ
グレパワー遠投(半袋)
※沖アミは6㌔使用。
刺し餌
※マルキユー製品
くわせオキアミスーパーハードM、L
特鮮むきエビ
魚玉ハード
※生とボイルの沖アミも使用
竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520
リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル
道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号
ウキ ソルブレ・PFフカセM00
ソルブレ・MFスラッシュS0、M00
ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1〜1.2号
ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ3〜6号
ハヤブサ・鬼掛 短軸のませグレ浅層攻略軽量3〜4号

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝2度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TV