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新ステージは沖にも注目。高知の東部にスゴい筏がありましたよ!!|せんなん〜わかやまライブショット第3章Vol.38

泉南〜和歌山ライブショット38

持病の肺疾患を抱ながら釣行する中で見えてきた条件をまとめると、これまでのようなスタイルの釣りが厳しくなりました。そこで目をつけたのが座ったままでも竿を出せる筏です。以前の記憶をたどり、酸素ボンベ利用者でも快く受け入れてくれる渡船を利用してみると、なかなかおもしろい釣りができました!!

カメラ/文 葛城修平

車横付けポイントの釣行も厳しくなりました

近ごろは、持病である肺疾患悪化のため車横付けポイントを回っておりました。その中でおよそ次のことがわかってきました。

・寒いときは厳しい(体温低下により筋肉が萎縮)

・防寒用のウェーダーを着るため、トイレへ行かなくていいように水分補給を減らす

・釣りが数時間及ぶと、後半は急激に体力が低下

・立って釣ることが厳しい

このような事情から暖かくなるまで夜釣りには行けないと判断しました。

そこで日中の釣りにシフトしたものの、時期的なこともあって小アジすら釣れないという不甲斐なさこのうえなしの状況が続きました。車横付けポイントで好釣果を叩きだすのは、釣り方を忘れて超初心者釣り師になった私には到底無理な要求です。

ほとんど歩かず、足場がよく、座って釣りのできる、魚影の濃いところはないものか? そういえば、以前に磯へ渡してもらった渡船屋さんで「酸素ボンベを持ってこられるお客さんもいらっしゃいますよ」と聞いたことがあったっけ。磯は厳しいですが、グレをはじめとしていろいろな魚が釣れる筏もあったはずです。

よしっ、まずはそこへ行ってみよう!!

荷物運びも何もかもやってくださる船長さん

今回はちょっと遠出になるので、酸素ボンベが普段通りだと足りません。そもそも、釣りの際に用意していた3本のボンベの持ちは、酸素が多く必要となった今では座っていて9時間分です。コンビニへ行くとか、餌を買いに行くなど歩く必要があるときは3分の1しか持ちません。ゆっくりでも歩いていると3本のボンベは3時間で空になる計算です。

「何とかならんものか」と相談したところ、出かける期間に関しては必要な本数を貸し出し可能とのこと。それで8本のボンベを積み込んで出発しました。

泉南〜和歌山ライブショット38
酸素ボンベをたくさん積み込んで向かったのは明石海峡大橋、さらには大鳴門橋を超えた先にある…。

日付けがかわるころに自宅を出発。高知県東部の現地(甲浦磯釣センター)に着いたのが午前4時半です。6時に店が開くとのことでしばらく仮眠したいところですが、人の何倍も準備に時間のかかる私には寝ているヒマがありません。

泉南〜和歌山ライブショット38
徳島県を超えて高知県の甲浦まできちゃいました。

曇りときどき雨の予報とあってレインウエアを着込んで準備していると「もっと船の近くまで車を乗っておいで」といいながら船長さんがこられました。

泉南〜和歌山ライブショット38
とても親切な船長がいる渡船店です。

そして、荷物を車からおろすと「これ積み込みますね」と、身体ひとつで船に乗れるようにして下さいました。ちなみに、筏行きの人は他に2人おられるだけです。

「チヌやアイゴ・ハゲなら釣れてるけど、グレは上がってないなぁ~」といった話をしていると、ほんの数分で筏に到着しました。

さて、やるか!! と準備していると…。隣の筏の方がさっそく大きなマダイを釣られました。私の狙いたい魚がおるやないの!!

同行してくれた家内にはカゴズボで底を狙ってもらいます。マダイが掛かりそうな気配がプンプンです。

仕掛けのセットに時間がかかり、釣り始めは7時ごろになりました。まずは0号のウキを固定し、ウキ下3ヒロ半からスタートします。アイゴが釣れているなら何らかの反応があるでしょう。

泉南〜和歌山ライブショット38

ところが、小1時間やっても餌はそのまんま残っています。カゴズボで底を狙っても餌は残ったままみたい。魚おらんのか?

底を這わせる仕掛けでドスンッ!!

