やめられまへん‼ 投げ釣りはっ【オッサンの気ままな釣り日記編】 NO.1 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

やめられまへん!! 投げ釣りはっ【オッサンの気ままな釣り日記編】 No.1

やめられまへん1−8

乗っ込みカレイの今昔物語と
おすすめガイドでっせ

【釣り場ガイド】鳴門・櫛木漁港〈徳島県〉

関西圏の釣り場を中心に、身近な存在だったカレイの数が年々減っているのが気がかりです。子どもたちの輝く笑顔が釣り場にたくさん戻るように、そろそろ数を増やす試みも考えたいものです。そんな中でも少し足をのばせばよい釣果が上がる釣り場も残っています。たとえば、鳴門の櫛木漁港などは…♪

(文:中本嗣通)

僕の釣り人生にとって欠かすことのできない存在であった関西発の老舗釣り雑誌『関西のつり』の休刊から早や1年半。その間といえば、なんや空気の抜けた風船みたいなもの足りなさを感じていましたが、このたびWebマガジンという新たな形で待望の復活を果たしてくれました。その名もズバリ『関西のつりWeb』。そして、この新しい〝関つり〟にも僕が「やめられまへん!!」を連載する運びとなりました。

その内容は以前のように釣行記オンリーではなく、釣り場や釣り方ノウハウの説明、投げ釣りエッセイなど、バラエティーに飛んだ形で進めて行こうと思いますので、よろしくお付き合いのほどをお願い申し上げまんねんわ

乗っ込みカレイ今昔話

やめられまへん1−1

冬季の投げ釣りで人気のターゲットといえば、今も昔もかわらずカレイ。ただし、その数は減っているようで、以前のような数釣りは珍しくなってきています。

記念すべき復活の初回は盛期へ突入した「乗っ込みカレイの今昔」がお題です。

近年、ホンマにカレイは釣りづらいターゲットになりました。確かに、限定されたエリアの釣り場では毎年のようにコンスタントに釣果が上がっていますが、僕が若かった昭和の時代のように関西全域の海でカレイが釣れ盛り、木ッ葉を相手に子どもたちが笑顔を輝かせる風景を見なくなってから久しおまっせ。

その原因としては、地球温暖化による海水温の上昇といった環境の変化も理由の1つでしょうが、もっと大きな理由として考えられるのは〝乱獲〟に間違いないと思いまんねんわ。泉南エリアの漁港にある直売市場や近所のスーパーの魚売り場には、それこそ僕らが子どものころに釣って喜んでいた13~15㌢前後のマコの当歳魚が3~4匹ほどパックに詰められて「唐揚げ用」としてエエ値段で売られていますからネ。あんなサイズを取り切ってしまうと、次世代への供給が止まってしまうのは火を見るよりも明らかなんですが…。

その証拠に、僕らが中高生だった昭和40年代半ばには、神明間の大塩十三段波止や本庄第一人工島といった釣り場では乗っ込みシーズンになれば「マコガレイ20~25㌢級の3ケタ釣果」という情報がスポーツ紙に連日のように掲載されていました。それだけ中・小型の数(=資源)が多く、漁師さんがいくら網で取っても釣り人に回ってくる恩恵があったということやと思いまっせ。

ところが、前述した環境の変化や海洋汚染などによってカレイの数が減っていくと、生活がかかっている漁師さんは少しでも漁獲量を上げようと禁止されている波止や埋立地のすぐ際でも網を引くようになったうえに、網の目を段々と小さくして小さなカレイまで根こそぎ取るようなったと推測されます。その結果、次世代へつなぐカレイの数が一気に激減したのではないかと考えるオッサンです。

この「負のスパイラル」を証明するかのように、関西圏の釣り場で昔のように20㌢級の数釣りができる投げ釣りポイントはホンマに少なくなりました。おおむねが「アタリがあれば30~35㌢級だが、数が釣れない」という乾坤一擲に懸ける釣果パターンやと思いまへんか?

20年ほど前までは淡路島や播州あたりで仕立て船によるカレイ釣りが盛んでしたが、現在では話も聞かなくなりました。また、淡路島の漁師さんの中には「アマテガレイ(マコガレイ)は幻の魚やな」と真顔で語る人もいるほどでっせ。それほど数が減ってまんねんやろな…。

ちなみに、カレイが減っているのは関西圏だけの話ではありません。関東の釣友によると、東京湾で釣れる江戸前カレイのほとんどは稚魚放流によるもので、天然物はごく少ないとか。また、中京の有名カレイ釣り場である浜名湖でも数が激減しているようですし、あれだけ魚影の濃さを誇った瀬戸内海西部でさえ数が減ったとのこと。愛媛の友達が嘆くところを見ると、関東以西の海では総体的にカレイの魚影が薄くなってきているみたいでっせ。

つまり、各エリアにおけるこれらの厳しい状況からしても次世代への供給が途絶える恐れがあるわけです。カレイ釣りが大好きなオッサンとしては「投げカレイの未来」を憂うことなるのであります。夢みたいな話ですが、釣り人と漁師さん、行政の三者が力を合わせて減少する資源を守る方法として東京湾のように未来を見据えた活発な放流事業を実現する運動を起こせば、「三方両得」で釣り人にとってもエエ結果につながると思いまんねんけもネ