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《チヌ釣りQ&A・かかり釣り》冬期は撒き餌をどんどん打つ方がいい?

かかりダンゴ

Q:冬期は撒き餌をどんどん打つ方がいい?

魚の動きが鈍い冬場は撒き餌をどんどん撒いて魚の活性を上げるのが得策だと思います。ただ、反応がないからといってダンゴや撒き餌を大量に打つと、飽食状態になって肝心の刺し餌を食ってくれない気も…。冬場の撒き餌ワークやテンポはどのように考えればいいでしょうか?

A:量よりも打ち返しのペースが大事

四季折々の楽しさがあるかかり釣りですが、冬場は水温低下にともなってアタリが少なく、釣れるチヌの数も多くはありません。それとともに寒風の吹く中で釣り続けなければならず、根気が必要な時期といえます。

そうした中で、私の場合は落ちのチヌが深場で荒食いする、もしくは数釣りの中に良型が混じるのを期待し、水深のある深場のポイントをダンゴ釣り中心で攻めることが多いです。

釣り場は福井県・泊のタダグリ筏を例としましょう。小浜湾のほとんどの釣り場が12月で営業を終える中、ここへ渡す深田渡船は通年営業しています。おそらく、水深が14〜20㍍と深いため水温がある程度安定しており、チヌの越冬場所になっているものと考えられます。

この時期の撒き餌は、ダンゴベースに混ぜものとしてミンチサナギ、アミエビ、生の沖アミを用意します。沖アミは一部を取りわけて刺し餌とします。

水深のある釣り場ではポイントがズレるためアケミ貝の上撒きはしません。釣り始めは5B〜1号くらいのオモリを使用し、ハリにつけた餌のみを落とし込んで様子を見ます。初冬は大型が期待できるので丸貝、サナギ、シラサエビ、アケミの半貝というようにかたい餌からやわらかい餌へとかえていきます。真冬はボケを落とし込んで餌取りの様子をうかがいます。いずれの場合も30分ほどで見切りをつけ、以後はときおり落とし込みを交えつつダンゴ釣りをメインにします。

あらかじめダンゴ桶の横にミンチサナギ、アミエビ、沖アミ、アケミ貝をクラッシュしたものを用意しておき、それらを混ぜ込んだダンゴを最初に5〜6個足もとに打ち込みます。刺し餌を包んだダンゴは盛期ほどの量やピッチで打つのではなく、1回ずつをていねいにして、できるだけ一定の間隔で打ち返すことが大事です。

盛期ほど餌取りはおらず、チヌもダンゴに積極的にアタックしてくるほど活性の高い個体ばかりではありません。ダンゴが割れてしばらくしてからアタッてくる場合もあります。特に冬場の日本海の釣り場ではボラがダンゴにアタッてくることは少ないように思います。そのためダンゴベースは水分を少なめとし、両手で握る必要があるバサバサの状態に仕上げたものをメインにします。アミエビやミンチも少しずつ混ぜ込むようにしましょう。シラサエビもダンゴに入れるのは数匹とし、ときには入れないようにして撒き過ぎを防ぎます。

そのように一定のリズムで打ち返す中で、海中の変化に意識を払っておきましょう。たとえば速い潮が緩みだした、止まっていた潮が動きだした、餌が取られだしたという具合です。ただ、前記のようにダンゴが割れてからチヌが刺し餌を食うまでの時間が長いこともあります。海中に変化が感じられるのにアタリがないからといってあわてて打ち返すのではなく、しばらく待ってみるといいでしょう。

以上のように、冬場は魚の活性を考慮して撒き餌(ダンゴ)の量で寄せるよりも、打ち返しのペースを保つことで確実にアタリをとるのが得策だと思います。

なお、ラインはフロロカーボン1.2号を基本とし、ハリはチヌバリ2号でスタート。食いが渋ければハリの号数を1号、0.8号と落とす、軸の細いシラサチヌやアブミバリにかえる、といった対処をします。また、色の異なるハリにかえるとアタリがでることもあるので試して下さい。

(解説:川口泰則)

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