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〈投げ釣り〉夏夜の対大物シミュレーション【アコウ編】
ターゲット:アコウ
投げターゲットの注目株。
生き餌の釣りがおもしろい!!
投げ釣りで専門にアコウを狙う人は多くないが、釣り味、食味ともに申しぶんのないターゲットだから要注目。通常の投げスタイルで狙うのはもちろん、あまり移動しない魚だと思われるだけに近投エリアを探り歩くスタイルも駆使して型物を仕留めたい!!
(文:脇阪由憲)
〈アコウ釣りの概要〉
掛けたときの抵抗感も楽しい
これからは炎天下となる日中を避け、涼しい夜に竿を出すことが多くなる。個人的には夜釣りがもともと好きであり、海面をめがけてケミカルライトが突っ込むシーンを目の当たりにするとアドレナリンが噴出するような興奮を覚える。
そんな夜釣りのターゲットとしてこの夏にピックアップしたいのが食べておいしいアコウである。投げ釣りのターゲットとして専門に狙う人は多くないが、近ごろは各地で実施されている放流事業のおかげで数が増えているぶん好釣果を得られる期待感が上昇しているだけにぜひ狙いたい。
とはいえ、投げ釣りのスタイルはまだ確立されていないと感じる。個人的にもマゴチ・ヒラメ狙いやマダイ狙いの他魚として釣れるという認識であり、大好きな生きアジを使ったスタイルでよく釣れるという印象が強い。
ただ、同じく生きアジで狙うマゴチ・ヒラメとはアタリので方が異なる。一気にラインを引き出すマゴチ・ヒラメに対し、ジッジッ…、ジ〜という感じで少しずつ引っ張るパターンが多い。おそらく自身のつき場である穴に餌を引っ張ってから食べるのだろう。そのぶん合わせが遅いと根に入られることもあるため、素早く根から離せるようにタイミングのよい合わせが求められる。
掛けてからは走り回る感じではなく、ゆっくりとした重みのある引きに加え、ハリをはずそうと頭を振る抵抗を見せる。その感触のよさがアコウ釣りの1つの魅力だといえる。
また、魅力といえば申しぶんのない食味のよさも忘れてはいけない。刺し身、洗い、塩焼き…という具合に、どんな料理にしても美味である。
釣れるサイズは30㌢オーバーが多いことから私は40㌢あたりを狙いたい。45㌢を越すと超大型だと考えていいだろう。そのクラスを取るためには根への突っ込みに耐えることが何よりも大切となる。
〈実釣シミュレーション〉
ピンポイント狙いがセオリー
条件考察
釣行タイミングとしては中潮から大潮へと移行する満月回りの夜釣りがベストだと考えている。そのタイミングで私が狙うのは丹後半島か、香住、浜坂、居組などの但馬方面。このエリアには夏の間にオールナイトが可能な一文字が多いうえ、アコウ以外にマダイやキスの乱入もよくあるから注目している。
もともと潮位差の小さい日本海側だけに、長潮や若潮以外なら潮回りは特に気にしなくていい。ただ、実績からいうと月夜の日にいい目をすることが多い。
悪条件といえるのは雨。特に、河川から入る濁りはいただけない。塩分濃度が薄まるとアコウの活性が低くなる気がしてならないからだ。
活性という点では波気は少しあった方がいいが、荒れ具合が激しい日本海側だけに夜釣りでも安全を確保できるほどほどの波高を限度としたい。
時合は夕まづめの後と、朝まづめの前にくることが多い。ただ、ハタ類は貪欲なだけに昼夜を問わずに目前に餌が落ちてくれば食ってくるのではないかと思う。実際、島根県の隠岐島でアコウの入れ食いを経験したときは、生きアジを投入するとすぐにアタリがでて時合の有無は感じられなかった。
釣り場は、①つき場となるテトラや岩礁がある、②小魚の群れがいる、③潮通しがいい、④水深がそこそこある(浅場でも釣れるが、小型が多い)、という4点を目安に選択するとよいだろう。
タックル考察
