【筏チヌ】厳寒期攻略の戦略 Part.1 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

【筏チヌ】厳寒期攻略の戦略 Part.1

状況を見きわめて柔軟に対応することで…

ダンゴワーク

まず釣り場に着いたらダンゴを仕上げることから始める。1日の中で何回も行なう作業なので手を抜くと高確率で貧果に陥ってしまう。

釣果を上げるために一番に考えていただきたいのは、ダンゴを作る段階で潮の流れ、水深、魚の活性などを考えながらサナギミンチやアミエビ、沖アミ、コーンなどの混ぜ込む生餌の量の調整だ。チヌをいかに自分の釣り座前のポイントに導くかを考えながらダンゴを作ることだ。

活性の低いときはダンゴの中に生餌を混ぜ、チヌも餌取りもすべて集める気持ちで集魚効果の高いものに仕上げる。活性が低くて潮が速い場合は沖アミやコーンはつぶして混ぜ、アミエビなどの匂いの強い餌で寄せる方向に仕上げる。なぜ餌をつぶすのか? それは原形のままだと潮に流されてポイントがボケてしまうからだ。

餌取りの活性が上がればチヌに一歩近づいたと思ってよし。しかし、予想以上にボラや青物の活性が高くなった場合は沖アミやアミエビをいっさい混ぜ込まず、サナギミンチとコーンで対応する。またはダンゴの投入を止めて釣り座を休ませるのも得策だ。

釣り方

実際に釣り場でどういう釣りを展開するのか?

■前期(1月中旬まで)…餌取りの活性もまだまだ高く、どちらかといえば攻めの釣りになる。1日の釣りの組み立てを1つの大きな木と考えればまずスタートは完全フカセとし、見えない海の中の状況を把握することから始める。

チヌかかり釣り厳寒期1-1

沖アミを刺し餌にして餌取りの種類や活性を調べる。また海を縦割りにし、底からタナを上げながら活性の高い層を見きわめることも重要だ。これを幹として考え、そこから時間の経過とともに変化が生まれた段階で何が一番よいのか? と枝を出すがごとく釣り方に変化を持たせていく。

釣果を上げる人はきっと台風でも折れない柔軟な枝を持った大きな木であろう。逆に貧果で終わる人は枝も少なく、少し風が吹けば折れる痩せた木だと考えられる。だが、枝も少なく痩せた木でも、今からしっかりとしたダンゴワークを駆使すれば栄養が回った幹になるに違いない。

枝(釣技)はそのときどきで学んだことや、自分自身が思いついた点を試してみることで新たな発見が生まれ、それは自分の折れない枝になると思う。

たとえば、餌取りの活性が高くて刺し餌がもたない場合は、刺し餌の種類をかえて残る方向へ進めていく。またはダンゴのかたさで割れる時間に変化をつける。チヌがダンゴに触る理想的な展開になったならダンゴには混ぜ物を入れず、刺し餌のみをダンゴに入れて落とす。そして、このときの刺し餌は食い込みのよい沖アミを選ぶ。

ポイントが養殖コワリならネットの際を落としてみるのもいい。こういった落とし込みはダンゴの手返しが遅くなるのでダンゴを別打ちする。

■後期(1月下旬〜2月末)…どちらかといえば待ちの釣りになる。朝からダンゴを打ち続けて魚の回遊を待つスタイル。1日を通して数回あるかないかの変化を見きわめる。事前に渡船店に釣れた時間帯などを聞いておけば1日の釣りの組み立てが容易になり、集中力も持続させやすい。

寒い中でのダンゴ作りは手が濡れて冷たく、さらに風に吹かれると痛くなる。薄手のゴム手袋はぜひとも持参してほしい。それにチヌのアタリにも瞬時に反応できる。