成長に不可欠!! 負けから学ぶ思考の重要性を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.21 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

成長に不可欠!! 負けから学ぶ思考の重要性を紹介|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.21

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『NEWグレドリームカップ』の決勝戦に参戦しました。狙いはもちろん優勝でしたが、試合勘が鈍っていたこともあって1回戦で敗退。ここで単に「負けた」と考えて気落ちするのではなく、なぜ釣れなかったかを考えることがトーナメンターには不可欠です。今回も大会終了後に同じ状況でグレにアプローチすることで、引き出しをまた1つ得ることができました!!

(カメラ/文 上田泰大)

昨年まではドリームカップであった『NEWグレドリームカップ』に参戦しました。

開催日は2月15日。予選を勝ち抜いた30名の選手が決勝戦が行なわれる南紀の勝浦に集まりました(旧ドリームカップは決勝戦が2日間ありました)。

リズムがかみ合わずにグレの釣果は…

1回戦の舞台は山成エリアにある内ヨセダです。3人で40分ごとにポイントを移動しながら釣果を競い、1人が勝ち上がるというルールです。

近ごろは釣りにあまり行けていないことから試合の中で勘を取り戻し、調子を上げるつもりです。

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内ヨセダのポイントはこのようなロケーションです。
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磯の形状はこのような感じです。
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ジャンケンに負けた私の1個所めは中央です。ここが本命のポイントと思われるだけに数を釣ってウエートを稼いでおきたいところです。

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開始前に対戦選手とパチリ。
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今回の撒き餌です。生の沖アミ6㌔に集魚効果の高い配合餌を加えました。

餌取りもグレも見えないことから少し深めのタナを探ります。なかなか反応がありませんでしたが、30分ほどしたころに32㌢ぐらいのグレがヒット。その直後に2匹めが掛かったものの、ハリがはずれてバレてしまいました。

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まずまずのサイズがヒット。さあ、これからだと思ったところ…。

その後、タイムアップ。釣れ始めたタイミングでの場所交代とあって嫌な予感がします。

その予感が的中し、場所交代後すぐに対戦相手がグレを釣りました。それに対して私はなかなか反応をとらえられませんでしたが、20分ほどしたころにアタリがでました。かなりいいサイズでしたが、根に突っ込まれてチモトからハリスが切れてしまいました。

次にアタリがあったのは10分後です。バラしたことから慎重にやり取りをし過ぎたのか、またもやハリはずれです。どうやらグレの食いは浅いようです。食いの渋さを見すえてハリを小さくし過ぎたのが裏目に出てしまいました。試合時間が短いことから仕掛けの修正をためらったのがいけませんでした。

以降はグレをヒットさせることができずに試合終了。残念ながら1回戦で負けてしまいました。

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審査はいつも通り手際よく行なわれました。
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残念ながら1回戦敗退です。
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藤原さんのおかげで有意義な時間を過ごせました。
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負けたものの楽しい大会でした。

負けた理由を再点検。グレ釣りの技術向上には不可欠

試合後、今日の状況でのヒットパターンをどうしても見つけたくて同じ内ヨセダに上げてもらいました。

試合と同じように3人で渡礁し、釣り座をローテーションしてグレを釣っていきます。そして、いろいろと試しながら釣ることでヒットパターンを見つけ出すことができました。

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【ヒットパターン①】タナの考え方は柔軟さが必要

まず頭に入れておかなくてはならないのが、釣り場の水深が深いことと、魚の動きが遅いことです。そこで、魚を浮かせるために、狙いたいポイントへ撒き餌を先に入れます。

それからゆっくりと刺し餌をハリにつけてから仕掛けをポイントへ投入。試合中は餌取りもグレも見えないとあって深いタナを探っていましたが、グレが食うタナは思っていたよりも浅いことがわかりました。よく食ったのは2ヒロ半前後です。

タナが深いと予想したのは、前日に雨が降ったからです。2月の雨後はグレの活性が低くなるとの読みが大ハズレとなったわけです。「寒グレの時期とはいえ必ずしもタナが深いとは限らない」ということを改めて認識することができました。

思えば試合中も何度か刺し餌を取られていました。それに気がついてもう少し浅いタナを狙うべきでした。それをしたうえでだんだんとタナを深くしていればもっと釣れたと思われます。

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ヒットパターンをつかむことができたのは大きな収穫です。

【ヒットパターン②】ハリの選択もフレキシブルに!!

試合中には使わなかった5号や6号といった少し大きいハリの使用もよい具合でした。ハリはずれもありませんでしたし、食い込みも良好でした。

小さいハリで飲み込ませるのがよいか? 大きいハリでしっかり掛けるのがよいか? ということは日によって違うので試合中に試すべきです。

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終わってからの釣果はご覧の通りです。

今回の負けから学ぶことはとても多くありました。釣り負けるということは、自分がやっていた釣りよりもさらに釣れる釣り方があるということです。「鉄は熱いうちに打て」ということわざがあるように、私はできるだけその日のうちにヒットパターンを見つけだし、それを習得できるように練習することを心がけています。そうすれば、同じような状況になったときに釣れる確率が高まるからです。みなさんも実践してみて下さい。

釣行メモ

清丸渡船
HP http://www.nanki-kiyomaru.com/
住所 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町湯川932
電話番号 090-1589-6196
0735-52-5574
料金 4,500円
備考 ■弁当あり(700円)。
■素泊まり2,500円
■45㌢以上のグレを釣ると無料渡船券のプレゼントあり。
撒き餌
※マルキユー製品
グレパワー沖撃ちスペシャル
グレパワーVSP
グレパワーV9徳用
爆寄せグレ
刺し餌
※マルキユー製品
くわせオキアミスーパーハード
特鮮むきエビ
アミノ酸αと活性起爆材・グレにつけた生沖アミ
アミノ酸α
活性起爆材・グレ
竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520
リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500
道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号
ウキ ソルブレ・MFスラッシュS 00とG2
ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1〜1.2号
ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレストレート
ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ

【上田泰大プロフィール】

釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TV