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《チヌ釣りQ&A・落とし込み》スライダー釣法の基本を教えて下さい

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Q:スライダー釣法の基本を教えて下さい

この夏に落とし込みを始め、どっぷりとハマりました。イガイを餌にした外オモリ式の釣りしか経験がないのですが、スライダー釣法に興味があります。基本的なシステムや実践するうえでのコツを詳しく教えて下さい。

A:餌が壁にコンタクトする状態を追求しましょう

落とし込みで最も使用頻度が高い餌であるイガイの1枚貝。そのハリへのセット方法はいろいろとありますが、基本は外オモリ式と内オモリ式の2パターンです。そのうち内オモリ式の釣りであるスライダー釣法には以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

●浅いタナの釣りに対応しやすい。
●オーバーハングでの釣りに適している。
●波止際をタイトに攻められる。

チヌQA落とし込みスライダー3

このようなオーバーハングを狙えるのは大きなメリットです。

デメリット

●潮が速い釣り場では操作にかなり高度なテクニックが必要。
●深ダナの釣りには不向き。
●基本ができていないと餌が思わぬ方向へ流れる。

オーバーハングした形状の釣り場では外オモリ式よりも格段にアタリの数が増えます。つまり、外オモリ式では攻めきれない場所もスライダー釣法でカバーできるわけです。

餌のセット方法は、糸オモリ(ヒューズオモリやコイルオモリと表記される場合もある)をフトコロに数回巻いたハリをハリ先が出るようにイガイの中に入れるというものです。1㍉、0.8㍉、0.65㍉など糸オモリにはさまざまな線径がありますが、おおむね1㍉径のものを使用すればOKです。釣り場や潮流の速さにもよりますが、巻き回数は3〜6回程度が基本です。

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    このようにハリの軸に糸オモリを巻きつけます。
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イガイのサイズも重要です。外オモリ式ならある程度の大きさまで対応できますが、内オモリ式では使用するハリのサイズとのバランスを意識して選ぶことになります。

この他、目印仕掛けはイガイに抵抗をかけられる適度な浮力があるものを使うのが理想的です(私はバルサ材を詰めた1.5㌢ほどの蛍光パイプを25〜28㌢ピッチで配した目印を使っています)。

実践するにあたっての基本事項

外オモリ式と大きく違うのは餌の投入点です。外オモリ式では波止際ギリギリに落とし込み、ハリス分がなじんだところで目印を海面に浮かべていきます。それに対してスライダー釣法では波止際から20㌢ほど離れたところに投入します。波止際へ送り込むようにイガイをスライドさせることから、その分のスペースを取る必要があるからです。

そして、イガイが壁に向かって進む力をコントロールしてくれるのが目印の浮力です。イガイを投入してハリスがなじんだら目印仕掛けを沖側に払って海面に置き、進もうとするイガイに抵抗をかけます。そうすることで反発の作用によってイガイの進行方向が定まり、壁へ向かって進みます。うまく波止際をキープできていれば、壁に付着するイガイの層などに餌のイガイが引っ掛かってときおり目印が止まります。そのように壁にコンタクトする様子が伝わる状態が理想です。

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慣れるまではイガイがスライドする向きを目視で確認してから目印を海面に置けばOKです。この時点で波止際から離れていくようであれば仕掛けを回収して再投入しましょう。何度やってもイガイがスライドしない、あるいは波止際から離れるという場合は仕掛けが重過ぎる可能性があります。潮流や風などの現状に合わせてハリのサイズやオモリの巻き回数を調整しましょう。

最後にスライダー釣法の注意点について。

潮流が速くて護岸に対して垂直に仕掛けを置けない、あるいは仕掛けに張りを保てないといった状況もあるかと思います。慣れれば対応可能ですが、要領を得ていないうちは外オモリ式にシフトするのが賢明です。スライダー釣法を実践するにあたっては、しっかりと水中の様子をイメージしながらイガイをコントロールすることが欠かせません。そのイメージをつかめない状況ではなかなか釣果が上がらないため、おもしろ味に欠けることもあります。まずは潮流が穏やかで風がないなどの安定した状況で、目印が止まる様子などから海中の様子をイメージしながら操作方法のコツを覚えて下さい。そのうえで得た釣果は満足度の高い1匹となるはずです。

(解説:児嶋 博)

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