※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
【寒グレ】食い渋り打開の戦略 Part1
撒き餌でポイントを作らない。
これが低水温期のキーポイント!!
活発に動かないグレを相手にする際、撒き餌でポイントを作る作戦で挑んでも効率がわるい。グレが潜むポイントに攻め込むようなスタイルで臨むのが低水温期に好釣果を上げる秘訣!!
(文:鷲見冬彦)
グレのつき場を見つけることが重要
秋口から初冬にかけてのように撒き餌に素早く反応するグレが相手なら比較的容易にアタリをとらえることができる。さらにいえば、活性の高い時期(状態)はいい加減なアプローチであってもグレの方から積極的に動いて食ってきてくれた。場合によっては撒き餌を打った場所までグレが移動、あるいは浮上してくれる。その状況の中で魚の反応をうかがいながら撒き餌を打つ場所やタイミングなどを考え、仕掛けを工夫しながら数釣りや型を狙うのが本来のグレ釣りの姿である。そのゲーム性の高さがあるからこそトーナメントが盛んに行なわれるわけだ。
ところが、低水温期のグレ釣りは深ダナ狙い、あるいは食い渋りといった低活性のパターンになる。これは私のホームグランドである紀東エリアも例外ではない。例年、水温が15度を切るころから撒き餌への反応はおろか刺し餌も取られない状況が続く。もちろん、その磯の周辺からグレがいなくなったわけではない。極端に狭くなった行動範囲の中でしか餌を拾わなくなっているのだ。そのため厳寒期にはグレが潜むピンポイントを見つけだす眼力が必要だといえる。
前述した高活性時とは違い、低水温の影響で活性の下がったグレはそう簡単に撒き餌に反応しない。つまり撒き餌でポイントは作れないということである。ビギナーの中には高活性時と低活性時の釣りを混同して組み立てる人も少なくないようだ。餌取りがいないのをいいことにウキに撒き餌をかぶせて満足?している釣り人が多いと感じる。また、撒き餌を大量に使用してポイントを作り上げるといったトーナメントの釣りをメインに行なっていると、ベテランでもこの錯覚に陥りやすいのではないだろうか。
とはいえ、フカセ釣りに撒き餌は欠かせない。撒き餌と刺し餌が合っていなければなかなか食ってくれないのも確かである。
以上のことから厳寒期の低活性時における撒き餌は、グレを寄せるためではなくて食わせるためだと考えたい。「撒き餌でポイントを作らない(結果的にはポイントを作っているのかもしれないが…)」を基本コンセプトとし、撒き餌を打てばグレが寄ってくるという概念をなくすことを考えてほしい。自分の釣りやすさだけでポイントを設定したり、むやみに広範囲へ撒き餌を打っていたのでは低活性のグレを効率よく狙うことはできない。
撒き餌は足もとの1点に打つ
では、どのように釣りを展開すればよいか? 基本的に撒き餌は足もとの1点打ちとする。それだけだ(笑)。あとは撒き餌の行き着く先を釣ればいい。
行き着く先といっても海底とは限らない。撒き餌は潮の流れによってときには浮き上がったり、水中に停滞することだってある。特に、潮の変化によってできる潮目には撒き餌が溜まりやすいことから、グレにとっては大きく動かずに効率よく餌を拾える場所となる。そんな潮目と、グレの住み家となるような地形的変化がリンクするポイントを捜すことが寒グレ攻略のカギになる(ちなみに、地形的変化とは磯際の出っ張りやワレ、シモリ根や海溝など。グレはそのような場所に潜み、あまり動くことなく流れ着く餌を拾っていると思われる)。
そして、そのような地形によって生まれるわずかな潮の変化(潮目)に刺し餌を追従させるため0号のウキを主軸としたできるだけ軽い仕掛けを使いたい。状況に応じ、撒き餌と同じように流れることをイメージしてセッティングすればいいだろう。
また、ウキの浮力調整をきちんと行なうことが欠かせない。それができていれば潮目やヨレなどに仕掛けが差しかかると、ジワッとウキが沈むからポイントを把握できるようになる。そのようなポイントとなりうる場所を探って餌場を捜すわけだ。撒き餌でグレを誘い出すのではなく、あくまでもグレの口もとに刺し餌を届けるイメージで狙うとうまくいくだろう。
低水温期のワンポイントアドバイス
潮目には潜り潮が発生していることが多い。その流れを利用すれば軽い仕掛けでも低水温期の基本的な狙い目となる深いタナ(グレの口もと)に刺し餌を届けることができる。
見えなくなる状況に不安を覚えるのか、ウキが吸い込まれるとすぐに仕掛けを回収するビギナーをよく見かける。不安な気持ちもわかるが、思い切ってどんどん入れ込んでほしい。それでさらなる深みを攻略できるからだ。
注意点は、仕掛けを入れていく際は糸を張らないこと。自然に吸い込まれるようにするのがコツである。
仕掛けをどんどん入れ込むパターンは刺し餌すら取られない状況の中での最終手段的な釣りだが、思わぬ大物がアタることも多いから覚えておいて損はないだろう。
このように厳寒期は撒き餌に頼るのではなく、釣り人側からグレの居場所を捜すパターンが効率的だといえる。そのパターンを実践するにあたっては海全体を観察して地形をイメージし、潮の流れを読むといった3D感覚の状況把握が欠かせない。このため各状況を見きわめられる眼力を身につけることが何より大切だといえる。
【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.4
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。