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【投げ釣り】カレイ・春型釣り場のポテンシャル Part.4 但馬~山陰エリア

春型カレイ4−1

水温でシフトするポイントを
多様な目安で徹底サーチ!!

但馬~山陰エリア

リアルタイムのカレイ情報が少ない釣りだけに、さまざまな自然条件と釣果データの関連性を意識して自分なりに山陰方面へのゴーサインを出すことに…

(文:浅野正美)

〈釣り場考察〉
春先~春は湾内の奥部に注目。
初夏は沖めの深場へ!!

春の日本海におけるカレイの狙い目については、但馬~山陰方面の場合なら春先(3月ごろ)には鳥取西部(島根東部)の境水道が最も有望だ。この水道のカレイシーズンは中海に近い方から始まるといわれていて、秋は11月から12月にかけて好釣果が聞かれる。おそらく水温の安定がキーポイントになっているのだろう。また、中海周辺は汽水域である。そのため餌が豊富であることもカレイ・スズキ、その他の魚種が寄るエリアを形成する要因になっているようだ。

山陰方面一帯でいうと、春のカレイシーズンは3月下旬から4月下旬という感じだが、全般に魚の活性が低い状況が多くて釣るのが難しい場面に出くわすこともしばしばだ。そこで考えたいのが先ほどあげた好条件である水温の安定と、餌の豊富さである。そうなると目をつけたいのは湾内、それも湾奥部のポイントとなる。

春型カレイ4−5

水温が低いうちは湾奥部に目をつけることで釣果が期待できる。

このエリアに大きな湾は少ないが、地形的に湾状の場所、たとえば沖に大きな一文字があって港内の海況が安定しやすい場所などを目安にすればいいだろう。そんなパターンの釣り場の代表格を西からあげると赤碕港、鳥取港、網代港、諸寄港、浜坂港などがあり、いずれの港内にもいくつかの実績ポイントがあるものだ。このような場所で釣れるカレイは乗っ込み期に入ってきたものが居残ったタイプという感じであり、サイズ的には20~30㌢のものが中心ながら数が出る傾向がある。

水温が上昇したら一文字へ

状況が明確に変化するのは5月上旬、いわゆる初夏の釣りになってからだろう。このころは春に釣果が上がった港回りの沖に位置する各一文字などの外海に面したエリアが狙い目となる。境水道でいえば外海寄りがおもしろいし、各港の一文字が実力を発揮する。30㌢級を中心に40㌢級の期待も高まるサイズ狙いにも適したときである。

ただ、この時期でも水温の安定はキーポイントであり、山からの雪解け水(雪代)が入ると状況が一変する。水温が急に低下することで非常に釣りづらいことが多くなるのだ。このため釣行の際は各種気象データなどもチェックし、目をつけた釣り場周辺の水温、近くの山の積雪なども考慮する方がいい。

好期はサヨリとサクラの状況しだい…?

山陰のカレイ情報というのは餌店や渡船店のホームページなどで得られるものぐらいで、特に情報のない釣り場へは出かけてみないと何もわからないケースが多いだろう。だから私の場合はカレイ以外の魚、それも狙う人が多くて情報が得やすい魚種の釣況を元に釣行を決めることも多い。

その目安となる魚は「サヨリ」だ。この魚は秋口から釣れだす波止釣りの人気ターゲットであり、割と低水温にも強いから真冬でも結構釣れていて、春に終盤を迎える感じである。考え方としては、サヨリが好調といわれているうちはまだ早く、そろそろ終盤で釣果が落ちてきたという話が出るころがカレイ釣りのゴーサイン。つまり水温が上がってきているし、雪代の影響もあまりないと判断するわけだ。ちなみに、サヨリのシーズン終了はこのエリアにおけるマダイの乗っ込み開始のサインとなることも覚えておくといいだろう。

春型カレイ4−4

シーズンの目安のひとつはサヨリの釣況。それがあまり釣れなくなれば…!!

シーズンの目安としてはサクラの状態も参考になる。これまでの釣り日誌を読み返すと、日本海側への釣行でいい釣りをしているのは花見のピークが終わったころ、いわゆる「葉ザクラ」の時期であることに気がついた。そのタイミングには年によって20日ほどのズレがあるわけで、それに応じて釣行のタイミングをかえることになる。

〈条件考察〉
釣り場の選択で迷ったときは
海藻の育ち具合に注目!!

現地に行ってからカレイの存在を確認するには竿を出してみるしかないが、それ以前に「海藻」の生育状況から釣り場のよしあしの雰囲気は感じられる。その場の水温が順調に上がってきているならホンダワラなどの海藻が大きくなってくるからだ。また、海藻は魚の餌場を形成するだけに、2個所の釣り場で迷ったときには藻がないところよりもあるところの方に期待するというのが私の感覚だ。

また、釣り場で地元の漁師さんに会ったら積極的に話を聞く方がいい。カレイの状況はともかく、水温などの海況を熟知しているだけに有用な情報を得られることが多いものである。

水深、潮当たりに加えて
荷揚げ場の位置も考えて…

春型のカレイポイントを絞り込む条件の1つは水深だ。初夏の釣行なら深めの場所、10㍍程度は水深があるところを選びたい。春は6~7㍍、春先は4~5㍍という具合に暖かくなるほど深い場所を選ぶ感じである。

地形的に潮通しがよいところがおもしろいのは当然だが、その中でも流れにヨレが生じる場所を狙うようにしたい。まあ、急潮で釣りづらい状況があるのは境水道ぐらいである。干満差の小さい日本海では波止の先端、カーブ、川の流れ込み、大型の係船回りなど、少しでも流れに変化が生まれそうな場所に釣り座を取るという考え方でいいだろう。

春型カレイ4−7

さまざまな状況から狙い目を絞り込んで花見を楽しみたい。

底質に関しては砂地、砂泥底がカレイの居場所になるわけだが、その中でも適度にシモリや藻場があるエリアを中心に釣る。それ以外なら魚市場や荷揚げ場、魚の処理場などがある岸壁にも目をつける。「魚は船について入ってくる」ともいわれるほどで、漁船の作業によって生まれる餌場にいるカレイも多い(そのような場所を釣るときは作業の邪魔にならないように十分な配慮が必要なのを忘れずに…)。

近ごろはウミケムシ対策も必要で…

近年は但馬~山陰でもウミケムシが多くなっているのがやっかいだ。こんなところで? と、思うような場所でも釣れてくる。じっくりアタリを待つといっても、先にケムシが食っている仕掛けにカレイが釣れるわけもない。ケムシが多い状況ではいろいろと考える必要があるだろう。

ケムシをかわすには餌を常に動かしておくのが有効なので、あまりにも多いときは竿数を2本ぐらいに絞ってピストン的にサソイを続けることもある。竿数を減らすのは心もとないが、結果的にこのパターンでこまめに打ち返すことが好釣果につながるケースも多い。

また、広角に探ってケムシの少ないエリアを釣る確率を上げるとか、餌を浮かせるタイプの仕掛けにすることも一策だろう。とにかく仕掛けを上げるたびにケムシがダブルでついているような状況で、何の手も打たずにのんびり釣ってはいられない…。