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《チヌ釣りQ&A・紀州釣り》ハワセ幅はどうやって決める?
Q:ハワセ幅はどうやって決める?
チヌに食わせることを優先するとハワセ釣りが有利な状況が多いと思いますが、ハワセの幅についてはどのような基準で調整すればいいのでしょうか?
A:まずは自身の基準を構築しましょう
ハワセ釣りはトントンや底切りのタナに比べてハリスが底にあるためチヌの視界に入りにくく、違和感なく食わせることができる効果的な釣法といえます。
ただし、底の形状や海藻の有無など、ハワセ釣りに適した釣り場であることが大前提です。昨今では「紀州釣り=ハワセ釣り」と考える傾向があり、不向きなポイントでむやみにハワセ釣りをしている方をよく見かけます。
それだとハワセ幅がどうかという以前の問題で、釣果にも当然繋がりません。まずは、しっかりと釣りを成立させられるポイントかどうかを見きわめることが大切です。
仕掛けを這わせるということは底にハリスを置くことになります。このため根掛かりのないフラットな地形が絶対条件です。初夏に差しかかるころに見られる、まだまだ海藻が繁茂しやすい条件のポイントは避けた方がいいでしょう。
では、本題のハワセ幅について説明しましょう。考え方の第一歩として、まずはハワセ幅の上限を守ることです。ここでいう上限とは、魚が刺し餌を触ったときにウキにアタリがでる限界のハワセ幅のことです。例外もありますが、紀州釣りはウキでアタリをとってチヌを掛けるのが基本です。そのため必要以上に仕掛けを這わせてしまうとウキにアタリがでないまま刺し餌を取られたり、たとえチヌが掛かったとしても居食いの状態でたまたまハリ掛かりしただけなので「釣った」ではなく「釣れた」という達成感のない1匹になってしまいます。
ハワセ幅とダンゴの関係についても同様です。ダンゴが割れるまでに道糸がなじみ、ウキ止めにウキが当たるウキ下に設定しないとダンゴの割れを確認できず、すでにチヌが刺し餌を食っていてもウキにアタリがでません。ダンゴが割れる瞬間にウキ止めにウキが当たるのが理想ですが、実際には誤差もあるのでなかなかそうもいきません。いずれにせよウキが本来の意味をなすように、ハワセ幅はダンゴが割れるまでにウキ止めまでなじむ範囲にとどめましょう。
仕掛けを這わせるメリットは大きく2つあります。1つめはハリスを目立たなくするとともに潮流に対して刺し餌を自然な形で流せ、チヌに違和感なく食わせられること。2つめは必要以上に刺し餌を目立たせず、多少なりとも餌取りの攻撃をかわすことができるということです。
これらのハワセ釣りの目的や意味を理解したうえで、前述した条件をすべてクリアする状況にてトントン、または底を切ったタナから徐々にウキ下を深くし、ウキにアタリがでるぎりぎりの設定に調整していくといいでしょう。
このとき、途中で餌取りのアタリので方がかわるところがあります。まずはそのウキ下から重点的に探り、チヌが食わなければ5投ずつ様子を見ながら5㌢単位で深くしていきます。そうすればチヌが最も食いやすいウキ下を見つけることができるでしょう。
ただし、紀州釣りは風、潮流、水温といったポイントの状態、さらにダンゴの配合や刺し餌の種類、ラインやハリのサイズなど、さまざまな要素を組み合わせるため無数のパターンが存在します。タナ取りの基本を体で覚えるためには、最低でも5回は同じタックルや条件で釣行しなければなりません。前回の釣行で見つけたはずの答が、次の釣行ではまったく通用しないということも少なくありません。
つまり、正しい這わせ方をマスターするためにも、まずは自分の基本形を決めることが最重要課題といえるでしょう。
最後に、仕掛けを這わせ過ぎるとウキにアタリがでなくなると説明しましたが、これは道糸の張り加減によって限界をかさ上げすることもできます。詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、単純にいえば道糸を張ればアタリがでやすくなるのでよりハワセ幅を長く取ることができます。
ただし、この加減が難しく、張り過ぎると竿先からハリまでの仕掛けが直線になってしまい、ハワセの意味をなさなくなってしまいます。ダンゴが割れた後も刺し餌の動きが急なものになってしまうためハワセが必要なチヌが相手だと命取りです。
まずは道糸がたるんだ状態での基本的なハワセ幅を習得してから、次のステップに進むことをおすすめします。
(解説:岩崎孝信)
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