※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています
良型シマアジがカゴ釣りで狙えるチャンスです!!|マルチ派Kのデータ釣行指南!vol.2
今回は各種媒体からデータを抽出し、行ったことがない釣り場で竿を出してみました。場所は紀東の七里御浜、ターゲットは食味が最高のにいいシマアジです。事前の釣果情報がない中でしたが、狙い通りに良型の強い引きを楽しめましたよ!!
(カメラ/文 黒野忠則)
みなさん、こんにちは。前回のvol.1はいかがだったでしょうか? データを活用することで釣果が得られる確率が上がることがおわかりになったかと思います。もちろんフラッと行った初めての釣り場で思いもよらない好釣果が上がることも釣りの醍醐味の1つですが、釣りに行く時間があまり取れない中で「確実に釣りたい!!」と考えておられる方にはデータの活用をおすすめします。
今回は「初めての釣り場でもデータを収集して分析すれば結果が出る!!」ということをテーマにプチ遠征を試みてみました。
各媒体のデータを分析してシマアジに注目!!
前回にお伝えしたように、今シーズンは2016〜2017年にかけての水温の推移状況と似ている(水温の推移状況が似ているシーズンはターゲット、釣れだす期間、釣果が似る傾向があります)ことから、2016~2017年の5月末~6月におもしろい釣果が上がっている釣り場をリサーチしてみました。その結果、目についたのが三重県南部に広がる七里御浜です。
実は、釣りの経験は長いものの私は遠征とはほぼ無縁です。石川県から富山県にかけての釣り場へ2度行った程度です。また、串本にはよく行くものの紀東地域には行ったことがなく、七里御浜へは初めての釣行となります。
そんな七里御浜におけるターゲットはシマアジです。さまざまな媒体から収集した2016年と2017年の5~6月にかけての七里御浜における以下の釣果のリストをご覧いただくとわかる通り、2年ともに良型のシマアジが数釣れているのです。念のため他の年にも目を向けると、同じような釣果が出ています(最大で40㌢オーバーまで!!)。
以上のことから、この時期は良型シマアジに出合える可能性が高いといえるわけです。とはいえ、今シーズンに七里御浜でシマアジが釣れたという情報は皆無です。それでもシマアジとともによく釣れるシオやツバスが釣れ始めたという情報があるだけに期待感は十分です。
紀南地方では、時期があえば「コセ」と呼ばれる小型のシマアジの数釣りが可能です(コセに関しては別の機会に狙いに行きますね)。ただし、今回はシマアジと呼べるサイズがターゲットになるので気持ちの高ぶりが抑えられません。
【実践】七里御浜でのシマアジ狙いのカゴ釣り
釣行日は5月26日(日)。七里御浜での釣りの天敵となる、高波をもたらす南東風が吹く不安定な天候が前週まで続いていましたが、当日はほぼ無風、波高1.5㍍というよいコンディションとなりました。
そして今回は、在住している愛知県からたまたま帰省していた、小学生来の親友である瀧野雄介氏を誘って2人で釣行することしました(ちなみに、彼はここ2回の同行の際に大型のチヌを釣っています)。
私が住む和歌山市内から七里御浜へ向かうには2通りの方法があります。1つは紀勢道の上富田ICまで行き、R311→R168を利用するルートです。もう1つは京奈和道を通って五條を抜け、R169→R309を利用するルートです。今回は、初めての場所とあって時間のロスを避けたいことから、わかりやすい富田ルートを選択しました。
23時過ぎに和歌山市内を出発して現地に到着したのは2時過ぎです。七里御浜といってもかなり広大であり、ポイントがたくさんあります。今回はメジャーポイントである神志山駅下で竿を出すことにします。
暗い間は何が釣れるかわかりませんが、とりあえず浜へ向かうと数名の釣り人がおられます。その横に入らせてもらってタックルを準備します。
餌とウイリーの併用仕掛けがおすすめ
釣り方は、私が得意とするカゴ釣りです。ここでは50㍍以上飛ばす方がよいということで、地元の方々は飛距離が出るロケットカゴを使っているようです。私もロケットカゴを用意してきましたが、まずは慣れ親しんだ時津カゴを用いた天秤カゴ釣りで釣ることにします。一方、瀧野氏にはロケットカゴを用いたカゴ釣りを行なってもらうことにしました。
仕掛けは2号と2.5号のハリスで作った3本バリ仕様(全長1ヒロ)を2パターン用意しました。1つは餌をメインとした空バリ・ウイリー・空バリという空バリメインの仕様、もう1つは空バリ・ウイリー・ウイリーというウイリーメインの仕様です。
ちなみに、瀧野氏は久しぶりの釣りのとあって空バリを2つセットしたトラブルの少ない仕様で挑んでもらいます。
ウイリーを用意したのには理由があります。シマアジは撒き餌の中に突撃し、のびる口を使って吸い込んだり、吐き出したりしながら餌を捕食します。刺し餌を使うパターンでは、吸い込んだり吐き出したりする際に取れることがあるためヒット率が下がる可能性があります。その点、取れることがないウイリーであれば吐き出されたとしても再び吸い込まれやすく、ハリ掛かりする可能性が高まります。とはいえ、ウイリーと餌を比較すると、餌の方が食いがいいのは確かです。そのため2つを併用しながら当たりパターンを見つけるのが得策だといえます。
35㌢級のシマアジが登場!!
