桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.12【愛媛県・中泊釣行記】 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.12【愛媛県・中泊釣行記】

グレ釣り一直線12中泊12

メタボグレを求めて遠征。
中泊の尾長グレは超シビア

中泊〈愛媛県〉

かねてから釣行を予定していた愛媛県中泊へ尾長グレを狙いに行ってきました。予定がうまく合わずに厳しい状況でのチャレンジとなり、うまくハリに乗らない状況に見舞われるなど悪戦苦闘しましたが、タイミングがうまくはかれると…!!

(カメラ/文 桑原英高)

60㌢クラスがよくアタッていたゴールデンウィーク前後に、春先から計画していた愛媛県中泊への釣行を実行したかったのですが、行こうと思うと悪天候に見舞われたり、役員となっている大会の日程が重なるなど、思うように予定が合いませんでした。そうこうしているうちに強烈なドブ潮が入り、中泊の釣果は壊滅的な状況へと変貌してしまいました。

そんな中でも釣行して5月中に記事を書きたいと思っていましたが、予定が決まったのは5月末。5月31日の夜に和歌山を出発し、6月1日に夕釣り、6月2日に通し釣りというパターンで中泊へアタックすることにしました。

合わせるタイミングとアタリは超シビア

6月1日、午前7時ごろに今回お世話になる、ながはま渡船に到着。船頭に挨拶をしてから夕釣りの出船時間を聞き、それまで仮眠所で爆睡させてもらいました。

12時に起床。道具の用意を済ませて待っていると、ポーターの方から「桑原さん、次に荷物を積んで下さい」と声がかかったので荷物を積み込みます。その後まもなく、全員の荷物が積み終わったようで船が沖に向かって走り始めました。

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お世話になった、ながはま渡船。快速の渡船で夢のある釣り場へと連れて行ってくれます。

「さてさて、今日はどこへおろしてもらえるのかな?」と思っていると「桑原さん、用意しておいて下さい!!」とポーターの方から声がかかりました。まもなく渡船がホースヘッドを押しつけたのはインキョです。源氏周辺に行きたいと思っていただけにラッキーです。

磯に上がって海の様子をうかがうと、予想に反して真緑のドブ潮ではありません。ドブ潮気味で濁りはあるものの青っぽい感じです。これならまだ期待が持てそうです。

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渡礁したインキョです。

そろそろ餌取りが多くなるだろうと、5時間の釣りとしては撒き餌を多めに用意しました。沖アミ9㌔にマルキユーのグレパワーV9徳用、イワシパワーグレ、アミパワーグレを各1袋を配合したものの他に、ボイル沖アミ3㌔(セパレートバッカンに入れる)という分量です。

①の釣り座に入ってさっそく撒き餌を入れてみますが、魚影がまったく確認できません。これはちょっと拍子抜けです。しかし、撒き餌をしばらく続けていると、巨大な魚影が何匹も見え始めました。50~60㌢のイズスミが大半ですが、中には同型の尾長グレの姿も数匹確認できます。

さあ、勝負開始です。タックルは、竿にファイアブラッド オナガ ゲイルバード1.7-53、リールにシマノ・ハイパーフォースC3000DXG(SUTタイプ)、道糸にゴーセン・リミテーション磯フォルテッサ2.5号、ハリスにゴーセン・フロロファイタールーツX3号、ハリにONIGAKE・尾長ネムリ7号というパターンとし、小粒のG4のウキをセットします。

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    竿は、しなやかさとパワーを兼ね備えたゲイルバード1.7-530を使いました。
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ブレーキをオフにした際にハンドルが逆転しないぶんブレがなく、よりスムースなやり取りが可能になるSUTブレーキ搭載のリールが尾長狙いでは欠かせません。

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ハリスはもちろん、食いが渋い魚に対してはハリの選択もないがしろにできません。

まずはウキ下1.5ヒロで磯際を狙いますが、私と同行の徳原君の水面に落ちた影を警戒しているのか、竿1~2本先だと浮いてくるものの磯際には寄ってきません。日が高いうちは竿先付近で勝負しないとダメなようです。

撒き餌を打ってからタイミングを見計らって仕掛けを投入しますが、スレッカラシの魚たちは刺し餌に見向きもしてくれません。それでも、ゆっくりと左に流れる下げ潮にハリスを合わせながら刺し餌をていねいに撒き餌に同調させると、まるでカワハギような小さいなアタリがときおりでます。注意していなければまったく気づかない反応ではあるものの、刺し餌を触ってくれる状況ということで気合が入ります。

②の釣り座で竿を出す徳原君にも「ボーッとしてたら気づかん小さなアタリやから、おかしいと思ったらすべて掛け合わせるんやで~」とアドバイスをしておきます。

理想のアプローチで尾長グレがヒット!!

撒き餌と刺し餌の沈下、ハリスの向きをていねいに合わせることを心がけて狙っていると、何投かに1度は刺し餌が触られます。しかし、あまりにもアタリがわかりにくいので5㌢ほどウキ下を浅くしてみます。

竿先の下には、矢引き前後のタナにまで浮上する大型のイズスミや尾長グレが見えています。それらを食わせようと何度か仕掛けを入れ直していると、やっと理想に近い形で仕掛けを海面に置くことができました。撒き餌と刺し餌のタイミングもバッチリ!!

「これはいけるだろう!!」と集中していると、ピクッ!! と動いたウキに対して右腕が反射的に動きました。その瞬間、50㌢オーバーの尾長グレがヒラを打って反転。「よしゃ~、尾長やで~!!」というと、徳原君がすぐに玉網を構えてくれます。

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待望のヒット。反転する姿から尾長グレと確信したものの…。

ところが、ここで大きなミスが発覚。何とドラグを締め忘れているのです。1号竿とハリス1.5号で攻める際のセッティングになっており、ドラグが唸りを上げて逆転します。あわててドラグを締めましたが、ときすでに遅しでラインブレイク…。かなりショックですが、落ち込んでいる暇はありません。

小さなアタリを掛け合わせる釣りに慣れていないためか「アタリが小さ過ぎて無理です!!」と嘆いていた徳原君ですが、私が仕掛けを作り直しているときに「きました!!」と声を上げました。彼の方を見ると、海面に突き刺さる勢いで竿が曲がっています。ところが「強烈です…」といった瞬間、パ~ン!! という大きな音とともに竿が真っ二つに折れてしまいました。そして「えぇぇ~っ!!」と絶句すると同時にラインブレイク。おそらく竿に傷が入っていたのでしょう。ショックなできごとですが、当の本人は「強烈過ぎます!!」と興奮気味です。

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ご覧のように竿が真っ二つになったものの、徳原君はどことなくうれしそうな…。

連続のバラシによって魚の警戒心が高まったのか、しばらく沈黙が続きます。それでも、下げ潮が止まって上げ潮にかわり始めると、それまで姿を消していた魚たちが再び姿を見せるようになりました。さあ、気合を入れ直して狙いましょう。