中紀のイシダイは期待感十分!! 初秋以降は大釣りのチャンスです|木村俊一的イシダイストーリー vol.14 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

中紀のイシダイは期待感十分!! 初秋以降は大釣りのチャンスです|木村俊一的イシダイストーリー vol.14

イシダイストーリー14-1

例年、初秋からイシダイ狙いがおもしろくなるのが中紀の釣り場です。中でも大引の磯は、釣り人が入れかわり立ちかわり入ることからイシダイの寄りがよく、安定した釣果が望めます。今期もそろそろ気配を感じられるだろうと釣行したところ狙い通りにイシダイがヒットしました

(カメラ/文 木村俊一)

安定感のある中紀のイシダイ釣りが間もなく開幕です

8月の声を聞くと、近場のイシダイが気になります。というのも、和歌山県の由良周辺では例年9月中旬を過ぎるとイシダイの食いが一気に立つからです。シーズン入りを前にしてどんな気配かが気になるということで、大引へ出かけてみることにしました。

大引はイシダイのみならず、上物のグレやイサギを狙うにも絶好の磯釣り場です。釣り人が絶えず入っているぶん餌がよくきいており、どの魚を狙うにしても安定した釣果が望めます。イシダイも例外ではなく、磯に寄っている確率が他所よりも高いという特徴があります。

中紀エリアで釣れるイシダイの大きさは「中紀サイズ」と呼ばれる30~50㌢が中心になります。大型はなかなか出ませんが、食い始めるとまとめ釣りができるという魅力があります。3~5匹の釣果はザラで、運がよければ2ケタ釣果も期待できます。そのうえ、紀伊水道に面しているという立地条件や、水温が関係しているのか、食味のよさが抜群という魅力もあります。釣友の評価はいずれも上々です。

反応は上々!! 中紀クラスのイシダイがヒット

8月初旬、釣友の前 勉、川田勇一の両氏と大引へと出かけました。いつも利用している上野渡船の上野 諭船長は「ヒラバエ、いいよ。50㌢級が出ているし、昨日も40㌢級が釣れている」とヒラバエを勧めてくれました。それならと、ヒラバエで竿を出すことにします。

ヒラバエには何個所もポイントがあります。その中で私たちが渡ったのは「水たまりの前」と呼ばれているポイントです。

イシダイストーリー14-21
イシダイストーリー14-17
渡船から見たヒラバエの全景。中央の左寄りが水たまりのポイントです。
イシダイストーリー14-3
ヒラバエ水たまりの前でイシダイのアタリを待つ川田さん。
イシダイストーリー14-6
釣り座の前にはヒジキ島が見えます。
イシダイストーリー14-5
北に目をやると白崎がうかがえます。
イシダイストーリー14-4
南に目を向ければ蟻島も望めます。

満潮まで2時間ほどということで上り潮が走っています。その状況の中、3人並んで竿を出します。水たまり前のポイントは、足もとに張り出した磯の先から深くなっています。そのため、少し投げて30㍍のところを狙うのがセオリーです。このパターンで何度もイシダイを釣り上げています。

イシダイストーリー14-22
リールのカウンター30あたりを狙います。
イシダイストーリー14-20
イシダイストーリー14-9
餌のガンガゼウニはトゲを切り取って使いました。

開始後、本当に小さなアタリでウニが取られます。「これは絶対にイシダイのアタリなのに」と3人で顔を見合わせます。

「これならやがて竿が舞い込むだろう」と思いながら餌打ちを続けていると、前さんが口火を切ってくれました。素早く抜き上げたのは30㌢のサンバソウクラス。「ちょっと小さいね」と前さんは苦笑いしています。

イシダイストーリー14-7
幸先よく竿を曲げる前さん。
イシダイストーリー14-8
「小さいね」と苦笑いする前さん。

続いて私の竿にアタリがでました。仕掛けが着底した瞬間にアタッたかと思うと、そのまま食い込みました。落ち込み食いに近い反応です。間もなく浮いてきたのは中紀サイズのイシダイです。型は小さいですが、今年初の中紀の魚とあって気分は上々です。

この後、前さんが再び竿を曲げて先ほどと同じサイズをキャッチ。「小さい魚ばかりや」と川田さんと2人で冷やかしますが、前さんの勢いは止まらずにまたも竿を曲げます。

イシダイストーリー14-10
今度はなかなかいい引きです。

「いい型かな」と川田さんがいうように竿の曲がりはなかなかいい具合です。ところが、海面に浮いた魚を見た前さんが「あ〜っ」と声を上げました。それもそのはず、浮いてきたのは本命にあらず、赤いヤツです。「カンダイや…」と前さんはガックリ。それを見た川田さんが「引きを味わえただけでもいいよ」と。そういえば川田さんは魚の顔をまだ見ていません。

イシダイストーリー14-11
よい引きだったものの取り込んだのはカンダイでした。

潮の流れが速くなりだしたお昼過ぎ、私の竿の先がコツン、コツンとたたかれます。「イシダイやろう」と前さんも私の竿先を注視しています。その後、グッと押さえられてからギュ〜ッと竿先が引き込まれました。しっかりとハリ掛かりしたのを確信してから竿を手に取ってやり取りを開始。

流れが速くなったぶん魚の引きが強く感じられます。「さっきのよりは大きいな」と思いながらリールを巻くと、相手は魚体をひるがえしながら抵抗します。やがて海面に浮いたのは1匹めと同じような大きさのイシダイでした。

イシダイストーリー14-15
私は2匹の釣果でした。

14時過ぎ、川田さんの竿が舞い込みました。「よっしゃ、きた」とやり取りを開始して粘りの1匹をキャッチされました。「釣りは最後までわからないね」とは川田さん。

イシダイストーリー14-13
追い込みで川田さんが竿を曲げます。
イシダイストーリー14-14
「やっと釣れたよ」と笑顔の川田さん。
イシダイストーリー14-16
3人で5匹の釣果が上がりました。

これで全員安打。猛烈な暑さの中でがんばった甲斐がありました。

大引のイシダイは初秋からが本番です。この状況なら今後が楽しみです。

イシダイストーリー14-18
港に戻ると、駐車場へと向かうトラックに荷物を積み込みます。
イシダイストーリー14-19
上野渡船の待合所。暑かったものの楽しい1日でした。
竿 釣武者・石鯛キングⅣ540M
リール DAIWA・幻覇王 石鯛40

釣行メモ

上野渡船
HP http://minnaga.com/uenotosen/
電話番号 090-8572-3909
住所 和歌山県日高郡由良町大引578
料金 4,000円

〈木村俊一プロフィール〉

生活のすべてを捧げて没頭するほどのイシダイ釣り愛好家。「釣れなくてはおもしろくない」を信条として全国各地で竿を出し、柔軟な実釣スタイルでコンスタントに釣果を上げてイシダイ釣りの魅力を発信し続けている。
年間釣行回数約100日。自己記録はイシダイ71.5㌢(重量の最大は7.3㌔・71㌢)、イシガキダイ(クチジロ)84.5㌢・11㌔。尼崎市にて底物釣りのプロショップ「木村商」を経営。1952年生。

※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。