反応が鈍れば作戦変更!! 実戦を通して競技会上位進出の鉄則を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.30 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

反応が鈍れば作戦変更!! 実戦を通して競技会上位進出の鉄則を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.30

グレ常勝トーナメント

毎年恒例である『クラブ対抗グレ釣り大会』に参加しました。小さなグレが多くて釣りづらい状況であるうえ、キーパーが釣れてもすぐに反応がわるくなるという難しい状況でしたが、戦略をどんどんシフトすることで状況を打開。その実釣の様子を通して2位になることができた戦略の推移を紹介いたします

(カメラ/文 上田泰大)

11月3日、和歌山県の南紀勝浦で開催された『クラブ対抗グレ釣り大会』に参加しました。毎年恒例でありながらコロナウイルスの影響で今年の開催は危ぶまれましたが、マスクの常時着用、受付時の消毒、渡船乗船時に密にならないように3番船まで利用して渡礁を分散するなどの徹底した対策を取ることで開催されることになりました。

「足もと狙い→遠投→深いタナ」で良型グレをキャッチ

今回はクジ運がよく、一の島へ4人で渡礁しました。実績が申しぶんのない磯とあってプレッシャーがかかります。

まずは足もとにあるサラシの切れ目に撒き餌を入れて釣ります。しばらくして25㌢ほどのグレがヒットしましたが、以降は20~23㌢ほどのサイズばかりとサイズがのびません。

グレ常勝トーナメント
今回使用した撒き餌のパターンです。風が強かったため、グレパワー遠投をあとで加えました。
グレ常勝トーナメント
グレ常勝トーナメント
足もとにあるサラシをまずは狙いました。

そこで作戦を変更。手前に小さいグレを寄せてから遠投で沖を狙うことにします。それに際し、強い向かい風に対応するためにウキを12.2㌘ほどと重量のあるPFフカセLサイズ00号に変更。この作戦が功を奏して30㌢クラスのグレが釣れました。

グレ常勝トーナメント
愛用しているソルブレのPFフカセMサイズ。右は遠投に有利なLサイズです。
グレ常勝トーナメント

しかし、しばらくするとサイズがまた小さくなります。それならと、深いタナで餌を拾っているグレに的を絞り、ウキ下を少し深くして狙います。これで30㌢クラスをヒットさせることができました。

グレ常勝トーナメント
狙い通りに良型のアタリをとらえることができました。
グレ常勝トーナメント
キャッチしたのは30㌢の本命です。

餌のタイミングをずらす&変化への即応で良型尾長グレもゲット!!

さらなる釣果を上げるために、続いては残り餌を食べにきたグレを狙って撒き餌と刺し餌を合わせるタイミングを遅くしてみます

方法としては、

①撒き餌をポイントに入れる

②撒き餌を打ったポイントの竿1本分ほど沖へ仕掛けを投入する

③仕掛けがなじみだしたらゆっくりと引っ張って撒き餌と仕掛けを合わせる

という具合です。

グレ常勝トーナメント

このパターンで攻めると、モゾモゾとして沈みかけていたウキが消し込みました。これでまたサイズアップに成功です。

やがて向かい風が止むと、よさそうな潮目が沖にできました。この変化を逃さず、ダイレクトに仕掛けを投入。その後、撒き餌を入れてジワジワとなじむウキの様子をうかがいます。そして、ほどなくしてラインを軽く張り直した矢先、竿先にまでくるアタリがでました。

ガツンッ!! と合わせると、今日一番の引きが伝わってきます。慎重に寄せてキャッチしたのはグッドサイズの尾長グレです。

グレ常勝トーナメント
36㌢の良型尾長グレをキャッチ!!

以上のように、釣れなくなったら同じことを繰り返すのではなく、すぐに次の戦略を立てることで釣果アップ、サイズアップの確率は高まります。今回の釣りであれば「遠投→深いタナ→タイミングをずらす→沖の潮目」という具合に釣り方を変化させることでよい釣果につながりました。考えた戦略がハマッて釣果が出たときは、うれしさが倍増するだけにやめられません。

大会の結果、私のクラブは2位で優勝は逃しましたが、個人でも2位に入賞することができて満足です。ちなみに、尾長グレ36㌢を含む5匹の総重量は2,650㌘でした。

グレ常勝トーナメント
5匹の総重量は2,650㌘。戦略をどんどん変更することでキーパーを揃えることができました。
グレ常勝トーナメント
狙い通りに釣れた良型とあってうれしさもひとしおです。
グレ常勝トーナメント
個人2位ということでうれしい賞品をいただきました。

コロナウイルスの影響で大会がほとんど中止になっていますが、今後は1人1人の注意と心がけの意識が高まり、大会ができるようになればいいなと思います。

釣行メモ

清丸渡船
HP http://www.nanki-kiyomaru.com/
住所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川932
電話番号 090-1589-6196
0735-52-5574
料金 4,500円
備考 ■弁当あり(700円)。
■素泊まり2,500円
■45㌢以上のグレを釣ると無料渡船券のプレゼントあり。

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。