【寒グレ】プロセス重視の満喫術〈食い渋りのパターン〉 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

【寒グレ】プロセス重視の満喫術〈食い渋りのパターン〉

寒グレプロセスタイトル

〈食い渋りのパターン〉

釣り人とグレの知恵比べ。
積極的に動いてアタリを誘引

寒の時期のグレ釣りにおいて特に重要なのは釣り場の選択と状況把握、仕掛けの選択、刺し餌の選択の3つ。これらの考え方を押さえてアプローチすれば寒のグレ釣りはもっとおもしろくなる!!

(文:鰰澤拓也)

釣り場の選択と状況把握

まずはどのような釣り場を選択するかが大事である。水温が低い寒の時期は本流が流れるような磯は適さない。ゆったりと潮が流れ、水深が豊富な少し奥まったところにある磯が狙い目となる。

低水温期のグレは身を隠しているシモリや岩陰から勢いよく出てきて餌を捕食することはあまりない。水温変化の小さい深場にある磯際のオーバーハングや岩の割れ目、岩陰などに潜んで目前にくる餌のみを捕食していると思われる。そのため釣り場の選択が重要なわけである。さらに、その釣り場の潮の動きなどを含めた状況をしっかりと把握することが欠かせないと考えている。

寒グレプロセス1

足もとから水深がある磯では磯際をていねいに探る。グレのアタリがない場合は磯際から少し下がった場所に釣り座を取り、自身の影を海面に落とさないなど気配を消すことを心がける。そうするだけで警戒心がやわらぐのか、釣れだすこともある。

際だけでなく、沖の深場の根にもグレは潜んでいる。そのため潮が流れているときは迷わず流し込んでいく。沖のグレは警戒心が弱く、寒の時期でも数釣りができることもよくあるので狙う価値は大だ。

仕掛けの選択

どのような仕掛けでグレの目前まで餌を届けるのか? ということも大事である。風やサラシがきつくない場合は0や00といった軽い仕掛けが断然有利。仕掛けがなじむと刺し餌の重みだけで入っていくように調整すれば、自然と撒き餌と同調しながら潮の中に入ってグレの目前まで刺し餌を届けることができる。

このときに重要なのがライン操作である。刺し餌先行を意識し、張らず緩めずの状態をきちんと保つことが欠かせない。これを怠るとアタリはでないと思ってもよい。

グレかどうかはわからないが、何かが餌を触っているもののアタリをとれないというときはハリを小さくする。短軸の4号や5号あたりの小バリは食い込みが断然よく、かえるだけでアタリが明確にでることも多い。

そして、注意したいのはハリスの選択である。寒の時期は磯際を狙うことも多いうえ、釣れる魚のサイズも大きい。食いが渋いからといって細い仕掛けを用い、掛けた魚をバラしたのでは元も子もない。それで私は1.7号以上を使用するようにしている。

寒グレプロセス2

波気や風が強い場合は5B以上の重い仕掛けを使用する。深いタナを探るときは、上層から下層まで撒き餌と同じスピードで刺し餌を同調させながら落とせるという軽い仕掛け特有の線の釣りよりも、深いタナで撒き餌と合わせる点の釣りの方が効率的である。そのためなじみがよく、ライン操作がしやすい重い仕掛けが有利となる。

この場合も軽い仕掛け同様にウキの浮力調整が欠かせない。海面でプカプカと浮いている状態では仕掛けが安定せず、アタリはでないからだ。わずかに吸い込まれる潮にも反応してゆっくりと沈むようにガン玉で浮力の微調整を行なうことが釣果に結びつくから手を抜かない。

刺し餌の選択

食いの渋いこの時期に威力を発揮するのがムキ身の刺し餌である。寒の時期は少しでもやわらかい餌の方が食い込みがよい。また、できるだけゆっくりと沈下する餌の方がグレの反応がいいように思える。その点においてムキ身は適している。

沖アミをムキ身にして使うこともあるが、それ以上に有効なのがシバエビや地元の姫路で小太海老と呼ばれている小エビのムキ身である。使用するエビのサイズはムキ身の状態で2~3㌢が使いやすくおすすめだ。

寒グレプロセス3

食いが渋いときは小エビのムキ身が有効。断裁面が目立つように指でちぎって使う。

まずはそのままの状態か、半分ぐらいに切って使う。それで反応がなければ指でつぶして3等分にするか、ハリが隠れるぐらいに小さくして使う。実は、この指でつぶすように千切りわけることが重要だ。それによって切断面が花が咲いたようになってよく目立つうえ、潜行速度がゆっくりになってグレへのアピール度が増すのである。このムキ身に当日に使う集魚材を前日にまぶしておく加工も食いが渋い時期には有効だ。

寒の時期のグレ釣りは釣り人とグレの我慢勝負と知恵比べといえる。同じところばかりに仕掛けを投入するのではなくて一瞬だけできるいい潮を見つけるためにこまめに投入場所をかえる、ていねいな仕掛けの調整など、その日のグレの行動に応じた釣りができた人だけが貴重な魚と出合えると私は思っている。何ごとも面倒がらずにすることが何より大事というわけだ。