スズキの釣り方 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME - Part 2

【実釣マニュアル】スズキの釣り方

夏の夜は虫餌の釣りがおもしろい

スズキがゴカイなどの虫餌をよく食うのは夏場から。特に、夜間に食いが高まる。バチ抜けというゴカイ類の産卵行動(大量の虫が夜の常夜灯回りなどで泳ぐ姿が見られる)があるエリアではこればかりを狙う魚がいるし、他のポイントでも小魚の大群でも追っていない限りは虫餌でよく釣れる。

電気ウキの流し釣り

夜のスズキは波止際で活発に虫類を食っている。だからウキ釣り仕掛けで宙~底層を流すだけの簡単なスタイルでもハネクラスの中型主体によく釣れる。また、河口付近の川筋ではテトラ際や、少し沖のカケアガリ沿いに仕掛けを流すパターンも有効だ。

餌はアオイソメがベスト。大きいものなら1匹づけ、小さいものなら3~4匹の房掛けにする。足場のよい場所なら仕掛けを流しながら探り歩くといいし、動きづらいポイントでは1個所で手返して回遊を待つ。

ウキ下は、波止際なら1ヒロから底近くの間で調整する。テトラ際や川筋のカケアガリを釣るときはときどき根掛かりするぐらいのウキ下で底を中心に釣る方がいい。いずれにせよ虫餌の釣りで早合わせはよくない。ウキが沈んだら竿先を送り、次の反応がでたときに合わせるぐらいでよい。

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投げ釣り

川筋でも沖めのカケアガリを回遊するスズキは投げ釣りの方が狙いやすい。また、夏~秋は河口近くの波止や浜でも投げ釣り向きの沖めのポイントにスズキが回るものだし、意外と冬場に投げ釣りで大型のスズキが釣れる場所も多い。

投げ釣りでも餌はアオイソメがいいが、餌取りに強いユムシでじっくりとアタリを待つのもおもしろい。アオイソメだと小さなセイゴ級ばかりが釣れて肝心の大物のチャンスを逃すケースもある。

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手軽なルアー釣りのパターン

スズキのルアー釣りはシーバスゲームともいわれるソルトウォーターゲーム(海のルアー釣り)の一大人気ジャンルであり、現在はそのスタイルもかなり細分化されているものの難しく考えることはない。活性の高いスズキがいる場所では場当たり的に選んだルアーを場当たり的に投げて巻くだけでも十分にヒットするからだ。

ルアーがおもしろい条件はスズキがベイトフィッシュ、つまりイワシや稚アユ・小アジ・イナ(ボラの稚魚)などの小魚を盛んに追いかけているときである。だから釣り場で大量の小魚の群れを見るような状況であれば、スズキの活性が特に上がりやすい朝夕のまづめどきを中心にルアーを投げてみる価値がある。

もちろん、真昼でも真夜中でも何かが海面をバシャバシャさせて小魚を食っているときはルアーのチャンスだ。また、前述のバチ抜けが見られるような場所で夜にゴボゴボと音をたてているヤツがいるパターンもおもしろい。いずれの場合も専用のシーバスタックルでなくても構わないから状況に応じたルアーを投げてみることだ。小さめのルアーならエギングロッド、大きなルアーなら投げ竿や太めの磯竿で扱える。

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表層を釣るパターン

至近距離で海面を騒がせているスズキらしき魚がいるときはミノープラグという魚型のルアーの出番。サイズが10~13㌢ぐらいのシャローランニングタイプ(表層用)が扱いやすい。これを魚群の進行方向の先に投げて引いてくる。スピードはルアーが海面から飛び出さない程度に速く引けばいい。

反応によっては引く→止める→引くといったメリハリをつけてみるのも有効だ。魚の気配がない状態でミノーを投げるときはジワーッと低速で引くのも一策で、活性の低いスズキが食いつくことがある。逆にルアーを追っているのがスズキではなくてハマチなどの青物だとわかったら基本的にできるだけ速く引く方がいい。

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底層を釣るパターン

大物の気配は見られないもののイワシなどの大群が手前に居ついている場合は少し沖めの宙~底層でスズキが捕食しているケースが多い。この場合は投げやすくて底層を探りやすいシーバス用のバイブレーションプラグやスピンテールといったタイプの30㌘程度のルアーを目一杯投げ、底近くに沈めてからスローに引くパターンが手軽で効果的である。

最初の1投でルアーの着底までの時間を把握し、以後は底に着く前に引き始めるのが根掛かりを減らしてスムースに探るコツ。ただ、一帯に砂地で根掛かりの心配がないときはエギングで底を探るときのように巻く(もしくは竿をあおって引き上げる)→巻くのを止めて底まで沈める→巻く…の繰り返しもおもしろい。

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波止際を釣るパターン

水深のある波止では日中の活性が下がったスズキが波止際の底層にいて小魚がくるのを待っていることがあり(夜間なら浅い波止でもその可能性がある)、波止際の宙~底層を狙うパターンで結構ヒットする。回りに人が少ない場所では試してみるといいだろう。

この場合にもいろいろな攻め方があるが、簡単なのはアコウ釣りで用いるような大きめのワームのジグヘッドリグや、前述のスピンテール(遠投の必要がないので軽めのものでいい)を波止と平行に近い角度で投入し、狙いのタナまで沈めてから引くスタイルだ。また、広範囲で一定のタナを探る作戦として、リールで巻かず自分が歩いてルアーを引くのもおもしろい。

ルアーのカラーなんか気にしない?

同じタイプのルアーにも数多くのカラーバリエーションがあり、購入時はその選択に迷うことが多い。しかし、実際のところ魚は色よりもそのときの主食に近いサイズ感や動き、それに付随する波動といった刺激をもたらすルアーに反応するように思われる場面が多い。

一番よくないのは「こんな色で釣れるのか…?」と、イマイチ信じきれないルアーを使うこと。そこに不安があると投げ続けるのは困難で、釣果も当然上がらない。購入の際は自分の感覚で最も魚に食われそうなカラーを選ぶこと。自信を持って使い続ければ意外と簡単にスズキ、もしくは他のフィッシュイーターが食いつくものだ。

ルアーができれば飲ませ釣りもOK

スズキが活発に小魚を追っていてルアーで釣れるような状況であれば、その場で釣れるアジやイワシなどを餌にした飲ませ釣りもおもしろい。その方法はハマチのセンテンスで紹介するが、さすがに本物の餌への反応はよく、何らかの理由でルアーに食いつかないときでも飲ませ釣りでは釣果が上がることも多いからこちらも試してみたい。