これからはラクな釣り場を巡ります|せんなん〜わかやまライブショット第2章Vol.12 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

これからはラクな釣り場を巡りますね!!|せんなん〜わかやまライブショット第2章Vol.12

ライブショット12-10

独自の「安・近・短」で勝負。まずは泉南でおいしい鮮魚を確保!!

肺の病気によって、これまでのように山を下り、岩を越え、手つかずの新規ポイントを開拓するという釣りができなくなりました。これからは駐車場が近い、足場がよくて安全、比較的短時間で釣果を得るという独自の「安・近・短」をテーマにして釣りを楽しみたいと考えています。その第1戦は、とりあえず鮮魚を食べたいとの思いから、泉南の中でテーマに合う谷川漁港横のゴロタ浜で竿を出してみることにしました

(カメラ/文:葛城修平)

肺の病気(間質性肺炎:肺の機能がだんだんと失われて息苦しくなる病気)により、釣り場へは酸素ボンベを背負って行くことになりました。お魚にやさしい釣り人代表といわれるほど?魚をいじめてないのになぜでしょうね?

携帯するボンベの容量は約5時間分ということで、車からポイントまでの時間と余裕を考えると釣りの時間は4時間が限界となります。これまでは山を下り、岩を越え、手つかずの新規ポイントを開拓することによって釣果を得ておりましたが、これからは駐車場から近いポイントを中心に短時間で釣果を得なければいけません。はたして私に釣果が得られるのか心配です。

ということで今後は、駐車場からポイントまで近く、足場がよくて安全な釣り場で、比較的短時間で釣果を得る、つまり安全・Ⓟ近・短時間という独自の「安・近・短」をテーマとして、泉南和歌山ライブショットの第2章として書かせていただきたいと思います。

リハビリ第1戦、嫌われ者の魚を狙う!?

ほぼ3カ月の入院生活の間、鮮魚に飢えており「退院したらハズレなく簡単に釣れる魚をまず狙いたい」と考えながら釣り場を思案していました。タチウオフィーバーに沸く泉南の中で、さほど混雑せずに駐車場から近い釣り場いえば…。真っ先に思いついたのが谷川漁港北波止横のゴロタ浜でした。

退院後、体調をうかがいながら釣行計画を実施。安全面を考えて午後4時半に釣り場入りしました。

リールをセットした竿と小型クーラーを手に持ち、その他必要な小物類がポケットに入ったライフジャケット着用して釣りの準備は完了(竿にラインを通してウキとサルカンをあらかじめセットし、あとはハリスとハリを結んでオモリをつけるだけの状態にしておけば釣りを始めるまでの時間を短縮することができます。限られた時間の中ではこのような時短もしっかりと考えなくてはいけませんね)。あとは背中には酸素ボンベを入れたリュックサックを背負います。ただ、なで肩なので何度もズリ落ちそうになります。だからといって胸の前で左右のベルトを結ぶとライジャケのポケットが使いにくなります。これは改善が必要ですね。

まずは狙い通りのヤツをゲット!!

さあ、仕掛けの準備ができたところでリハビリ開始!! と仕掛けを投げようと振りかぶったところ何か変!? 電気円すいウキを上下逆にセットしてますがな…。こんなミス、ありえんな。脳が酸欠っすか? ボンベに酸素が入ってるか再確認してみます(笑)。

ライブショット12-14

ウキをセットし直して今度こそリハビリ開始です。逆光でウキが見えないので竿先にでるアタリをとるようにしていると、コツンコツン…ときました。狙いの魚ですが、どうも小さいみたい。

砂地中心のポイントからゴロタのエリアにかえると、ゴツゴツッ、ゴクン!! ときて狙い通りヤツがヒットしました。はい、イソベラ(ササノハベラ)ですね。

ライブショット12 谷川漁港1

嫌われ者のササノハベラですが、退院後の私からすれば高級魚です。

病院の食事で出てきた魚に比べたらイソベラさえ高級魚です。たくさんはいらないため、型のいいヤツだけ少し持ち帰ることにします。頭と内臓を落として軽く血抜きをしてからクーラーに入れます。血抜きすることで、ベラ特有の匂いが気にならなくなるように思います。

ライブショット12 谷川漁港2

この状態で持ち帰ります。

休憩がてら魚の処理をしたりしていると、あたりはだんだんと暗くなってきました。電気ウキに明かりをつけて、いよいよ本番突入です。できれば尺アジなんかが釣れたらいいんだけど…。

待望の尺アジがヒット!?

