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目標は20㌢超の3ケタ釣り。大型キス狙いの投げ釣りを徹底解説
遠投で沖合を探って大きなアタリをとらえ、心地よい締め込みを味わいながらリーリングする…。そんな個人的なキス釣りの楽しみ方での目標は20㌢オーバーの3ケタ釣りである。それを実践するためのノウハウを紹介させていただこう
(文:松尾幸浩)
梅雨が明けて天候が安定すると、各地の浜辺に群れで接岸したキスが活発に餌を追うようになる。10〜15㌢と小型が中心だが、1年で最も数釣りが期待できるタイミングとあってこの時期を待ちわびているファンも多いことだろう。
この時期は浜辺の波打ち際にあるカケアガリに小型のキスが群れており、ショートロッドのチョイ投げで狙っても簡単に100匹越えの束釣りが期待できる。
しかし、私は少しでもよい型を求めた数釣りを目的としており、ハリの数だけ小型のキスを掛けてもあまり感動を覚えない。遠投で沖合を探って大きなアタリをとらえ、心地よい締め込みを味わいながらリーリングするのが好きだ。それで20㌢オーバーの良型がゾロゾロと満艦飾で上がれば最高の気分になる。
したがって、私のキス釣りの目標は20㌢オーバーの3ケタ釣りである。重量でいえば1匹約50㌘として5㌔を目差したい。このクラスのキスは料理がしやすく、近所に配っても本当に喜ばれる。これも大物狙いの利点といえるだろう。
20㌢オーバーのキスを3ケタ釣る方法とは…
数を釣るうえで遠投力(飛距離)は大きなアドバンテージになる。ただ、それは簡単に身につくものではなく、日々の鍛錬が欠かせない。腕や足、腰の使い方、体重移動の方法といったキャストフォームをベテランからしっかりと教えてもらい、飛距離をのばすことを常に意識して釣ることが大切だ。
もちろん、道具のセレクトも重要である。特にロッド、リール、ラインは飛距離に直結するだけに、よりよいものを選びたい。
その点も踏まえて、遠投による良型キスの数釣りのノウハウについて解説していこう。
釣り場考察
平坦な地形が続く砂浜であっても、足もと付近にあるカケアガリから急に落ち込んでいる、100㍍以上も沖合で急に深くなっている、テトラの一文字などが沖合に並んでいるなど、いろいろな変化があるものだ。
盛期を迎えて天候が安定すれば足もと付近にあるカケアガリの落ち込みにキスが群れることが多いが、そのエリアは小型が多いため見逃したい。狙うのは良型が群れる傾向が強い沖合に見られる急深のカケアガリだ。また、沖合の沈みテトラの両サイドや、一文字と一文字の間にある水道部もよい狙い目になる。
そのようなところは荒れたときに海底が掘れて深くなっていることが多く、良型が潜みやすい。ただ、沈みテトラに関しては、釣り場によっては高潮位時や荒れ模様だと存在が把握できないこともあるから注意が必要だ。沈みテトラを越えてキャストしていることに気づかないままサビいて根掛かりが多発したということがないように、日ごろの釣行の低潮位時に水道部の位置をよく確認しておきたい。
それ以外に背後の風景などを目印にして水道部の位置を把握することも大切である。もちろん、航空写真を活用するのもよい。
条件考察
この時期によく釣行する日本海側は天候が安定しやすく、ベタナギ状態になることが多い。そうした状況は釣りやすくて好釣果が期待できるが、常に続くわけではない。荒天に見舞われることだってもちろんある。
私の場合、プライベートなら荒天時や荒れ後には釣行しない。たくさん浮遊する流れ藻やゴミを拾うことによって多発する仕掛けのトラブルのせいで数釣りが困難だからだ。荒れ後は大型が混じることが多いとあっておもしろいが、3ケタ釣果を狙うということであればおすすめできない。
また、キスは濁りを嫌うため、大雨の後は近くに河川がある釣り場を避けた方がよい。
時間帯については満潮前後に最も活発にアタる傾向が強いと感じている。反対に干潮になるとアタリが止まることが多い。暑い日中の釣りだけに、そうしたタイミングで体を休めて水分補給をしたいものである。
そして、7〜8月に多い雷雨には注意したい。急な落雷や大雨などの気象情報には敏感になり、雷鳴が響いたり、空が暗くなるなどの変化があればすぐさま車中や近くの小屋に避難することだ。カーボンロッドは避雷針のようなものであるだけに、竿を立てて釣っていると雷が落ちる可能性もあるから細心の注意を払いたい。
なお、キスは毎年同じようなパターンで接岸するだけに釣り場やポイントはあまりかわらない。そのため私は積み重ねたデータに天気予報を加味して釣行日を決めることが多い。また、釣友やクラブ員の直近の釣果情報を参考にすることもよくある。良型が数釣れたと連絡があればすぐに行けるぐらいの身軽さも数釣りには必要だといえる。
ちなみに、山陰側は網漁がほとんど入らないため、好天が続けば好釣果が期待できる。
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