桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.13【グレ釣りについて思うこと】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.13【グレ釣りについて思うこと】

偏光グラスは不可欠。海中を「見る」ことの重要性

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魚の動き、潮の動き、撒き餌の動きなど、磯釣りでは見ることがとても重要です。

グレ釣りは大きくわけて2種類の楽しみ方があります。1つは目で確認できないところにいるグレを、自分の経験と勘を頼りに想像して釣る推理ゲームとしての楽しみ方。もう1つは目で確認できるグレとの知恵比べという楽しみ方です。私自身は大きな海の前でゆっくり、ときには一瞬で流れる時間を仲間と一緒に過ごすことに大きな喜びを感じますが、釣ることだけを考えるとどちらの楽しみ方も好きです。どちらがよい、わるいではなく、自身がどちらに魅力を感じるかだと思います。

もちろん、釣果をのばそうと思えばさまざまな技術が必要です。これは家の中で本やウェブサイトを見ているだけでは上達しません。本やウェブサイトで得た情報を元に実践あるのみです。いくら頭でわかっていても体得できなければ意味がありません。

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いろいろと見ることを意識することで釣りの組み立てのバリエーションも多くなり、レベルアップにつながります。

1度や2度の釣行では覚えられないことも多いのですが、誰にでもすぐにできる技術があります。それが「見る」ということです。簡単なことですが、グレ釣りにおいて見ることはテクニックうんぬんよりもかなり重要です。

たとえば、競技会にて何度対戦しても勝てない相手がいたとしましょう。その相手にハンデとして偏光グラスをかけずに釣りをしてもらうとどうでしょう? 7割方は勝てるようになると思います。釣りが上手な人ほど海中の情報をたくさん収集して反映しているからです。やはり磯釣りにおいて偏光グラスは必須です。

レンズカラーについて

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スモークとライトスモークが私の基本カラーです。

偏光レンズのカラーは迷うほど豊富ですが、私のおすすめはライトスモークタイプです。外見上はレンズの色が薄いため「これで見えるの?」と思いますが、裸眼に一番近いコントラストであるため、水族館の水槽を見ているかのようにクリアです。特に、冬場や朝夕の日差しが弱いとき、曇りや日陰などの周囲が薄暗いところでは抜群によく見えます。イエローやレッドのレンズもありますが、私は青いものは青く、赤いものは赤く見たいとあって色つきタイプはあまり使用しません。ただ、その日の天気や海の色によってはそういったカラーのレンズの方が見えやすいことがあるのも事実です。

ライトスモークの次に私がよく使うカラーが少し濃いめのスモークです。太陽の光がギラギラしている夏場によく使います。ライトスモークレンズとスモークレンズの2種類をその日の天候や海況に合わせて使いわけています。

偏光グラスで見るべきものは…

ところで、みなさんはいつも偏光レンズをかけて何を見ていますか? ほとんどの方はグレの姿を確認したり、餌取りの種類や潮の流れを見ているかと思います。私もそうですが、周囲の釣友を見ていると、もっと注意深く観察した方がいいのでは? と思うフシがあります。

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撒き餌を目で追うことで海中の潮の流れが把握できるようになります。より見やすくするために、通常の撒き餌の他に色の白いボイル沖アミを併用するのが私の基本です。

撒き餌を撒いてグレが出てきた、餌取りは何と何がいる、潮は右に流れている、左に流れている、ということだけではなく、グレはどこから出てきてどこに帰るか、餌取りは打った撒き餌をどこまで追うか、潮の流れは海面から海底まで同じ方向、同じ速度か…、という具合にもっと視野を広くして観察することでそれまで得られなかったものが見えてきます。

寒の時期などは打った撒き餌を見えなくなるまで目で追うことで、岩陰でチョロチョロと動いているグレを発見できることもあります。グレが出てきて帰っていくところを把握できれば、姿を確認できないときでも集中的に攻めることができます。

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グレのつき場を発見することで、反応が鈍い状況でも集中力を高めてアプローチすることができるようになります。

もう1つおもしろい話をすると、磯には見えないグレがいます。深いところや目が届かない沖にいるヤツではなく、自分の足もとの2~3ヒロのタナにいるグレです。これは慣れなければなかなか発見できません。本来なら見えて当たり前のところにいるのですが、そのときのグレの体色、天気、光の角度や反射、潮の色などがからみ合って見えなくなるのです。慣れれば線のように見えることもありますが、とにかくわかりにくいのです。

何の気配もないのに目で追っていた撒き餌が一定のタナで消えてしまうことがありませんか? それです。撒き餌が手品のように消えるわけではありません。それは見えないグレが撒き餌を拾っているのです。

書き出せばキリがありませんが、このように「見る」ことは手先の技術のように経験が必要なわけではありません。真剣に取り組めば誰にでもすぐにできることです。発見があれば次の一手も広がります。もっとしっかりと見ていろいろなことを発見し、グレ釣りの楽しさをより高めて下さい。

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。紀州グレ研所属。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk/

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