寒グレ攻略の秘訣|流す際に考慮すべきラインメンディングとは? | 関西のつりweb | 釣りの総合情報メディアMeME

寒グレ攻略の秘訣|流す際に考慮すべきラインメンディングとは?

グレ流す釣り2-6

寒グレ狙いにおける流す釣りではラインメンディングが欠かせません。仕掛けがポイントに到達したときに、ラインができるだけまっすぐになるようにプラスマイナスを考えた道糸操作を覚えましょう

(文:岩橋 稔)

グレ狙いでうまく流す条件とは?

グレ狙いにおいて仕掛けを流すシチュエーションとして第一に頭に浮かぶのが、ガンガンと流れる潮を釣る本流釣りです。しかし、この状況は釣り場がかなり限られるのでここで紹介するのは控えます。

一般的に流す釣りを行なうのは餌取りが少ないことが前提です。餌取りが多い状況でポイントを沖に設定してもグレが釣れることはまずありません。それを繰り返すのは時間の無駄だといえます。理想的なのは、餌取りが少なく、グレが食ってくるポイントまで仕掛けを自然に運んでくれる素直な潮が通っている状況です。そうした状況であればハリスに自然な張りが生まれ、刺し餌先行で仕掛けを流すことができます。

グレ流す釣り2-8

基本的には流す距離が長くなるほど仕掛け全体の張りを保つのが難しくなります。竿先からポイントまでのびる道糸の抵抗によってウキから下の仕掛けの張りを保つのが理想的ですが、海面に浮かぶ道糸が長くなるほど抵抗が大きくなって仕掛けのなじみが妨げられます。前述した理想的な状況ならウキに適度なブレーキをかけながら仕掛けをうまく流せますが、たいていの場合は風やサラシなどに道糸が引っ張られて必要以上のブレーキがウキにかかります。そうなると仕掛けが潮筋からはずれ、海中の仕掛けの形はイメージ通りにはなりません。

グレ狙いにおけるラインメンディングの重要性は?

グレ流す釣り2-1
グレのアタリを引き出すにはラインメンディングが不可欠です。

流す釣りの難点となる道糸の抵抗を低減するには道糸を細くするのも1つの手ですが、これからの時期に期待できる良型グレを考えるとそう簡単に細くできません。このため個人的にはこまめなラインメンディングが一番重要だと考えています。

サラシや風などに道糸が取られたまま仕掛けを流すと、たとえウキがグレのポイントに到達したとしてもハリスが浮き上がったり、刺し餌がとんでもない方向に向くことが多くなります。それではグレがヒットする確率は上がりません。いろいろな弊害によって道糸がずれた分をマイナスと考え、ポイントに仕掛けが入った状況でゼロ(帳消し)になるようにラインメンディングを行なうのが私のスタイルです。

ただし、道糸があおられるほどの強風時はその限りではありません。メンディングするほどに仕掛けのなじみに悪影響を与えることがあるからです。強風時は仕掛けがポイントに到達したときにゼロになるように、マイナス分を考慮してあらかじめプラス方向側に道糸を置くようにキャストするのが得策です。

グレ流す釣り2-3
狙いのポイントへ到達した際に仕掛けに無用なテンションがかからないように計算して流すことで、ヒット率は向上するはずです。

このメンディングの他、立ち位置を少しかえるだけでうまく流せるようになるときもあります。その点も考慮すれば最小限の操作で仕掛けがポイントへ到達したときのゼロ(帳消し)を作り出せるはずです。

ある程度うまく送り込めたら、潮筋がカチッと道糸をホールドしてくれるため仕掛けが自然と流れます。また、道糸に少々の抵抗がかかっても仕掛けがズレることはありません。ラインメンディングはそうなるまでの準備段階と考えたいものです。

流す釣りでは仕掛けの流し方のイメージを持つことが大切です。そうすることで、弊害を省くためにするべきことがいち早く思い浮かぶようになります。コンディションがわるい中でもきっちりとグレの釣果を上げる人はその判断が早く、一瞬の時合も逃さないのでしょう。

【ケーススタディー】足もとの道糸の置き方にも配慮

台風の影響で波がかなり高いというバッドコンディションに見舞われた三重県の贄浦での様子を例に、ラインメンディングの重要性を紹介しましょう。

当日は幸いなことに餌取りがあまりいませんでした。また、風がほどんどなかったのも好都合でした。私が入った釣り座は右手側から強いサラシが出ていました。メンディングを怠るとそのサラシの影響で道糸が左側に一気に飛ばされ、狙ったところに仕掛けを運べないという状況です。さらに足もとから扇状に広がるサラシがあり、よりいっそう仕掛けの流しにくさを感じていました。

まず考えたのが最も沖にのびるサラシを利用して仕掛けをポイントへ運ぼうという作戦です。しかし、かなり大きなウネリがもたらすタイミングの定まらないサラシのせいでうまく仕掛けが流せません。そこで左と右のサラシの間にタイミングよく仕掛けを入れ、寄せ合う流れで道糸をホールドさせようと試みます。しかし、強過ぎるサラシにもまれた道糸が沈んでうまくいきません。サラシのどこに置いても複雑な流れが道糸を水中に引き込んでしまいます。

グレ流す釣り2-9

次に目をつけたのが右側のサラシです。このサラシの右側には払い出しがなく、道糸が引き込まれる心配があまりありません。それで波が広がるタイミングを確認し、できるだけ磯際に寄って仕掛けをサラシの右側に投入します。すかさずサラシの右側に道糸を置いて仕掛けを送り込みます。するとイメージ通りに仕掛けが沖に向かって流れだしました。

グレ流す釣り2-2
足もとのサラシに道糸が取られないように、竿を高く保持して道糸を浮かせるといった操作も欠かせません。

サラシに取られないように道糸を空中に浮かせるなどの操作をして流すと、やがてきれいにウキが消し込まれてグレがヒットしました。

この釣行では沖を流れる仕掛けだけに気を取られていれば魚からのシグナルは得られなかったと思います。仕掛けは沖にあるものの、足もとの道糸をきちんと操作しなければ仕掛けはポイントには入りません。「仕掛けをうまく流すには道糸の操作が大切!!」ということを頭に入れて寒グレシーズンをよりよく楽しんで下さい。