【投げ釣り】カレイ《ポイントの絞り込み》 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

【投げ釣り】カレイ・本番の即戦力データ《ポイントの絞り込み》

カレイ本番9

《ポイントの絞り込み》

変化するカレイの居場所も
潮と地形から推測可能!!

ヒットポイントの条件は決まっている。それがどこに生まれるかを考えて、効率よく探って時合を待たないと…

(文:中村 毅)

昔はうまくハマれば2ケタ釣りも珍しくなかったカレイ釣りだが、たとえ数十匹の大釣りに恵まれても一帯にまんべんなく魚がいるようなことはなかった。カレイは自分の居やすい場所に集まるものなのだ。

まして今や中型以上を5匹釣ったら大釣りというイメージの時代である。ポイント選びには十分に神経をつかい、なおかつヒットポイントを手際よく探り、そこにいるカレイを全部釣るぐらいの気構えで挑むべきだと思う。

潮の流れに影響する地形の変化を観察

釣り場を見るときは最初に潮の動きに注目する。流れが緩やかだと判断するのが難しいと思うが、そういうときは海面に浮かぶ泡や漂流物、手前の海藻やブイなどを目安にするといい。

流れを知る必要があるのは、それが地形に作用してカレイが集まる潮の流れにヨレなどの変化ができる場所を知るためだ。たとえば、波止の先端かその手前の曲がり角かで迷った場合、潮が先端方向へ流れるならそちらへ、逆の流れなら曲がり角の方へ入りたいし、やがて潮が逆に流れだしたら釣り座をかえるのが理想だ。

これは外海ほど潮の影響がなさそうな港内のポイントでも同様である。波止の内側でも地形的な潮当たりをよく観察して狙い目を絞る方がカレイのつき場に当たりやすい。

さまざまな情報から底を知る

潮の流れの変化は底の地形によっても生まれるわけで、それを生み出すカケアガリやシモリ、船道の溝の付近にカレイが集まることになる。

規模の大きなカケアガリなどの位置、その方向はガイドブックやネットで見られる航空写真からある程度は推測できる。浅いところなら底がなんとなくわかるし、海の色が急に濃くなるようなラインもカケアガリだと考えられる。もちろん撮影時とは位置にズレが生じるが、およそ地形に大きな変化がなれければカケアガリのパターンも似たようなものである。

また、そのような情報を頼りに入った初めての釣り場では、各方向で引き釣りをするように底を探ってリアルな地形を把握する。その際は底質も意識しよう。オモリが深く沈み込んで重く感じ、上げてみると泥がついているような泥底よりも、泥に砂が混じっているエリアの方が理想だし(底が泥っぽくてもヒトデがいるようなら砂混じりと思われる)、知らぬ間にオモリが傷だらけになっているような砂が粗いエリアならイシガレイ狙いに向いている。

状況で投点をシフトする

地形から狙うべきエリアが絞られてきたら、次はカケアガリやシモリに仕掛けをうまく添わせることができる投入の距離、方向を考える。これは港内の船道の深みを狙うぶんには簡単だが、潮が速い場所ではそのときの流れによって仕掛けが落ち着く投点がかわってくるので難度が上がる。

また、潮が速いときには根掛かりばかりで釣りにならなかったエリアも、流れが緩めばシモリ際の絶好のスポットに仕掛けが止まるようになる可能性がある。状況が変化するたびに攻め方のパターンを考え直すことも大切だ。

1個所の集中攻撃はダメ‼

複数のポイント候補があるときにすべての竿で同じような場所を釣るのは何かと効率がわるい。その日、そのときのヒットポイントがわかってくるまではできるだけ多くの候補地をカバーする方がいい。

4本の竿を出すとしたら、2本を特に期待できそうなエリアに入れて積極的にサソイと手返しを続け、他の2本では次点以下のポイント候補をじっくりと釣るのが私のやり方だ。この際、各竿の1投めは早めに回収し、投点による餌取りの違いで使う餌もかえていく。マムシ、アオイソメ、ユムシを主体にイシゴカイや塩コガネなどがあると餌使いの対応幅も広がるものだ。

大切なのは、たとえひとつのポイント候補でカレイが釣れたとしても、そこへすべての竿を集中させないこと。それでは自マツリなどのトラブルが起こりやすいし、他にもっといい(その後によくなる可能性がある)ポイントを見落とすことになる。

釣れたエリアは2本の竿で集中的に探り、やはり他の2本は他の場所に入れておく。そうすることで、最初のヒットポイントで釣れなくなったとき、つまり潮などの条件に変化があったときに、その条件下での魚の居場所をつかめることもあり、うまくいけばチャンスが続く。

前回の釣行でよかったポイントやヒットパターンは必ず覚えておくべきだ。ただし、1~2週間違えば状況はかなりかわることを意識しておきたい。

初期は多少深くて条件的に安定したところにいたカレイも、産卵が近づくにつれてそれに適した浅場に寄っていたりする。港内で船道の深みがよかったのが、翌週にはさらに港奥寄りの足もと近くの捨て石の際ばかりで食うこともある。

結局、どのような事前情報があったとしても、その日、そのときのカレイが食うポイントは自らの手で探り当てるしかないわけだ。釣り場に立ったらじっくりと時間をかけて、ヒットポイントを絞り込んでいただきたい。