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【寒グレ】食い渋り打開の戦略 Part2

グレ食い渋り2-3

当て潮利用で磯際を攻略。
〝同調〟は寒の絶対条件!!

動きの鈍いグレが相手になる厳寒期は磯際狙いが正解だ。常々いわれる撒き餌と刺し餌の同調をもっとよく考えてアプローチすれば、低水温期ならではのグッドサイズが…!!

(文:嶋津栄規)

低水温期の考え方

寒グレ期は食い渋りを打開できるか否かで釣果が大きくかわる。その食い渋りの原因の1つにあげられるのが、一時的な水質の変化による水温低下である。寒グレ期はもともと低水温で推移するため他の時期と比べるとグレの動きは鈍くなりがちであるが、水質の変化よる水温低下が加わるとグレの動きはさらにわるくなる。

また、寒グレ期終盤を迎えると、グレは産卵を意識し始めて水温変化の少ない潮流の緩やかな場所へと移動する。こうなると他の時期とは違ったアプローチが必要となることはもちろん、ポイント選択が釣果を左右する大きな要因となる。

さらに、グレのアタリをとらえるためには刺し餌と撒き餌の同調も意識しなくてはならない。「またこれか」という声が聞こえてきそうだが、グレ釣りではこの同調がとにかく重要である。ある程度水温が高くて広範囲を泳ぎ回るほど高い活性がグレにあれば、刺し餌と撒き餌が少々ずれるアバウトな攻め方でも釣れる。しかし、グレの行動範囲は極端に狭くなる低水温期はそれではいけない。目前に流れてきた撒き餌を口にするとすぐに反転して住み家に戻る、という捕食パターンを繰り返すことを考えると刺し餌と撒き餌の同調の大切さがわかるはずだ。

当て潮を利用して際を狙う

以上の点を踏まえて、私がよく通う中~南紀での基本コンセプトはずばり磯際狙いである。自分が上がっている磯自体を1つのシモリと考え、そこに居ついているグレを狙うといった単純な考え方でアプローチする。ただ、単純とはいえ厳しい時期だけに考えることは多い。

特に意識したのがポイント選択である。磯際の代表的なポイントとしてサラシがあるが、撒き餌が沖に流れてしまうことと、潮流(水温)の変化が激しいことから低水温期の狙い目としては適さない。着目したいのは緩やかな当て潮が見られる磯際である。その条件を生かすために磯際から水深があり、オーバーハングしている地形の釣り座を選択する。

次に撒き餌に反応する魚の有無を確認する。このとき、目視できる限り撒き餌を追い続けることが大切だ。しっかりと見ることで餌取りの存在や種類、潮流の速度や方向などのグレにつながるヒントをつかむことができる。

理想的な流れといえる沖から磯際へと当てる潮に仕掛けを投入する際は、図のように潮かみから順にウキ、刺し餌となるようにする。撒き餌も同じように潮かみから打つわけだが、量と打ち方には注意が必要だ。「動かなくては捕食できない」とグレが思う状況を作り出すために少量をバラけるように打つようにする。

グレ食い渋り2-1

もっとも、刺し餌と撒き餌の同調を実現するにはさらなる工夫が必要だ。とりわけ大切なのが潮読みと、刺し餌と撒き餌の投入のタイミングの確認である。

まずは潮読みについて。磯際に当たって跳ね返った潮は図のように海面に潮目を作り出すことが多い。その潮目の下には潜り潮が発生して潮の壁(ヨレ)ができ、グレのポイントが形成される。

グレ食い渋り2-2

次にタイミングの確認について。大切なのは刺し餌と撒き餌の沈下速度の差を知ることである。たとえば、ウキのなじみ具合や視認した撒き餌の沈下具合を参考にして3ヒロのタナになじむまでに撒き餌が1分、刺し餌が20秒かかるとしよう。この場合は撒き餌を打ってから40秒後に刺し餌を投入すればよいわけだ。そうして撒き餌と刺し餌の投入のタイミングを調整していけば同調の精度が高まって釣果アップが期待できるはずだ。

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