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〈新連載〉【投げ釣り】キャスターズ・ハイ Cast.1 浜坂一文字〈兵庫県〉

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開始30分の連発劇で
但馬の魅力を再認識!!

浜坂一文字〈兵庫県〉

春を迎えると日本海の但馬方面へ釣行したくなります。目当てのターゲットはアイナメです。磯から狙ったときの豪快なアタリを求めて今回は浜坂に目をつけましたが、あいにくウネリの影響で一文字へ渡ることを余儀なくされました。それでも実績エリアの一文字とあって開始早々から…!!

  • 文:湯浅研史
  • 板東建司
  • 矢野勝彦
  • 永沢弘雄

久しぶりに日本海・但馬の磯へアイナメを釣りに行きたくなりました。初めて釣行してからかれこれ15年はたちますが、アイナメの豪快なアタリと、釣り場のロケーションのよさに魅了されてサクラの季節になると日本海へ行きたくなります。

今年の3〜4月は用事が立て込んで釣りに行けませんでしたが、4月中旬を迎えてようやくチャンスが訪れました。しかし、週初めから天気の動向をチェックしていると、残念ながら釣行予定日は大荒れの予報です。どうにか釣りに行けないかと日本海、太平洋、瀬戸内海の釣り場の候補をいろいろと考えますが、どうもしっくりきません。

そんな中、釣行2日前になって事態がかわりました。浜坂の渡船店に状況をうかがうと「出船できそう」というのです。目当ての磯への渡礁は微妙のようですが、わるくても一文字なら上がれるとのこと。とりあえず望んでいた場所へ行けるとあって、喜んでタックルの準備を開始します。

磯投げ用は2パターンを用意。近投用にナイロン10号の道糸+おたふくオモリ30号の2本バリ仕掛けと、中・遠投用にPE5号の道糸+ジェット天秤30号の1本バリ仕掛けというものです。近投用にナイロンの道糸を用いたのは、比重の軽いPEラインだと磯際で波にもまれたときに海藻や岩に引っ掛かることがあるからです。それを避けられるように、さばきを重視してナイロンの太糸を用いるわけです。

ハリスにフロロ8号、ハリにがまかつのトーナメントカレイ14号というのは近投と中・遠投で共通です。

一文字の場合は、カレイ狙いが主体となるためナイロン5号とPE2号の道糸を備えた2タックルを用意。こちらはトーナメントカレイ13号を用いた2本バリ仕掛けとしました。

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磯への渡礁は断念。
浜坂一文字で勝負!!

釣り場の兵庫県浜坂までは自宅から約3時間で着きますが、余裕を持って早めの21時に出発。大阪南港のTポートで餌を購入してから但馬を目指します。

以前よりも無料の高速道路がのびており、思いのほか早く現地に到着。受付開始まで渡船乗り場で仮眠を取ることにします。

6時前に起きて受付をしていると「ウネリの影響で渡礁できる磯が限られる」との話が船長からありました。それなら仕方がないということで、一文字に上げてもらうことにします。一文字とはいえ、カレイやアイナメの良型も十分狙えます。磯上がりできないのは残念ですが、久しぶりに竿が振れるのでよしとしましょう。

開始早々にヒット。その後も連発で…!!

出船後、すぐに一文字に到着。

今日は7時30分ごろが干底です。その前後にアタリが集中すると思われるので、がま投バトルサーフ33号と、がま投デュエルドライバー30号に用意してきた仕掛けを急いでセット。そして、期待を込めた第1投はテトラ際へ投入します。近投したのは、夜明けには良型の根魚がテトラ回りで動くからです。

続いて、2本バリにマムシとたっぷりのアオイソメをつけたPE2号の竿を手にし、「カレイのいるポイントへ届け!!」と念じながら少し向かい風の中でフルキャストします。

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干潮がからむ朝まづめとあって期待感がおのずと高まります。

7時過ぎ、遠投した竿からジ〜ッというリールのドラグ音が聞こえました。「きたっ!!」と、すぐさま竿に飛びついてリールのベールを起こします。スルスルと出ていく道糸の様子からは、カレイではなくてタイ系の魚だとうかがえます。

