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和歌山最北の磯場に注目!! 尾長グレ+大型マダイの期待感十分です|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.38
和歌山最北の磯釣り場といえる初島沖の沖の島では、11月いっぱいは良型の尾長グレと大型のマダイが期待できます。その釣果の期待が高まる好条件は上り潮。そのタイミングで餌取りがいない状況となれば…!!
(カメラ/文 桑原英高)
いよいよグレ釣りのハイシーズンがやってきました。個人的なシーズンインのエリアは毎年のように和歌山の紀北。その中で目をつけたのが初島沖に浮かぶ沖の島です。
ここは京阪神から最も近い、本格的な磯釣りを楽しめる釣り場です。グレは中〜小型の口太がメインですが、最近では40㌢クラスもちょくちょく姿を見せるようになっています。南紀方面のように浮きグレが出ることはないので爆発的な釣果は望めませんが、少しの波気や潮の流れといった条件が整えば30㌢台後半までの2ケタ釣りができることもあります。隣接する矢櫃と同様に釣れるグレはこの時期でも脂が乗っており、おいしいというのもうれしいところです。
そして特筆すべきは、数は少ないものの良型の尾長グレが狙えることです。サイズは30㌢後半から45㌢。条件が合えば2ケタ釣果も望めます。昨年は地の島のカブトという磯で50㌢オーバーの尾長グレが釣れて話題になりました。
ただ、近隣の矢櫃や大引などに比べるとグレの絶対数は多くありません。そのぶん条件のわるい日に当たると、餌取りだらけで木ッ葉グレさえ釣れないことがあります。とはいえ、大型のマダイやメジロといった他魚も期待できることや、近場ながら雰囲気のよい離島で竿を出せることを考えると魅力的であることに違いはありません。
良型の尾長グレがいきなりヒット!! さらに…
11月3日、釣友の丸谷さんと南村渡船にお世話になり、沖の島の大磯へ渡礁しました。
ここは上り潮(上げ潮)オンリーの釣り場です。下り潮(下げ潮)でも釣れないことはありませんが、上り潮の方が釣果のよさは圧倒的です。良型の尾長グレやマダイがアタるのも上り潮時です。今はその上り潮が流れているとあって雰囲気のよさは抜群です。
「とりあえずアオリイカを狙ってみます!!」と、丸谷さんはエギングロッドを手にして②の釣り座で餌木をシャクり始めました。私は久しぶりの沖の島だけに手早く撒き餌を用意し、①の釣り座に入って釣り開始します。
オセンがとにかく多いここではたくさんの撒き餌が必要とあり、沖アミ9㌔にマルキユーのグレパワーⅤ9徳用、遠投ふかせSP、アミパワーグレSPを混ぜ合わせものを用意しました。これに加え、いつもはボイル沖アミを別に用意するのですが、よいものがなかったため原型の生沖アミをセパレートバッカンに入れています。
まずは足もとに撒き餌を入れてみます。潮流はメチャクチャ速くないものの、大人が小走りする程度の速さでどんどん流れています。これくらい速いとオセンは磯の影から出らないため、潮が緩むまでが勝負となりそうです。
ちなみに、潮が走りだすと離島顔負けの速さとなります。そうしたタイミングが大型の尾長グレのチャンスとなります。現状はそこまでの速さではないものの餌取りが沖へ出られないほどの流れがあるだけに大型尾長のチャンスはあるはずです。
流すこと数回め、バチバチッ!! と道糸が走るアタリがでました。反射的に合わせると、NEWモデルの極翔1.5号が満月のようにしなり、かなりの重量感が伝わってきました。本流筋の50㍍ほど沖からの激震とあって尾長グレの期待がふくらみます。
かなり重い手応えですが、柔軟な反発力を持つ極翔とあって魚を暴れさせずにグイグイと足もとまで寄せられます。そうして足もとへと寄せて強烈な締め込みを2~3度耐えると、40㌢を軽く超える尾長グレが姿を見せました。
そのまま玉網を構えてくれている丸谷さんの方へ魚を誘導します。そして「さあ、取り込み」と思った矢先、竿にかかっていたテンションがフッと抜けました。まさかのハリはずれです…。「あ~っ、尾長グレ~っ!!」と思わず漏れる声もむなしく良型の尾長グレはゆっくりと海中に消えていきました(泣)。
潮が流れているうちは可能性があるだろうと気を取り直し、ハリに刺し餌を刺して投入。すると、すぐに体ごと持っていかれそうなほどの大アタリ!! 竿を立てた瞬間にゴンゴンと頭を振る反応とともに、とてつもない重量感が伝わってきます。
根もとから曲がる竿を見た丸谷さんの「またきましたか!?」との問いに対して「マダイやわ、コレ」といったとき、またしても竿にかかっていたテンションが抜けました。さっきと同じでハリはずれです。