ここの水深は約10㍍ぐらいらしい。水深を取ってから重めの仕掛けを流すことも考えましたが、カゴズボで餌が取られない状況では正解ではないでしょう。ウキを固定しているヨウジを取り、底の流れをつかむような仕掛けで底までゆっくり落としていく作戦に変更です。

泉南〜和歌山ライブショット38
ウキからヨウジを抜いてスルスル仕掛けにシフトします。

流れは本当にゆっくりと右へ行っていますが、止まっては寄ってきたりします。仕掛けが落ちるのもゆっくりで、ひと流しに10分ほどかかります。

糸が出た量からしてもう底に着いているはずですが、宙層で餌を食って走る魚はいないみたいです。いったん10㍍ほど沖に行ったウキがやがてゆっくり寄ってきました。

「アタリはないし、流れも一定方向でないから釣りにくいやないの…」とボヤきたくなったとき、視界からウキが消えました。あれっ? アタリ!? 軽く合わせると、ドスン! ギュン!! おっと、これはデカいマダイかな?

「きたよ!!」と声をかける余裕はありますが、相手は右沖に向かって狂ったように走ります。止まれ、止まれ~!! 糸を少し出しては竿を起こし、強引に止めにかかります。ところが、その直後にプチンッ!! ありゃ? 上がってきた仕掛けのハリスはチモト付近で切れていました。頭の振り方からしてタイであり、引きの強さからしてチヌではない。やはりマダイかな。

それから3流しめ(半時間後)にまた同じようなアタリで走られてプチンッ!! なんで? 以前の私なら取れているのに…。座っているから? 体のバネがないうえ、腕力も柔軟性もなくなったからでしょうかね? 悔しいな~。

今度は仕掛けが左に流れています。「潮がわりのチャンス?」 そう思った矢先、ウキがシュンと消えました。今度こそっ!! と走られる前にこちらへ向かせようと先手必勝で合わせて一気に勝負に出ます。さっきまでの魚と比べると、手に負えそうな感じですが気を緩めないでいきましょう。

マダイにしてはシャープな感じの頭の振り方は、まさかのイズスミではあるまいな? 「何かええ魚であってくれ!!」と海をのぞいていると、ピンク色じゃなく白っぽい。やはりイズスミ? やめてくれよ~。

あれっ? よく見ると模様があるような!? サンバソウやん♪

玉網に入ったのは良型のサンバソウです。頭の振り方はさっきまでの魚と同じです。ということは、さっきまでのはイシダイサイズで間違いないでしょう。

泉南〜和歌山ライブショット38
これより大きな魚とのファイトに敗れたのが悔やまれますが、このクラスのサンバソウはうれしいですね!!

これまでの感じでは、底を這っている仕掛けがゆっくり動くと食ってくる、という具合です。それならと、ハリ上20㌢のところにG6のガン玉を追加しました。すると、狙い通りにウキが消えましたが、残念ながら高切れです。


時刻は11時を回りました。帰りの酸素が心配なので片づけ始めるとしましょう。ゆっくり、ゆっくりと寝ころんだまま道具を片づけて(よそから見たらヤバい状況でしょうね)、家内には筏の掃除をしてもらいます。片付けが済んだところで、途中で持ってきてもらったお弁当を食べます。それを食べ終えるとちょうど迎えの船が見えました。

泉南〜和歌山ライブショット38
おいしいお弁当でした♪

甲浦の筏は予想外の魚が回りそうな釣り場でした。海水温が上がればめちゃくちゃ楽しい釣りができそうです。機会があれぜひ再挑戦したいです。

最後に、何から何までお世話していただいた船長さんに感謝です。

家に帰ってからの料理

泉南〜和歌山ライブショット38
帰路にある「道の駅日和佐」で買ったキハダマグロと、釣ったイシダイの刺し身。
泉南〜和歌山ライブショット38
イシダイの皮の湯引き。
泉南〜和歌山ライブショット38
肝や胃袋の焼き肉タレ和え。

釣行メモ

甲浦磯釣センター(光本渡船)
HP http://isoduri.sakura.ne.jp/index.html
電話番号 090-8978-9709
住所 高知県安芸郡東洋町甲浦408−19
備考 要予約(前日の午前8時から受け付け)

【葛城修平プロフィール】

日中の賢い魚はなかなか釣れないので、簡単に釣れる夜釣りをメインにメバルを中心とした季節ごとの食べておいしい五目の釣りを楽しんでいる。調理した釣果をアテにして飲むビールがたまらなく大好き。
■YouTubeページ(カツラギング) https://www.youtube.com/channel/UCXpfb1jAUsYSVCzO39qXygA

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