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桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.5【串本大島・須江釣行記】
気配濃厚の串本大島・須江。
尾長グレキャッチなるか?
インフルエンザと長期の発熱によって遅れていた2018年の初釣りの釣り場として注目したのは串本大島の須江。尾長グレの気配が濃厚という情報を得て釣行したところ、期待感が一気に低下するバッドコンディション。それでも我慢して釣っていると納竿間際に…!!
(カメラ/文 桑原英高)
今シーズン、黒潮蛇行の影響で和歌山県下のグレ釣り場は厳しい状況が続いています。黒潮が接岸していれば真冬でも17度前後をキープしている串本周辺の水温でさえ今年は14度とか15度まで下がることが珍しくありません。そのこともあってグレの活性が上がらないようです。浮きグレが見られる釣り場では爆釣することもあるようですが、それ以外ではボウズの人が続出するほど今シーズンの紀伊半島は厳しい状況に見舞われています。
そんな中、どこへ釣行しようかと悩んでいた矢先にインフルエンザにかかってしまい、正月明けから寝込んでしまいました。数日たつとインフルエンザは治まりましたが、直後に37度ほどの熱が10日ほど続くという変な風邪にかかってしまいました。なぜか薬がきかなかったためインフルエンザよりもキツかったです。
ようやく体調が上向きになったころ、1月21日を境に今期最大級の寒波がやってくるというニュースが目に入りました。体調はまだ万全ではないものの、寒波がくる前に「行かねばならぬ!!」と釣行を決断して注目したのが串本大島の須江です。というのも、数日前に46㌢の尾長グレが出ていたうえ、いつもお世話になっているしょらさん渡船の船長に電話で状況をうかがうと「通夜島周辺でハリスを飛ばされているお客さんが結構多い」と教えてくれたからです。状況はわるくありません。さあ、初釣りで尾長グレをキャッチといきましょうか!!
最悪の状況といえる出潮。
それでも納竿間際に…!!
1月21日、島割りが2番とあってセシマに行くことにしました。昨年の春に50㌢近い尾長グレを玉網に入れる寸前でバラした磯です。そのシーンが蘇り、今回はどうにかキャッチしてやろうと気合が入ります。
しかし、渡礁するとセシマでは最悪といえる出潮が走っています。しかもガンガンの流れで潮の色がわるく、見るからに釣れないとわかる状況です。これには高まっていたテンションがダウン。この潮のときはいつも苦労するのでやる気がなくなりますが、釣りにきたからにはがんばるしかありません。
1号竿に1.2号ハリス、ハリ4号といった繊細なタックルでスタートしたい状況ですが、狙いはあくまでも尾長グレなので図のようなパターンのセッティングとしました。撒き餌は沖アミ6キロにマルキユーのイワシパワーグレ、V9、V11、遠投ふかせスペシャルを混ぜ合わせたものを用意しました。
これまでの経験上、40㌢オーバーの尾長グレが一番よくアタッている④の釣り座に入り、とりあえず3ヒロのウキ下でスタートします。しかし、1時間ほど経過しても刺し餌がそのまま返ってくる状況が続きます。いつもは向かいの磯からのびるハエ根周辺でアタリがよくでるのですが、何度流しても反応がありません。寒の時期は入れ潮が鉄則となるセシマにおいてガンガンの出潮では仕方ありませんが、生命反応ゼロというのは厳しいです。反応があるところを求めて④~⑥の釣り座を転々としたものの、どこも状況は同じでいつまでたっても刺し餌がなくなりません。
これだけガンガンの出潮ならセシマの本命ポイントである①~③の釣り座は釣りにならないだろうと思っていましたが、少し前まで①の釣り座で竿を出していた徳原君が刺し餌をときおり取られるといいます。それならと①の釣り座に入ってみます。
一面が真っ白になるほどサラシが広がる状況とあり、ハリスにG6を2段に打ちます。そして、ウキ下を2ヒロにセットしてから前方のシモリ際に投入すると、何と1投めからウキがきれいに消し込まれました。「ウッソ~!!」と思いながら竿を立てると、小さいながらもグレの引きが伝わってきます。間もなく浮いてきたのは30㌢クラスの口太グレです。
その直後、②の釣り座に入った徳原君にも30㌢クラスがヒット。「もしかしてこのクラスが入れ食いになるのかも?」と思って同じところを攻めるとすぐにヒット!! 今度は型が結構よさそうで、竿が満月に曲がります。ところが、重量感たっぷりの引きを堪能している最中、フッと手応えがなくなりました。ハリはずれです。潮がよくないぶん食いが浅いのか、この後もう1度ハリはずれがありました。
「さあ、この調子でアタリを拾って…」と思いましたが、時合はわずか3分ほどの一瞬で終了。またまた刺し餌が残る状況へ突入しました。
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