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初夏のグレ釣りに有効!! ジャパンカップの予選を勝ち抜いた戦術を公開|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.12


今回は『シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権』の予選を勝ち抜いた戦術を紹介いたします。餌取りが多くなるこれからの時期の磯のグレ釣りに有効なノウハウですので、トーナメンターではない方もぜひご覧下さい!!
(カメラ/文 上田泰大)
いつも常勝トーナメント思考をご覧いただきありがとうございます。今回は5月11日(日)に和歌山県串本大島の須江と出雲の磯を使って行われた『シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権』の関西A予選を通過した際に駆使したテクニックを紹介いたします。
本命潮の到来で際立った撒き餌と刺し餌を離す作戦
この大会は前半と後半で磯の入れかわりがあり、前半で釣れなくても後半に期待ができるというおもしろさがあります。
ブロックわけの抽選によって入ったのはFブロックで、小川渡船での出雲の磯が割り当てられました。
96番はFブロックで出雲の磯となりました。 出船前にルールの説明が行なわれました。 まず渡礁したのは「双子の子」です。港を出てすぐのところにありながらグレの魚影が濃い出雲を代表する磯です。この時期はよいサイズがあまり出ませんが、数が揃うという特徴があります。
このような代表的な磯については、釣行前に航空写真を活用してポイントを覚えておくのが得策です。最初に釣るポイントを迷うことがないためタイムロスを抑えることができます。
出雲の象徴といえる双子の親の灯台が見える水道側をポイントとしました。 双子の子の裏側は波が駆け上がってくるため竿を出せません。 さて、一緒に上がった選手と相談して境界線を磯の中央ぐらいと決め、優先権のある私が双子の親との水道側を向いて右側を選択しました。ここは右方向に流れる潮が本命であり、逆に流れるとまったく食わないこともあります。今は逆潮が流れていますが、釣りがスタートするまでの50分ぐらいの間に転流することを予想して右側の釣り座を選択しました。
本命の潮が流れだせば有利な潮しもとなる右側に釣り座を取りました。 しかし、釣りがスタートしても潮の流れがかわらずに苦戦します。釣り始めてすぐにチョウチョウウオやカワハギなどの餌取りが現われ、撒き餌の中に刺し餌を入れるとすぐに取られてしまいます。それならと撒き餌から少し離したところへ仕掛けを入れると、23㌢ぐらいの尾長グレがヒット。ですが、これは狙うべき魚ではありません。「目標は30㌢級を5匹揃えて2,500㌘のウエートを確保すること」と決めて頭の中で作戦を立てていきます。
今回使用した撒き餌です。 こぼれた餌を拾っているひと回り大きいグレに的を絞り、投入する仕掛けをだんだんと撒き餌から離して釣ると25㌢ぐらいの尾長グレがヒットしました(図1参照。潮の流れが緩いときは餌取りが特に沖へ出て行きやすいので、撒き餌を沖へ打ち過ぎないように注意が必要です)。
40分ほどしたころ、本命の潮がゆっくりと流れるようになりました。そこで、撒き餌を潮かみへ打ち、先ほどよりも離して仕掛けを投入します。すると30㌢の口太グレがヒット!! 今がチャンスとばかりにターボエンジンを始動。撒き餌をポイントの潮かみへ、仕掛けをポイントへダイレクトに入れるパターンで攻めると、なじむと同時にウキが入ります。残り20分、この釣り方で30㌢前後を5匹揃えることができました。
水道部の中央あたりで見え隠れしている磯の回りでヒットしました。 小さな刺し餌が勝利の決め手!!
後半の磯はカナトコです。ここではサイズアップが目標です。
沖向きはサラシが強くて釣りになりません。そこで、サラシの右側にある潮目にポイントを絞り、少し遠投をして狙います(図参照)。しかし、浅いタナに飛び上がってくるサイズは30㌢までともの足りません。とはいえ、その中でアタリを見せるものの、どうしてもハリ掛かりしない魚がいます。それを食わせることができれば予選を通過できる確率はかなりアップするはずです。
ここで考えた戦術は…。目立たない刺し餌を使うということです。刺し餌が目立つと、浅いタナにいる小さいグレや餌取りに食われます。そこで、撒き餌の中から刺し餌にできそうな小さい沖アミを取ってハリに刺し、撒き餌との同調を意識しながらポイントへゆっくりと入れる作戦を実践してみます。
その結果、深いタナでうまくハリ掛かりさせることに成功!! 竿に伝わるずっしりとした感触を楽しみながら慎重に取り込んだのは38㌢ほどの口太グレです。
大きいグレを釣るときは大きい刺し餌をつけることが多いですが、ときには小さ刺し餌の方が釣れることもあります。餌取りがさらに増えるこれからのシーズンにぜひ試してみて下さい。
小型の活性が高い中、刺し餌を目立たなくする作戦が功を奏して良型を釣ることができました。 5匹の総重量は2,681㌘でした。 さて、最終結果は5匹で2,681㌘。船内で1位、全体では2位にて予選を通過することができました。セミファイナルは6月8日に三重県の尾鷲で行なわれます。全国大会に出られるようにがんばってきます!!
今回の予選の結果です。 2位となり、セミファイナルの切符を手にすることができました!! タックルデータ
撒き餌
※マルキユー製品グレパワーVSP 遠投ふかせTR グレジャンボ 刺し餌
※マルキユー製品くわせオキアミスーパーハード — くわせオキアミV9 — くわせオキアミスペシャル — 竿 シマノ・BB-XSPECIAL SZII 1.2号485/520 リール シマノ・BB-Xハイパーフォース2500DXG
※リンクは17年モデル道糸 東レ・銀鱗SSブラックマスターエクストラ1.5号 ウキ ソルブレ・PFフカセM00 —ハリス 東レ・スーパーL EXハイパー1.2号 ハリ ハヤブサ・鬼掛 極軽グレ4〜5号 【上田泰大プロフィール】
釣り好きだった父に連れられて物心がついたときから川でフナやコイ・ブラックバスを釣る。そして、大学生のころに本格的に磯釣りを始める。我流の釣り方ながら誰よりも上手と思い込んでいた中、初めて出場したトーナメントで他の選手のレベルの高さに衝撃的を受ける。それ以来、シーズン中(4〜6月、9〜12月)は毎週のように参戦するほどトーナメントの釣りにハマる。
主なトーナメントのタイトルは、2015シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権大会優勝、日本グレトーナメント優勝3度、和歌山グレドリームカップ優勝3度、G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権3位、マルキユーカップ全日本グレ釣り選手権大会準優勝。
年間釣行回数は約60回。京友磯釣クラブ会長。京都府在住。
■ブログ:グレトーナメント全国制覇への道
■youtube:上田TVこちらの記事も要チェック!!釣れる秘訣を公開!! 寒グレ期に狙うべきポイントとは…?|上田泰大の常勝トーナメント思考 Vol.8
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