重量感から想定すると60~70㌢クラスのマダイでしょう。この周辺はマダイが多く、50~70㌢クラスの大型が出ることも珍しくありません。
口太グレもヒット!! ただし、やっかいなヤツの登場で…
立て続けのヒットを見た丸谷さんは「イカなんぞ狙ってる場合じゃないですね!!」といってあわてて用意し始めましたが、時すでに遅し。だんだんと緩んだ潮はやがて下り始めました。
こうなると①の釣り座は釣りづらくなります。流れが緩やかなうちはまだよいのですが、速くなると仕掛けが一瞬で真横に流れてしまうのです。そこで③の釣り座に移動。こちらは撒き餌がまだ入っていないので、オセンの姿はありません。しかも沖の潮に緩やかに引かれる流れがあっていい感じです。
「オセンが出てくるまでに食ってくれ!!」と思っていると、期待通りにウキがゆっくりと海中に消え去りました。この釣り座では口太グレだろうと思ってやり取りすると、やがてポッチャリとした32㌢の口太グレが姿を見せました。
このパターンで口太グレの数を稼げるかと思いながら数投したとき、ウキが横走りするアタリがでました。何だか嫌な予感です。
その予感が的中。15㌢クラスを皮切りに小アジが入れ食いとなり始めました。このまま釣り続けると小アジの活性が上がり、本命の流れである上り潮時に苦労しそうです。そこで竿を置いて弁当タイムとすることにします。
ちなみに、南村渡船の弁当は800円とちょっと高めですが、香りがとてもいい昔ながらの折箱入りです。空腹時には最高においしく感じます。
体ごと引き込まれそうなアタリで大マダイがヒット!!
弁当を食べ終えてしばらくすると、流れが止まって上り潮にかわりました。しかし、その流れは弱々しく、いっこうに加速する気配がありません。緩やかな流れだとオセンの動きが活発となり、入れた撒き餌の周囲が真っ黒になるほど集まります。これでは釣れる見込みがありません。
それならと、足もとへ集中的に撒き餌を入れ、ハリスにG8を2段に打ったウキ下2.5ヒロの仕掛けを沖のシモリへと大遠投してみることに。沖のシモリ回りにもオセンが大量にいるため本命用の撒き餌から10㍍ほど離したところへ着水させて狙います。
しばらくこのパターンで釣っていると、スプールからバチバチッ!! と道糸が飛び出すアタリがでました。出ていく糸を指で押さえると、体ごと持っていかれそうなほどの引きに襲われます。どうにか竿を立てると、極翔が大きく弧を描きます。
そのままじっとタメていると、魚の走りが止まりました。そこからゆっくり寄せますが、重いのなんの!! ゴンゴンと頭を大きく振る引きから大型のマダイだと確信。ロッドは根もとから曲がるほどですが、不思議と余裕があって魚をジワジワと寄せてくれます。この秘めたるパワーのおかげで不安は感じません。道糸、ハリスともに1.75号という具合に大型のマダイに対しては頼りない仕様ですが、極翔なら強気にやり取りができます。
ほとんど糸を出すことなく足もとに寄ったマダイはすでにグロッキー状態。すんなりと玉網におさまったのは62㌢の大型です。
この後、大型のマダイがもう1度きましたが、玉網入れ寸前でハリはずれとなりました。
あいかわらず潮はタラタラと流れる程度ですが、沖の方で大型マダイが回遊しているのかオセンが沖へ出ていかなくなりました。「でも、この流れの強さでは尾長グレは厳しそう…」 そう思った矢先、パラパラと出ていた道糸が何だか重くなった気がしました。「何?」と思って竿を立てると、重量感が乗った竿がグ〜ンと曲がりました。「勝手に何か食ってたわ!!」と苦笑いしながらやり取りすると、35㌢ほどの口太グレが姿を見せました。
続いて丸谷さんも竿を曲げましたが、こちらはチヌでした。
迎えの船がくる30分前に待ちに待った激流が走り始めましたが、時すでに遅し。後ろ髪を引かれる思いで納竿となりました。
近いうちもう1度アタックしたいですが、初島の渡船は11月いっぱいまでで、再開されるのは4月となります。興味のある人は早めに行ってみて下さい。
釣行メモ
南村渡船 | |
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HP | https://minnaga.com/minamimura/ |
住所 | 和歌山県有田市初島町浜 |
電話番号 | 0737-83-3730 |
料金 | 4,000円 弁当は800円 |
備考 | 磯釣りの期間は4月1日~11月30日 |
餌店 | 紀の国屋・下津店(073-492-4488) つり具のマルニシ・和歌山インター店(073-476-0024) |
タックルデータ
【桑原英高プロフィール】
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