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【投げ釣り】大ギス×マダイ 一挙両得を実現 Part.3 中~南紀のパターン

大ギスマダイ3−8

マダイポイントを狙うより、
キスの回遊路で可能性を考慮!!

中~南紀〈和歌山県〉

大型キスが回ってくるカケアガリの中で、比較的浅いエリアまでマダイが入ってくるのは…? 自分なりに絞り込んだ狙い目で、ひと晩かけて答合わせ!!

(文:中本嗣通)

関西圏における両得狙いの概要

関西圏において大ギスとマダイを同時に狙うというスタイルを実践できるフィールドといえば中~南紀方面があげられる。このエリアで条件的に恵まれた実績の高い釣り場に入り、ポイントを絞り込んで効率のよいゲームを展開する、というのが今回の欲ばりなミッションを実現するキーポイントだろう。

大ギスマダイ3−1

大ギスの実績場からマダイの可能性がありそうな場所を考えることで…。

まず注目したい釣り場の条件は、キスとマダイの回遊路がリンクするスポットがあること。たとえば、キスやマダイが干満の潮流に乗って接岸するルートとなる明確で大規模な海底の起伏(カケアガリ)の存在は不可欠だ。ただ、一般的なマダイポイントの目安になる複雑な潮流、砂礫底や点在するシモリといった条件は重視しなくていい。あくまでも同時にキスが釣れるスポットという前提なので、適度の潮通しがある砂地狙いが基本となる。

水深に関してもそうだ。10㍍以上の深さがポイント条件として有利に働くマダイだが、湾奥などの驚くほど浅いスポットにまで餌を求めて回遊してくることもあるわけで、キスとリンクする回遊路を狙うパターンではさほどこの点にこだわる必要はない。

〈基本スタイル〉
少しやわらかめのタックルと
カレイバリの仕掛けがマッチ

タックル&餌考察

このスタイルでは遠投から近投までを広くカバーできる27~30号の振り出しタイプのロッドが重宝する。竿数は多くても4本までだろう。打ち返しの着水音によるポイント荒れを考えて2本が無難なケースも多い。

大ギスマダイ3−5

仕掛けはマダイの50㌢級から20㌢のキスにも対応できるようにモトス8~10号、ハリス5号、ハリが改良カレイイレグ12~13号というスペックの2本バリが基本。全長は120㌢前後にまとめる。夜間はアクセサリー類をつけると効果的なケースも多いが、これは餌取りや長物を集める要因にもなるので様子を見ながら起用する方がいい。

餌は、キスに重きを置くならチロリ、マダイならタイムシがベスト。タイムシは大ギスに対しても抜群の効果があるが、品薄傾向なのがネックだ。どの餌にしてもアオイソメ(これが有効な場面もある)との併用で2,500~4,000円ほど用意する。

スケジュール考察

釣行のスケジュールは大ギスやマダイの警戒心が緩んで活性が上がる夜間を中心に釣る形で組み立てたい。夜釣りでは明るいうちに釣り場へ入っておよその条件を把握し、狙い目を絞り込むと同時に安全面での問題点を確認したいことから、釣り座のキープも兼ねて午後4時には到着しておきたい。渡船利用の釣り場では出船時間を確認してスケジュールを決めることだ。

納竿時間は、大ギス・マダイともに夜明けから2~3時間経過すると極端にアタリが遠くなることから、それを目安に竿を仕舞うのが通常だ。渡船利用の釣り場でも翌日の始発船が戻るタイミングを迎えの時間に設定していることが多い。この時間帯なら帰路の渋滞も少なく、快適に帰宅することができるからヘタに粘らないのが得策といえる。

〈応用スタイル〉
乗らないときは小バリを起用。
アタリへの対応にもひと工夫!!

基本的にはささめ針・改良カレイイレグ12~13号を用いた仕掛けがマダイ・キスの釣りにはちょうどいいと感じているが、これで釣っていると大きなアタリがでてもハリ掛かり率がわるかったり、掛かっても浅いという状況がある。おそらく魚の活性が低くて餌を吸い込む行為にナーバスのだろう。

その際はラインのスペックはかえず、ハリだけを吸い込みのよいフォルムを持つ、ささめ針・大キスのM~Lサイズにした仕掛けとする。このハリなら餌もコンパクトに通し刺すことができる点でも吸い込み性能のアップが期待でき、小バリならではの効率のよい掛かりが期待できる。

「大キス」は小さくても太軸タイプだから強度的にも問題ない。中型のマダイ程度なら難なく取り込める。ただし、改良カレイイレグよりもフトコロが狭いぶん、口のかたいタイ系の魚が相手だとフッキング状態によってはスッポ抜けを起こす確率も高くなる。そのため取り込み時には無理をせず、中・小型のマダイでも玉網で確実にフィニッシュするのが小バリ使用時のお約束である。

大ギスマダイ3−9

太軸のキスバリを用いればキスの食い渋りに対応しながらも中型のマダイの取り込みも可能だ。

また、小バリ仕掛けと併用して食い込みを助けるメソッドにはドラグフリーと、軟調ロッドの使用という選択肢に加え、ラインを緩めてループ状の糸フケを作ってアタリを待つスタイルがある。そうするとアタリに対して「①ほぼ無抵抗なループがのびる→②低抵抗で糸が出るドラグフリー」という魚にとってストレスの少ない形での送り込みが可能となる。さらに③軟調な穂先のロッドを起用していれば一般的なアタリ待ちの状態よりも三段構えでストレスフリーな食い込みを実現できる。

また、合わせも慎重かつ的確に行ないたい。念のためにラインにループをもう1度作り、そのループの動きが確認できたとき、動きがなければラインをゆっくりと張り直して魚の反応が返ってきたとき、というタイミングでの合わせを実行することで掛けそこねが一気に減少する。