若狭湾でグレ&チヌの両得を達成するコツを解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.35 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

若狭湾でグレ&チヌの両得を達成するコツを解説|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.35

グレ常勝トーナメント35

今回は福井県世久見の磯の釣行を例にし、グレをメインターゲットとしながらチヌも期待できるパターンを紹介します。グレの鋭い引きを楽しむのもよし、乗っ込みチヌの重量感を楽しむのもよし、という欲張りなパターンに注目して下さい

(カメラ/文 上田泰大)

5月を迎えると水温が少し上昇し、オセンなどの餌取りが浅いタナに集まるようになります。こうなるとグレやチヌも浅いタナまで浮くようになります。ただし、基本的にはグレは浅いタナへ浮いて捕食する、チヌは底付近の深いタナで餌を拾うという傾向があります。そうした性質がある中で、どのようにして両方を狙うのか? その方法は2つあります。

グレ&チヌの両得パターン①|シモリを狙う

1つめはシモリを狙うことです。シモリ付近ではグレ・チヌともに浅いタナへ浮いて捕食するからです。チヌもグレと同じぐらいの1.5~1ヒロぐらいのタナで釣れることがあるほどです。

グレ常勝トーナメント35

このパターンの場合、まずは足場の高いところからシモリの位置を確認することから始めます。このとき、白く見えるところよりも黒っぽいシモリに目をつけるのが得策です。経験上、その方がよく釣れるからです。

そして、シモリが2つ、3つとあれば、その真ん中に撒き餌を溜めるように打って狙います。

なお、シモリがない場合はカケアガリを狙います。

グレ常勝トーナメント35
たとえば、若狭・世久見のオシトリの磯では沖に見えるシモリとシモリの間を攻めるのが有効です。

このようにシモリという存在に撒き餌を打つことでグレ・チヌともに寄せることができ、同じ仕掛けで釣ることができます。

その仕掛けはハリスにガン玉を打つ仕様がおすすめです。個人的によく使うのはG7かG5をハリスの中央とチモトの上につける2段打ちです(潮の速さに応じて号数は変更します)。このようにガン玉を2段打ちにすることで仕掛けが早くなじみ、手返しよく探ることができます。

グレ常勝トーナメント35
グレ常勝トーナメント35
ソルブレPFフカセMのように浮力の精度が高いウキがおすすめです。

ウキの浮力は、仕掛けがなじむとゆっくりとシモるぐらいに調節します。そして、シモッたウキが見づらくなれば、カラ合わせを入れてから回収します。アタリがわからなくても食っていることが多いため、カラ合わせを必ず入れてから回収しています。合わせを入れないとハリはずれが多くなるので注意が必要です。

グレ常勝トーナメント35
効率よく狙える浅ダナでもグレの反応が得られる楽しい時期です。
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チヌも同じ釣り方で狙えるうれしいタイミングです。

グレ&チヌの両得パターン②|撒き餌を利用する

もう1つは撒き餌で魚を浮かせる方法です。こちらは潮が動いている状況で特に魚が浮きやすい傾向があります。また、シモリやカケアガリといった魚のつき場がない状況でも有効です。

グレ常勝トーナメント35
世久見・アカグリのように水深のある場所では潮が動いているときがチャンスとなります。
グレ常勝トーナメント35
個人的にはこのような配合餌を使用しています。

グレを狙っていると、グレの捕食ダナの少し下ぐらいまでチヌが食い上がることがあります。そのタイミングでなじませた刺し餌が餌取りやグレに取られなければチヌが食うというわけです。その際、持ちのよい練り餌やサナギを刺し餌にすると一発で食うことがあります。

仕掛けについては、シモリ狙いと同様にガン玉を2段打ちにした仕様が有効です。これだと深いタナも狙えるため、いいサイズのグレとチヌを一緒に狙うことができます。

グレ常勝トーナメント35
深めのタナも攻められる仕掛けとすることで良型のグレとチヌの両方を狙いやすくなります。

ハリはグレバリの6号かチヌバリの1号がおすすめです。このサイズであればグレ・チヌの両方を狙いやすいでしょう(おすすめは速掛グレ浅層攻略5号、競魂チヌ1号)。

グレ常勝トーナメント35
これらのハリがおすすめです。

刺し餌は魚の活性にもよりますが、餌持ちのよさに優れる少しかための加工沖アミが有効です。個人的なおすすめはマルキユーのくわせオキアミスーパーハードやV9。それに身の締まりをよくする活性起爆材・グレをまぶしてから冷えたクーラーや冷蔵庫で1日ほど寝かせると芯がかたくなり、餌取りに対して一段と強くなるのでよりおすすめです。その加工を施すと沈下速度が速くなります。そのぶん深いタナに届きやすくなるため、大型のグレやチヌを狙うには効果的だといえます。

グレ常勝トーナメント35
以上のパターンを実践した世久見の磯ではこのような釣果を得たことがあります。
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春〜初夏のグレ・チヌは脂が乗っていて美味という魅力もあります。

以上の釣り方は以前に訪れた福井県世久見のアカグリやオシトリなどの磯でよい釣果が得られました。

グレ常勝トーナメント35
世久見でいつもお世話になる河村渡船。グレ・チヌの両得狙いを楽しませてくれます。

緊急事態宣言でなかなか釣りに行けませんが、実績も十分ですので宣言が解除された際にはぜひ試してみて下さい。

釣行メモ

河村渡船
HP https://www.ubeshima.com/tosen/
電話番号 090-4323-0528(受付時間は8〜20時)
料金 半日…4,000円
1日…5,000円
備考 ■出航時間は季節や海の状況などによって変動するため予約の際に要確認(今の時期は5時ぐらい出船)
■運営は若狭湾/世久見の宿 うべしま館(〒919-1464 福井県三方上中郡若狭町世久見4−14−1/☎0770-46-1702)

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。