尾長グレ釣りが本格化間近の串本・須江の釣りを紹介|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.29 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

尾長グレ釣りが本格化間近の串本・須江の釣りを紹介|桑原英高のグレ釣り一直線・尾長グレ追求編 vol.29

グレ釣り一直線29

口太グレが産卵を意識し始めたことから釣果にムラが出るようになりました。それでも、口太にかわって尾長グレの活性が上がるタイミングだけに磯へ行かないわけにはいきません。厳しい状況に見舞われた串本・須江の釣行でも尾長グレの気配を感じることができましたよ!!

(カメラ/文 桑原英高)

口太グレが産卵期に入ったことで釣果ムラが激しくなり「昨日は爆釣だったのに今日はサッパリ…」という話がチラホラ聞かれるようになってきました。そんな中、前回ご一緒してもらった丸谷さんとどこかへ行こうということになり、調子がよさそうな串本の須江に目をつけました。

いつもお世話になる、しょらさん渡船の予定日の磯割りは3番回りです。その中で私が一番好きな磯はオドの先端。そこへ上がれるか否かは当日の受付時に決まります。というのも、しょらさん渡船では、待合所での受付時に磯を指名するシステムになっているからです。

尾長グレ狙いには最悪の条件。でも、いきなり登場!?

釣行日は3月6日。金曜日とあって釣り人は少ないだろうと考え、ゆっくりと出発したのが大間違い。待合所に着くと、大勢の釣り客で賑わっています。

空いている磯を船長に聞くと「有望磯はすべて埋まってます。空いているのはハヤマの前島くらい」とのこと。それで仕方なくハヤマの前島に行くことにしました。もっとも、最近はこれといった釣果は聞かれないものの、以前は40㌢クラスもよく釣れていた実績場です。個人的にはわるい釣りをした記憶がない磯だけに、7~8年ぶりの渡礁ということもあってむしろワクワク感が高まります。

ハヤマの前島は船付きがおもしろい場所ですが、丸谷さんは②の釣り座に行ってみるとのこと。それで私は船付きでスタートさせてもらうことにしました。

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グレ釣り一直線3
今回も丸谷さんと一緒です。楽しい釣りになること間違いありません。

この釣り座は尾長グレが出ないことはありませんが、狙って釣れるほど魚影が濃いわけでもないうえ、釣れても40㌢までがほとんどです。条件としては、速い下りの潮が絶対的です。ところが、撒き餌を入れてみると、ガンガンと手前に当ててくる最悪の上り潮です。これだと尾長グレは厳しそうです。

オドの先端に行く予定だったので、撒き餌はⅤ9徳用、グレパワーVSP、沖撃ちスペシャルを沖アミ6キロと混ぜ合わせた遠投仕様としています。沖撃ちスペシャルは混ぜ合わせて練り込むと粘りが増しますが、着水するとサッとバラけるため使い勝手が良好です。遠投が必要な釣り場へ行くときは必ず配合する最近のお気に入りとなっています。

グレ釣り一直線11
今回用いた配合餌です。

その撒き餌を足もとへ打ちながらしばらく様子をうかがいますが、小魚1匹の姿すら見当たりません。何だかイヤ~な予感。この潮では尾長グレは出ないと判断し、ライトタックルで挑むことにします。

竿にシマノ・ファイアブラッド クレバーハント、リールにシマノ・ハイパーフォース3000DXG SUT、道糸にゴーセン・リミテーション磯 CXフロート1.75号、ハリスにゴーセン・フロロファイタールーツⅩ1.25号、ハリにONIGAKE・極軽グレ5号、ウキに自作の小粒G5というセッティングとしました。

グレ釣り一直線12

ウキ下2.5ヒロで釣り始めた矢先、玉網を持ってニコニコとした丸谷さんが②の釣り座から向かってきます。「尾長グレ~」といって見せてくれた玉網の中には35㌢クラスの尾長グレが入っています。

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厳しい状況と思った矢先、丸谷さんがまずまずのサイズの尾長グレをキャッチしました。

「やはりこの潮では②の釣り座がいいかな~」と思いながら釣りを開始します。あいかわらず魚影はまったく見えませんが、毎回のように刺し餌が取られます。こんなときの犯人はグレであることが多いので、ウキにアタリがでるまでウキ下を徐々に浅くしていきます。すると、2ヒロぐらいに合わせたところでウキがスッと消し込まれました。「待ってました!!」と、すかさず竿を立たところメチャ軽い!? まもなく上がってきたのは20㌢ほどの木ッ葉グレです。

「たまたまかな?」と思って釣り続けても掛かるのはすべて木ッ葉グレ。大きくても足の裏サイズです。

グレ釣り一直線9
掛かるのはこのクラスばかりです。

竿を置いて丸谷さんに状況をうかがったところ「朝イチの尾長グレの後は沈黙」とのこと。さほどかわらない状況とあって仕方なく船付きに戻って釣りを再開しますが、釣れるのはすべて木ッ葉サイズ。これではどうにもならないので作戦を変更することにします。

作戦変更が奏功。口太グレながらサイズアップに成功!!

