春に実践したい尾長グレを見すえた磯際戦略 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

春に実践したい尾長グレを見すえた磯際戦略

磯際のグレ狙いで大切なのは仕掛けの投入

以上の点を踏まえて釣り方で最も重要なのが仕掛けの投入です。足もとに撒き餌を入れ、その先に仕掛けを投入したらウキを手前に引いて刺し餌をなじませるという一連の流れを行なう方を磯際狙いにおいても頻繁に見かけますが、そうした仕掛けの投入方法だと良型の尾長グレを狙って食わせることはできないでしょう。

なぜ? 答は簡単です。考えてみて下さい。前述した仕掛けの投入を行なった場合、自然に沈下する撒き餌の動きとは異なり、刺し餌はウキを支点とした放物線を描くような形で沈下します。目当てのタナまで浮上して刺し餌を口にする尾長グレは、そのような不自然な動きをする餌には見向きもしません。あくまでも自然に漂って沈下する撒き餌と同じ形に近づけることが基本になります。

尾長グレ&口太グレ6
尾長グレ&口太グレ7

そのため磯際に打った撒き餌の流れをよく観察し、どのように入った場合に尾長グレが浮上するかといった見きわめが必要です。そして、把握した撒き餌の沈下姿勢に近づけるような形で刺し餌を投入しなければなりません。ハリスやウキの抵抗を受けない状態で尾長グレが捕食を行なうタナまで刺し餌をなじませることが理想的といえます。

磯際のグレ狙いではなじむまでのアタリも察知

アタリのとり方についても尾長グレと口太グレとでは大きな違いがあります。

ここで少しばかり余談になりますが、仕掛けがなじむ前に刺し餌に触れるグレのアタリを判断できるでしょうか? 

おそらく大半の方が、グレ狙いにおいては円すいウキを使用されていると思います。それをいかなる状況でも水面下に漂わせるような状態で使用していませんか? 基本的にウキにでる反応はウキからハリまでが一直線になって初めて表われます。しかし、仕掛けが直線になるまでに刺し餌を口に含む魚もいます。その際の変化を水面下に漂わせたウキで果たして判断できるでしょうか?

私はできません。そのため私が磯際を狙うときは、感度に優れた体積の小さいタイプの比較的浮力のあるウキを海面へ確実に浮かせて使用します。こうすれば仕掛けがなじむまでにでるきわめて小さな変化も少なからず把握できるようになります。

尾長グレ&口太グレ10
小さなアタリをとるには、反応がよりよく伝わる固定ウキ仕掛けを用いることも欠かせません。

このように小さなアタリをとらえることは、尾長グレ狙いでは非常に重要です。ハリを飲まれても問題がない口太グレ狙いとは違い、鋭い歯を持つ尾長グレを狙う際にハリを飲まれるとまず取り込めません。そのため前アタリのような小さな変化を掛け合わすアタリのとり方がときには必要となります。口太グレ狙いのように、ジワジワと沈んでいくウキのスピードがやがて加速し、竿先にテンションがかかってから合わせる、といったような攻め方は通用しません。これもアバウトなタナを探る口太グレ狙いと的確なウキ下とタイミングが必要な尾長グレ狙いの大きな違いです。

グレ釣りでの磯際の狙い目とは…

次に磯際狙いでのポイントの選択について。水温が高くて魚に活性がある場合はサラシや当て潮が狙い目になりますが、低水温期は可能な限り穏やかな場所が好ましいと思います。理由は磯際から刺し餌をとにかく離したくないからです。魚の活性が高く、撒き餌を追って沖に魚が走るようなことがない限り、払い出しのきつい場所や出潮の速いポイントは避けるべきです。

磯際のグレ狙いではやり取り時にラインを出さない

最後に磯際狙いでの取り込みについて解説しましょう。

口太グレの場合、少々大きなサイズでも引きの強さに対応できないほどではありません。それが尾長グレ、それも50㌢近いサイズとなれば話は別です。かなり強い引きが竿を襲います。しかも釣り人にとって不利な条件が揃う磯際で食わせるのですから、口ではいい表わせないスリルが楽しめます。

尾長グレ&口太グレ1
際狙いでは弱気は大敵。特に鋭い突っ込みを見せる尾長グレが相手になるときは、できるだけ糸を出さずにやり取りをしたいものです。

ハリス2号の強度は約4㌔です。この強さからすれば口太グレであればロッドの保持角度をよほど誤らない限り、ラインをいっさい出さずに取り込むことが可能です。しかし、スピードとトルクが口太グレとは比較にならないほど強烈な尾長グレだとそうもいきません。想像以上の強い引きに思わずラインを出してしまいがちです。ですが、できるだけラインを出さずに取り込むことを推奨します。

通常、私は磯際の尾長グレ狙いであれば2.5号のハリスを使用します。2号でさえ4㌔もの荷重に耐えられるのですから、普通に考えればハエ根に擦れない限り切れることはありません。大半の方はその能力をフルに生かせるまでロッドでためきることが怖くてできないのが実情でしょう。しかし、強引にためて切られれば納得という気持ちで挑んでいただきたいと思います。弱気になってラインを出して根ズレで切られれば悔しいだけ。どうしてもラインを出す必要がある場合は別として、磯際攻略では強気の真っ向勝負で挑みたいものです。

こちらの記事も要チェック!!

寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【前編】

寒グレ、50㌢超級必釣マニュアル【後編】

ヒット率アップを目指す尾長グレの際釣り戦略|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.19