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上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.4【京都府磯釣連合会グレトーナメント編】
餌取りが多いときはやはり遠投スタイルが有効です
若狭大島〈福井県〉
今回は、6月に開催される予定であったものの台風の影響で9月に延期となっていた『第3回 京都府磯釣連合会グレトーナメント』に参戦したときのレポートです。「多彩な餌取りをいかに回避できるか?」という今回のキーポイントを遠投を駆使する作戦でクリアした結果は…!?
(カメラ/文 上田泰大)
9月24日、福井県の若狭大島で行なわれた『第3回 京都府磯釣連合会グレトーナメント』に参戦しました。
参加者は12名。決勝進出者を決めるルールは、抽選で決まった対戦相手とグレ10匹までの総重量を競うマンツーマン戦(前半60分、後半60分)を2試合行ない、勝ち点の高い選手が決勝へ進むというものです(勝ち点は試合に勝つと3点、引き分けが1点、敗けが0点となります)。さあ、優勝を目指してがんばりましょう!!
〝遠投同時打ち〟を駆使してキーパーを確保
1試合めの対戦相手は橋本選手。ジャパンカップ全国大会へ一緒に行ったこともある強豪です。
渡礁したのはダイコンの5番。釣り座を決めるジャンケンに勝った私は左側(船付き)を選択しました。右側の方がよさそうですが、グレが出てくるまでに時間がかかると判断してあえて選択しませんでした。撒き餌がきいた後半にはグレの活性が上がり、よい反応が得られると考えてのことです。
6時ごろ、試合開始。まずは手前に魚を浮かせて動きのよしあしをうかがいます。このとき、空気を切るようにシャクを素早く振り抜いて撒き餌を打ちます。そうすれば撒き餌がパラパラッと拡散し、塊で落とすよりも沈下速度が遅くなるぶん魚を浮かせやすくなります。
間もなく浮いたのは少々のオセン(スズメダイ)と数匹のフグです。木ッ葉グレは見えません。このような状況では仕掛けをオセンにできるだけ近づけて釣るのが得策です。というのも、オセンが集まる様子に刺激されたグレが撒き餌の中に入ってくることが多いからです。
その作戦が功を奏して3投めぐらいで手のひらサイズのグレがヒット。ここからはとりあえず数を揃えようと同じパターン狙います。しかし、しだいにサンバソウとボラがたくさん出てきて邪魔をするようになりました。
それならと、次は遠投同時打ちで狙ってみます。餌取りもいないポイントへ仕掛けを遠投したら着水と同時に撒き餌を被せます。こうすることで刺し餌に向かって泳ぎだした餌取りが撒き餌の着水音にびっくりして一瞬散ります。刺し餌がすぐに取られないぶん大きいグレが食う確率が高くなるのです。
この釣り方が正解で、すぐに手応え十分のグレがヒット。手前の根に張りつこうとする抵抗をかわして取り込んだのは30㌢クラスです。
続いて23㌢、22㌢と釣れましたが、以降はボラが何度もヒット。このような場合、ボラの確率が高いナビにでる小さいアタリは合わせず、グレのアタリであることが多いウキをしっかりと消し込む反応だけを合わせるのが得策です。そのぶん手返しは遅くなりましたが、ポツポツとグレをキープできました。
後半も同じような遠投のパターンで25〜28㌢を何匹かキープ。その結果、2830㌘対930㌘で勝利することができました。当初の考え通り、ポイントに入る順序が功を奏した形になりました。
遠投+ローテーションの釣りが奏功!!
2試合めはモトドリの1番にてクラブメートの西田選手との対戦です。この試合はよく釣れる磯とあって目標を3500㌘以上に設定しました。
沖を向いて左の釣り座でスタート。1試合めと同じようにパラパラと撒き餌を打って魚の動きをうかがいます。すると、木ッ葉グレ・オセン・サンバソウがすぐに出てきました。この様子なら遠投の釣りが有利だと判断できます。試しに狙った手前で釣れるグレは25㌢までとイマイチとあり、すぐに遠投の釣りにシフトします。
やがて26㌢、27㌢、28㌢とだんだんとサイズが上ってきました。それから間もなく30㌢超級がヒット!! ところが、玉網に入れようと思った矢先、足もとに広がるサラシでグレが見えなくなった瞬間にハリがはずれてしまいました…。
後半に入った右側の釣り座はサンバソウが多く、連続でヒットとはいきません。それでもポイントをローテーションする釣り方で27〜32㌢のグレをポツポツとヒットさせることができ、キーパーの入れかえに成功しました。
この試合の結果は3840㌘対2350㌘で勝利。勝てたのはうれしいですが、1匹が飛び跳ねて逃げるという検量時にあったトラブルは反省すべき点です。どんな大会でも2試合めというのは疲れからくる気の緩みが影響して負ける可能性が高くなります。今後に向けて気を引き締めなければならないことを再認識させられました。
さて、2試合めが終わって乗り込んだ渡船内で他の対戦の勝敗を聞いてみると、私の他に2勝して6点をあげたのは西岡選手、澤近選手とのこと。決勝はこの3名で戦うことになりました。
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