G8をハリスに2段に打ってウキ下を3ヒロに合わせた仕掛けを前方の小さな離れ磯の手前へ遠投。それから足もとに多め、離れ磯の手前に少量の撒き餌を打ちます。すると、すぐに竿先をひったくるアタリがでました。木ッ葉クラスばかり釣っていたとあって結構な手応えを感じましたが、海面に姿を見せたのは30㌢クラスの口太グレです。

グレ釣り一直線7
作戦変更が功を奏して30㌢クラスがヒット。

この状況ではよしとしなければならないのか? とはいえ、セオリー通りの簡単な釣りでサイズアップしたことからがんばればよい釣りができるかも? そう考えて気合を入れて探ってみます。

しかし、その後はすぐにサイズダウンして木ッ葉が連発。魚影はまったく見えませんが、このサイズが湧いているようです。

やがて「向こうではまったくダメなので木ッ葉グレでも釣って遊ばせて下さい!!」と、丸谷さんがこちらにやってきました。ちょうどこのタイミングで弁当船がきたことから弁当タイムとします(丸谷さんが味噌汁を作ってくれました。磯の上で飲む味噌汁は格別ですね!!)。

グレ釣り一直線6
味噌汁がメチャウマでした。

弁当を食べ終わってからは②の釣り座に移動します。仕掛けをかえずにとりあえず磯際を探ってみると、いきなりウキが消し込まれました。あわてて竿を立てると、心地よい引きが伝わってきます。すんなりと海面に浮いたのは先ほどと同じ30㌢クラスの口太グレです。

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場所移動後、木ッ葉クラスに比べて手応えを楽しめるサイズがヒット。
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上がってきたのは30㌢クラスです。

「弁当を食べている間に状況がかわったか?」と思ってすぐに打ち返しますが、以降は沈黙状態。ポイントを休めたあとの1投めに釣れる、というのはグレ釣りあるあるですね‼️

その後、またまた沈黙状態となったため再び①の釣り座へ。28~30㌢を数匹追加したあとにドキッ!! とするアタリがでましたが、上がってきたのサンノジ。この魚を最後に終了となりました。

グレ釣り一直線4
引きの強さは楽しめました。

厳しい釣りでストレスが溜まったことから翌日に見老津へ行きました。しかし、状況はさらに悪化。ナベに乗せてもらったものの完全にシャットアウト。産卵に入ったのかグレの気配はまったくありませんでした。

口太グレが産卵に入れば尾長グレのシーズンですね。これから見老津はおもしろくなるので、もう少し水温が上げれば足繁く通うことになるでしょう。

釣行メモ

しょらさん渡船
ホームページ http://www.syorasan.jp/
住所 和歌山県東牟婁郡串本町須江
電話番号 090-3465-2626
※電話での問い合せや予約は午後9時まで。
料金 4,500円
餌店 フィッシングベース海クン0739-45-8450
竿 シマノ・ファイアブラッドグレ クレバーハント
リール シマノ・BB-XテクニウムC3000DXG-S
道糸 ゴーセン・リミテーション磯CXフロート1.75号
ハリス ゴーセン・フロロファイタールーツX1.25号
ハリ ONIGAKE・極軽グレ5号
撒き餌 マルキユー・グレパワー沖撃ちスペシャル
マルキユー・グレパワーV9徳用
マルキユー・グレパワーVSP

【桑原英高プロフィール】

グレ釣りを始めたのは小学生低学年。それから紀伊半島をホームグランドとし、固定仕掛けを基軸とした独自のスタイルでグレを追いかける。トーナメントよりもスレッカラシのグレを攻略するのが得意。シマノフィールドテスター、ゴーセンフィールドテスター、ONIGAKEフィールドテスター、マルキユーフィールドスタッフ。1969年生。
■ブログ:https://ameblo.jp/gureken-hk