イシダイ、食わない状況で考えたい応用戦術を紹介 | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

イシダイ、食わない状況で考えたい応用戦術を紹介

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イシダイのアタリがあるなら対処方法は何かとありますが、まったく反応がないときは難しいものがあります。そんな中で行なうべきことは餌をどんどん打ち込むことです。それによって餌取りを集めることで無反応の状況が一転することもあるものです

(文:山本真士)

イシ物の気配はあるもののアタリがでない、食い込まない、アタリがないのに餌が取られる、といった状況に出合ったことがあるかと思います。私はそうした状況になるたびにいろいろなことを実践しています。ただ単に仕掛けを投入してアタリを待つのではなく、攻めの釣りをしていけば結果につながると考えているからです。

では、厳しい状況に出合わないために、また出合ったときに私が行なっている対策を紹介しましょう。

イシダイが食わない状況を避けるべく釣行前にすべきこと

食わない状況になる前に考えておきたいことの1つに釣行前の情報収集があります。イシダイ釣りの鉄則として、まずは釣れているエリアに行くことが大切だからです。

昔と違って現在は、便利なインターネットがあるため各釣り場の日ごとの釣果をチェックするのに困りません。渡船店によってはコメントまで書かれていることがあり、より詳細な情報を得られるのはありがたい限りです。

その情報を元に釣り場を決めたら渡船店に連絡を直接入れ、最新の情報や磯ごとの細かい情報を入手します。この際、前日に大きなヤツをバラしていないかも聞いておくことです。バラシのあった磯はイシダイの警戒心が強くなっていると考えられるからです。

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釣果情報はもちろん、バラシの有無や潮流の状況を渡船店に連絡を入れる際に聞いておくことで、イシ物のアタリがまったくないといった悪条件に出合う確率を下げることができます。

また「磯上がりしたものの逆潮でまったく気配がない」ということにならないように前日の潮の動きを聞くことも忘れないようにしましょう。潮の動きは前日と似たパターンということもよくありますが、ときには「上り潮から下り潮にかわった」という具合に大きくかわることがあるものです。そうした情報をあらかじめ入手できれば逆潮という厳しい状況を避けることができます。

私がよく行く南紀・すさみの磯では、黒潮の分枝流が北上すれば下り潮が走るという変則的なパターンがあります。このようなエリアごとの特徴までつかめると、磯上がりしたものの潮が逆だったという状況はさらに少なくなることでしょう。

この他、餌店にもホットな最新情報が結構あるものです。釣行のついでに立ち寄っていろいろと聞いてみるとプラスになることがあります。

イシダイのアタリがあるけど乗らないときの対策

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釣行前の情報を元に磯を決めたものの、アタリはあるのに竿が舞い込まないことも少なくありません。そんなとき、私は餌を触っている魚のサイズと種類(イシダイかイシガキダイ)を考えます。ワイヤーハリスにある歯型やアタリので方から判断し、サイズが小さいようならハリを少し小さく、大きいようならハリを大きくしたり、ハリスをワイヤーからケプラーにかえたりします。

そして、私が最も多用する手段として、ウニの芯だけを図のようにセットするパターンがあります。これはこれまでの経験上、イシダイがいれば高確率で竿が舞い込んでいる方法です。

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また、餌をかえてみるのも一策です。たとえば、ウニからヤドカリやトコブシ(ナガレコ)、カラス貝という具合です。中でも有効なのがイシダイの大好物であることに加えて二刀流の使い方ができるカラス貝です。餌取りが少ないときは図のように身をいくつか刺して糸で補強する食い込み重視のパターン、餌取りが多いときは図のように貝殻でフタをする餌持ちがよいパターンなど、状況に応じた使い方ができるので重宝します。

この他、アタリを待つときにラインを少したるませ気味にするのも食い込みアップにつながります。

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イシダイに違和感を与えない工夫も欠かせません。

仕掛けはできるだけシンプルな構成とするとともに、できるだけ軽いオモリを使うこと。そして、スムースな投入や、仕掛けを静かにピックアップするなど、集まったイシダイを散らさないように心がけることも大切です。

イシダイのアタリがまったくない状況を打開するノウハウ

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アタリがないときは打ち返しのペースを上げることが大切です。

アタリがあればいろいろと考えることがありますが、いくら待ってもアタリがないときは本当に困ります。私もそうした経験を何度もしています。しかし、そのたびに試行錯誤しながらイシダイを寄せる方法を考えています。釣れないときほど勉強になりますし、回りの人の釣りを見ることで自分の釣りの直すべきところに気づくことができるからです。

ところで、余った餌を納竿時に海へ捨てて帰った経験はないでしょうか? そうした餌を撒き餌として有効に活用していればイシダイがヒットする可能性は高まるはずです。

私の場合、撒き餌効果を期待して朝イチからウニを割って使用します。1個づけで反応がなければ2個づけとし、餌取りを集めることを意識します。普段はうっとうしい餌取りですが、渋い状況ではイシダイに餌の存在を気づかせる味方になると考えているからです。

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撒き餌を入れることも考慮し、ウニは多めに用意しましょう。

もちろん、魚を集めるには手返しも重要です。多く打ち返すほど餌取りが集まってくるといえます。

そして、刺し餌に見られる少しの変化も見逃さないことが大切です。ポイントがわからないようなら少しでも反応がある場所を捜して打ち返すことが1匹の出合いに繋がると考えられます。

これだけ手を尽くしてもアタリがないようなら潮裏のポイントへ移動するのも1つの手です。ただし、二枚潮になっているときは期待薄です。「イシダイは潮を釣れ」という言葉の通り、潮の流れはやはり重要です。

この他、攻めの姿勢でどんどん撒き餌を打つとともに刺し餌を打ち返すことが大切です。アタリがないからといって待っていてはダメ。アタリに関係なく定期的に打ち返すことがイシダイを呼び込むと考えて手返しを続けましょう。