タチウオの侵入を避けてゴロタの浅場を中心に狙いますが、ミニサイズのガシラが釣れるだけです。ならばと砂地の深いところへ投げると、仕掛けがなじむ間もなくアタリがでて30㌢に満たないサバが登場です。まあ、食えなくはないのでこれもキープ。

続いてサバのサイズアップを狙うと、今度は20㌢ほどの小アジが食ってきました。中アジの回遊はないのかな? と同じ場所を狙ってみますが、気配がないので再び浅いゴロタの上を狙います。

ライブショット12-13

下半身はウェーダーを履いているのでちょっと立ち込めば飛距離不足をカバーできるのですが、まだまだ足もとがおぼつかないので控えることにします。転倒でもしようものなら精密な酸素の機械が壊れてしまいます。

今日は竿を1.5号にしました。ウキの重さと竿のバランスで飛距離は大きくかわります。いつも使っている1.2号の竿にしときゃよかった…。それでも、だんだんと体が慣れてきたことと、たまに吹く追い風に乗せることで思いのポイントまで仕掛けが届くようになりました。

このポイントの距離については、潮の満ち引きを考慮することでも狙いやすくなります。今日、満潮を迎える午後4時ごろにエントリーしたのは、安全を確認できる明るい時間帯ということ以外に、暗くなるころに潮が引くと露出する浜の前方に出ることで沖を攻めやすくなるという理由もあります。このように、遠浅の場合は潮が引いときにできるだけ前方へ出て沖のカケアガリを狙う、急深の場合は満潮の時合を狙うという具合に竿を出す時間を考えるとアタリをとらえやすくなります。もちろん、釣り場特有のクセもありますが、おおまかにそんな考えで時間配分を考えると効率よく探ることができます。

さて、ちょうど吹いてきた風に乗って仕掛けが狙いのポイントへ入りました。「ええ感じで沖の流れに入ったな」と期待していると、流れていたウキがジワリと沈みました。少し聞き気味に糸を張っていくと、キュン!! と竿先をひったくるアタリがでました。軽めに設定しているとはいえ30㌢ぐらいのサバでも鳴らないドラグを滑らせながら相手は左右に走り回ります。寄せてくるときにブルブルブル…というサバの感触がありませんから、きっとアジでしょう。目当ての獲物らしい反応とあって期待がふくらみますが、波打ち際のゴロタを越そうとちょっと強引に竿を立てるとポトンッ…。あ〜ぁ、狙ってた尺アジだったのにぃ!!

すぐに同じ場所を狙って投げましたが、タチウオが回りだしたのかアタリはトンとなくなりました。

再び砂地底のポイントへ仕掛けを入れるとすぐにアタリがでましたが、上がってきた小アジの体は歯形でボロボロです。そういうことなら小アジを泳がせてタチウオを狙った方がいいかな? と思いましたが、時計を見ると午後8時。胸元のカラータイマー?が黄色に点滅し始めた(そんなのありませんけど)ので、ここで終了としました。

今回のリハビリ釣行から今後の課題が見えてきました。リュックのズリ落ちが気になって仕掛けの遠投ができないのです。それに、体幹がしっかりしていないので、ゴロタ石に乗ってバランスを崩しても体勢を持ち直すための1歩が出せません。ヘタをするとそのまま倒れてしまいそうです(そうなると竿は折れるわ、びしょ濡れになるわ、悲惨な目にあいますな)。ということで、今後はもうちょっと足場のいいポイントへ行く方がよろしいようで…。

なお、帰宅後は念願の「ササノハベラの南蛮漬け」をおいしくいただきました。

ライブショット12 谷川漁港3

ササノハベラの骨は固いので3枚おろしにします。

ライブショット12 谷川漁港4

南蛮漬け。身は少しやわらかいけどうまい!!