暗い間はアタリがまったくありません。さらに、午前6時半ごろから餌取りの小サバがわき始めるという厳しい状況に見舞われました。「これは終わった」かと思いましたが、しだいに回り始めたツバスや豆シオに恐れをなしたのか小サバの反応がなくなりました。
期待して打ち返していると、ウキが沈むと同時にラインが走りました。確かな重量を感じながらポンピングをせずに一定のテンションでリールを巻きます。それに対して相手は強く抵抗し、竿を絞り込みます。この引きはシマアジに違いありません。
やがて波打ち際で確認できた魚体はシマアジです。しかし、よい波がこないため浜へうまくズリ上げることができません(ここでは大きい波と小さい波がくるタイミングがわかりません)。そうこうしているうちにフッと手応えが軽くなりました。口切れによる痛恨のバラシです。
私が天を仰いだその瞬間、瀧野氏が「何かきた! めっちゃ引く!!」と声を上げました。こちらは、波打ち際へ寄せたタイミングで大きな波が運よくきてズリ上げに成功です。魚体を確認すると、30㌢中盤のシマアジです。初めて釣るシマアジが35㌢アップだなんて贅沢です。釣り場のポテンシャルの高さを改めて認識させられました。
先に釣られた悔しさで口数が減った私ですが、ほどなくして再びヒット!! 今度も間違いなくシマアジの引きです。うまくいなしながら手前へ寄せると、タイミングよく大きな波がきました。前回鬼門となったズリ上げをクリアし、見事にキャッチに成功。サイズは瀧野氏と同等の35㌢です。サーフでの釣りでこのサイズがくるなんて…。本当に感動です!!
さすがに連発とはいきません。ツバスや豆シオを掛けながら粘っていると、9時ぐらいに大きなアタリがでました。これもシマアジでしょう。
波打ち際までは難なく寄せることができましたが、ズリ上げに手こずります。思うような波がこずに2度、3度と失敗した結果、竿先が跳ね上がりました。これで3打数1安打です。プロ野球なら3割バッターといえば好選手ですが、釣りにおいては圧倒的にもの足りません。
その後、30㌢のヘダイを追加。ヘダイも大きなものでは50㌢超級が釣れるとのことですから侮れません。
さらなる追加を期待しましたが、潮が止まるとともに反応がまったくなくなったため納竿としました。
七里御浜のカゴ釣りはハリスの長さも重要です!!
今回はいずれもウイリーではなく、餌の沖アミに反応するという結果となりました。どちらに反応するかは日によって異なるため仕掛けは2種類用意しましょう。
なお、地元の釣り人の話では前日まではシマアジの釣果はなかったとのことですからデータの活用がうまくいったといえるでしょう。ただし、地元の方は長さ3ヒロ弱の1本バリ仕掛けを主に使うということが釣果に影響しているのかもしれません。
七里御浜の場合、シマアジを釣るには全長1ヒロの仕掛けがベストですが、それ以外の魚を狙うなら長い方が有利です。その証拠に他の釣り人は大きなカワハギ、35㌢以上のグレ、40㌢ぐらいのチヌなどを釣られていました。このようにハリスの長さ1つ取っても釣果がかわります。何を釣りたいかをはっきりとさせ、アタリがなくても我慢して釣り続けること。これが何よりも大事ではないかと思います。
それではみなさん楽しい釣りをして下さい。Bon congé!!(よい休日を!!)
【黒野忠則プロフィール】
早い開幕予測がビンゴ!! チョイ投げのキス釣りを満喫|マルチ派Kのデータ釣行指南!vol.1
※文章・写真・記事などのコンテンツの無断での転用は一切禁止です(詳細はサイトポリシーをご確認下さい)。