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名手はなぜよく釣れる!? ポイント選びのシークレット|河口部・波止釣り編

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栄養豊富な川の水が入る河口部は多彩な魚種が狙える好ポイントです。ただし、よりよい釣果を上げるには海と川の2つの流れの見極めが欠かせません。それを把握してアプローチすれば効率よく釣果を上げることが可能です

(文:井手良一)

河口回りの釣り場といえば、①河口の延長線上にのびる波止と、②汽水域を狙える場所の2つが定番です。前者は河口というよりも海という意識で釣りを行なうこと、後者は川の影響を求めて河口よりも上流で竿を出すことがよりよく釣るための前提となります。いずれにしても河口部は栄養分を含む水が上流から流れてくるため魚種が豊富という特徴があります。それぞれの釣り場の特徴を押さえてよりよい釣果を上げて下さい。

河口にのびる波止のパターン

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河口にのびる波止では潮の満ち引きによって釣果が左右されます。好釣果を上げるには潮時の把握が欠かせません。

まずは①の河口の延長線上にのびる波止での釣りをシュミレーションしてみましょう。

河口とはいっても波止の回りは水深があります。また、汽水のイメージがありますが、ほぼ海水です。海水は川のかなり上流まで満ち込み、下げ潮とともに海へ戻るような動きをするため、考え方は海で竿を出すときとほとんどかわりません。

ただし、川の流れが加味されるという点では海とは事情が異なります。一般的に、潮が陸地から沖へと流れる状況では、アジやイワシといった小型の回遊魚は流れに乗って沖へ出ることが多いです。その傾向は、川の流れを導流する役割を持つ河口の波止では、下げ潮に川の流れが加わることで流速が速まるためより顕著になります。

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一方、上げ潮時はアジやイワシなどが接岸しやすく、波止からでもアプローチしやすくなります。また、それらを捕食しようとハマチなどフィッシュイーターの接岸も期待できます。

上げ潮がよい理由はそれだけではありません。たとえばウキ釣りをする場合、下げ潮ではあっという間に仕掛けが下流へと流され、隣の釣り人の仕掛けとクロスします。それを避けるために、投げてはすぐ回収ということになるなど、下げ潮時はまともに釣りができないことが多くなります。そもそも、例としてあげたアジやイワシのみならず、遊泳力が弱いとされるタチウオや、潮に敏感とされるアオリイカなどは下げ潮が強くなると釣果の期待度は大きく低下します。したがって、河口にある波止では満ち潮がよりよい釣果を上げるための必須条件だといえます。

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河口部の釣り場では上げ潮が好条件となります。遊泳力の乏しいアジなどの小型回遊魚は、下げ潮時と比べて安定した釣果が望めます。

ただし、大雨の後に見られる濁った海水と澄んだ海水の境目がはっきりした状況では例外もあります。そのスポットへルアーを届けることができれば、潮の上げ下げに関係なくスズキがよく釣れることがあります。

なお、沖に向かってのびることが多い河口の波止では、水深の関係や沖からくる魚の回遊コースとなっているためか付け根よりも中央~先端が有望であることが多いです。

汽水域を狙うパターン

続いて②の汽水域を狙うプランを紹介しましょう。

河口の延長線上に1級ポイントとなる波止がある川ほど、その上流寄りは穴場となっていることが多いです。人混みを避けてのんびりと楽しみたい方は上流寄りに注目するとよいでしょう。夏~初秋であれば、ルアー釣りやエビ撒き釣りでキビレ・チヌ・セイゴ・メッキ、ブッ込み釣りでハゼ・ウナギ・キビレ・小チヌ・セイゴといった具合に汽水域ならではの五目釣りが楽しめます。

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    汽水エリアはルアーで気軽に遊ぶのも楽しいです。

川によって異なることもありますが、ほとんどの河川では最も河口寄りにかかる橋から上流にある堰までの区間がすべてポイントになると考えてよいでしょう。大きな川ほど上流がポイントとなります。

ルアー釣りでは、明るい間はミノーやスプーンなどを中心にトゥイッチなどのアクションを加えるパターンか、ポッパーなどのトップウォータープラグで水しぶきを出しつつターゲットの活性を上げて狙うのが有効です。魚体は小さくても激しいチェイスが見られるなどエキサイティングな釣りが楽しめます。

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夜間はワームや虫ヘッド(ジグヘッド+虫餌)などで底をズルズルと引いたり、タダ巻きで宙層を引きつつフォールを入れるなどスローに誘うパターンが有効です。ただし、スローに釣ると、河口に多いフグにワームや餌を取られてばかりのことがあります。その場合は場所を少し移動するか、時間を置いて再度狙うようにしましょう。

条件的には、ハゼとウナギ以外は下げ潮が狙い目となります(メッキに関しては流れが緩い状況での実績が多いです)。また、海水が上流まで入り込んでいるときは上流寄りがポイントとなります。そのように海水が満ち込んでいるときは、川の中でアジやタチウオが釣れることもあります。潮が大きく満ちているときは狙ってみるとおもしろいかもしれません。

実践釣り場ガイド

淡路島・湊港~三原川〈兵庫県〉

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淡路島最大の川である三原川の河口に位置する湊港の赤灯波止や白灯波止では夜釣りでタチウオやアナゴが狙えます。日中は紀州釣りでチヌが狙える他、朝夕には車を横付けできる港内で小アジのサビキ釣りが楽しめます。赤灯波止の外向きでは投げ釣りでキスも釣れます。

三原川と、その支流である大日川の下流部では夜間にウナギ・キビレ・スズキ、朝夕を中心とした日中にハゼ・チヌ・セイゴが狙えます(秋にはメッキも釣れます)。夜にスズキやウナギを釣る人はいますが、日中に釣りをしている人は皆無です。まさしく穴場といえるのでのんびりと釣りたい方にはおすすめです。

なお、晩秋にはタチウオ・アジが御原橋あたりまでソ上することがあります。

淡路島・洲本港~洲本川〈兵庫県〉

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洲本港の赤灯波止では夜釣りでタチウオが狙えます。日没直後に引き釣りやルアーで狙うのが定番ですが、流れが緩ければウキ釣りも可能です。それに加えて朝夕にはカマスの回遊が見られますし、小アジのサビキ釣りも楽しむことができます。そして、8月下旬からは飲ませ釣りやショアジギングで青物が狙えます。その他、日中にはチヌの紀州釣りも楽しめます。

洲本川ではルアーでセイゴやキビレ・メッキが釣れます。

インフォメーション

釣況問い合わせ、餌、釣り具 まるは釣具・洲本店0799-23-1075

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