使用するタックルは一般的な遊動式と胴突き式の2通り。マゴチ・ヒラメ仕掛けと見た目のバランスは同じだが、根の際を狙うためにラインは太めを使用する。
そして、使用する生き餌はアジの他にサバやイワシでもよい。アコウ狙いでは仕掛けをテトラ際にポチャンと落として狙うのもアリなだけに、サビキで釣れたカタクチイワシやサバのように遠投に向かない餌を使えるという利点もある。中でもカタクチイワシは餌として最良と思える。それだけに、船釣り用の太いサビキ仕掛けで釣った小さなアジやイワシをそのまま放り込んでおくパターンも試したいと個人的に目論んでいる。根掛かり対策をうまく行なえれば実用できるのではないかと考えている。
釣り方のパターン
釣り方はいたってシンプルである。最も重要なのはアコウのつき場となる根やテトラの際に餌を落とすこと。それ以外に餌を落としても食ってこないだけに、仕掛けを打ち返しながらポイントを探るスタイルが有効だ(サソイは不要)。
もちろん、前年など過去によく釣れた場所に目をつけるのもよい。実際、大阪府の貝塚港でアコウを狙っていた数年前には毎年同じ根で釣れることが多かった。また、何本ものハリが口に刺さったヤツを数匹釣ったこともある。そのことからアコウは根につくと動き回らないと考えられ、過去に釣れたポイントの期待感は大きいといえる。
そのような根やテトラの際といったピンスポットを狙う釣りとあって必然的に根掛かりが多くなるが、それを恐れていてはアコウは釣れない。また、手返しが多くなるぶん餌が弱りやすいというネックもある。そのぶん、マゴチ・ヒラメ釣りよりも餌の消費量が多くなるだけに、小アジの回遊が見られるときは集中的に釣り、海中へ沈められる生きアジスカリに入れてストックしておきたい。
アタリは前述した通りにゆっくりと引っ張るような反応として表われることが多い。アコウは大きな口で餌を一気に食うことが多いため、竿先に魚の重みを感じたら大合わせにて対処する。そうすればしっかりとフッキングできるとともに瞬時に根から離すことができる。
その後のファイトは難しく考える必要はない。走り回る魚ではないのでしっかりとフックアップさせて根を切れば、バラシのリスクは一気に軽減する。
そして、うまく1匹を手にできれば同じポイントをしばらく探りたい。アコウは1つの根に数匹潜んでいることも多いからである。
以上の生きアジを使ったスタイルの他に胴突き仕掛けにマムシの餌を用い、歩きながら近投エリアを探るパターンもおもしろい。投げ釣りの観点からするとおもしろ味に欠けるが、これも効率的な釣り方である。
ただ、移動の際は足もとに注意すること。また、マムシを使うだけにハオコゼやゴンズイといった危険魚もよくアタるから注意してほしい。
最後に、一文字で釣りをする際は渡船店にオールナイトである旨を告げ、夜間でも繋がる連絡先と朝の迎えの時間を必ず確認すること。安全第一を常に意識して楽しんでいただきたい。
〈実践釣り場ガイド〉浜坂一文字〈兵庫県〉
キス・マダイ・マゴチ狙いでも有名な釣り場。日本海特有の荒波を弱めるために大量に組み込まれた捨て石とテトラに根魚が潜んでいる。私自身、ここで良型のアコウを仕留めたことがある他、大型のカサゴも手にしている。
ここでは虫餌も用意したい。アコウだけでなく良型のサンバソウもくるからだ。
実績場は年によってかわるようだが、私は中央部分に構えた釣り座の周辺を探り歩くという方法で釣果を上げている。
なお、足場が高いことから釣れた魚は玉網での取り込みを心がけたい。
釣行メモ
はまさか渡船 | |
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電話番号 | 090-1142-4251 |
料金 | 浜坂一文字は2,500円 ※半夜・夜釣りは500円増し |
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