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【アユ】追わせるための川見術とは? Part.2 水深50㌢までの早瀬のパターン

アユ川見術8

水深50㌢までの早瀬のパターン

ダムの有無でアプローチを変化。
水位の変化に注意して釣果アップ

ひと口に瀬を狙うといってもダムの有無によってアプローチパターンは異なります。その川のクセをつかんだうえで、野アユの日ごとの行動パターンをつかむことが大切です

(文:内山顕一)

ヒザ上ぐらいまでの水深の早瀬をポイントとして選ぶ場合、その川に発電用のダムがあるかないかで選ぶ基準がかわります。

ダムがある河川のパターン

ダムがある川は夜間に減水し、昼間は電力発電のため水位が上がります。その水位変動の影響でアユは昼夜で瀬とトロを往復するため、朝一番で瀬の一等地(①)を狙っても数が出ないことがあります。

そこで朝は瀬尻や瀬肩のカケアガリ(②)や瀬の中にある深場からのカケアガリ(⑥)を狙い、水温が上昇するうえに発電による増水が見込める日中に瀬(①)を釣るパターンで挑むのがスムースです。

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そのようなダムがある河川は前日に誰かに釣られても問題ありません。水が増えれば魚が入れかわるため、翌日もそれなりの釣果が期待できます。

その魚の移動のカギを握る水位の変動は、朝一番に瀬やトロで頭を出している石を確認することで見わけがつきます。頭を出している石に水が濡れた跡が5〜10㌢ついていれば夜間に減水していた証です。

では、その水位がいつ変動するのか? それを見わける方法として気にかけたいのが瀬や瀬肩の波のシワの数です。水位が上がるとシワの数が減り、それを合図にアユの移動が始まって瀬で入れ掛かりになることがよくあります。

ダムがない河川のパターン

水位の変動がない河川は慎重な川見が求められます。よく釣れる瀬を選ぶには、まず魚を見つけることから始めます。とはいっても、瀬の中のアユを見つけるわけではありません。瀬の中はもちろん、瀬の上段や下段にあるトロに入れないアユがどれぐらいいるかを把握することが大切です。それが多いほどチャンスが生まれやすいといえます。ダムがない川は水がきれいであるため、水温が上がればアユを確認できるはずです。

その際、ナワバリアユがついている石の色も確認しましょう。早瀬はアユが最も好む場所ですが、人的プレッシャーを最も受けやすいポイントでもあります。多くの釣り人が立つポジションで、多くの釣り人が探る場所を毎回同じように釣っていても数はのびません。

少しでも数をのばそうと思えば、川におりた時点で瀬の形状をまず確認します。魚が溜まる場所は? 流心からのカケアガリの位置は? 底石の大きさは? という具合に注意しながらチェックします。同じように見えても瀬の深さや流速は複雑に変化しており、どこでも釣れるわけではありません。日ごとに条件があり、それを見つけることが釣果を大きく左右します。

アユ川見術1

石回りのポイント1つにしても日ごとに狙い目はかわります。

私の場合、石裏(③)や瀬のカケアガリ(⑥)から釣り始めます。その中でも石裏か? 石の横(④)か? 石の頭(⑤)か? さらにカケアガリからの深場(⑦)か? それとも浅場(⑧)か? という具合に探り、そのときのパターンをつかむようにしています。いずれを狙う場合も、トロ場で確認した石と同じ色の石を狙うことが大切です。それをすることで釣果がまったくかわるはずです。

反応がないときの対策

そうした王道パターンで反応がない場合は前日に人的プレッシャーがかかったと判断し、ごく浅い足もと(⑨)、対岸、ヤブの下(⑩)などに目を向けます。それでも釣れないならその場所にこだわらずに移動を考えます。

なお、渇水期のアカ腐れ時期や水温が26度を超える状態のときは「朝瀬、昼トロ、夕のぼり」の友釣りの定石は通用しません。「朝トロ、昼トロ、夕瀬」となり、瀬は夕方一刻の入れ掛かりタイムとなることがあります。

最後に、発電用のダムでない治水や利水などを目的とした日時変動のないダムの場合はダムのない川の川見を参考にして下さい。

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