十分に食い込ませたところで合わせると、魚が乗りました。やがて海面に姿を現わしたのはマダイ(チダイ)です。それほど大きくないですが、1匹めということで慎重に玉網入れをします。

無事に取り込んだのはきれいな魚体の40㌢弱。狙いの魚ではありませんが、うれしい1匹です。

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足場が6㍍ほどと高いですが、階段近くに釣り座を構えればラクに取り込みができます。

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キャッチしたのはチダイ。幸先のよい1匹です。

このチダイの写真を撮っていると、離れた竿からもドラグ音が聞こえます。同じようにやり取りしてキャッチしたのは同じくチダイの35㌢級。どうやらこのクラスが群れで回っているようです。

続いて、テトラ際の近投の竿の穂先にガンガンとアタリがでました。こちらはモタモタしていると、根に入られるので即合わせを入れます。アイナメかと思って抜き上げると、アオイソメを頬張った32㌢のアコウが姿を見せました。

先ほど釣った2匹のチダイもアオイソメで釣れています。今日はアオイソメが当たり餌のようです。

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近投の竿に鋭いアタリを見せたのはアコウでした。

開始30分ほどの間にバタバタと魚が釣れていい感じでしたが、それからは沈黙が到来。それでも時合が再度くることを期待して打ち返しを続けます。

餌が残る状況とあり、これでもかというほどアオイソメを房掛けにするとともに、マムシもハリスにこきあげて継ぎ足します。このボリューム重視の餌が功を奏したのか、遠投の竿にアタリがでました。竿先を押さえ込んだかと思うと、ジャーとドラグを鳴らす反応を見せたのはちょうど40㌢のチダイでした。

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このクラスのチダイが多く回遊しているようです。

その後もカレイとアイナメを期待して打ち返すものの、反応はさっぱり。手のひらサイズのマコガレイが釣れただけで、アイナメの反応は最後まで皆無でした。

14時に終了。地方に戻ってから話しを聞くと、磯はウネリの影響で釣りづらかったようです。竿を多く出すうえ、荷物も多い釣りなので一文字で正解でした。

これからの浜坂一文字は夜釣りもおもしろいかもしれません。潮通しよい釣り場なのでマダイやチヌ、生き餌の泳がせでアコウやヒラメが期待できるからです。ロケーションも抜群にいい場所なので、また訪れたいと思います。

浜坂一文字の概要

浜坂一文字は、両端と沖向きに大型のテトラが入っており、釣りができるのは港向きに限られます。ケーソン中央部には竿出しできない大きくへこんだ場所(危険なので注意)があり、投げ釣りであれば定員は4名程度と規模の割に多くは入れません。また、波止の足場が高いという特徴があります。そのため6㍍の玉網の柄が必要です。

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磯と違って足場はフラットで良好。しっかりとキャストすることができます。

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一文字では遠投と、テトラ際への近投で攻めるのが有効です。

今回、うれしいことに「キャスターズ・ハイ」がWEB版として復活しました。『関西のつり』誌が2年前に休刊したことで投げ釣りを紹介する媒体がなくなり、非常に残念に思っていました。雑誌で行なっていた「キャスターズ・ハイ」は、くしくも最後の担当が私であり、釣り場が浜坂一文字でした。決して狙ったわけではなく、何かの縁があるのではないかと復活には感慨深いものがあります。

タックルデータ

竿 がまかつ・がま投バトルサーフ33号
がまかつ・がま投デュエルドライバー30号
ハリ がまかつ・トーナメントカレイ13〜14号

釣行メモ

はまさか渡船
HP http://www.eonet.ne.jp/~hamasaka-tosen
twiter(釣果情報) https://twitter.com/hamasakatosen
電話番号 090-1142-4251
料金 ■一文字…2,500円
■磯…3,500〜4,000円

【湯浅研史プロフィール】

会社の上司に誘われ(ほぼ強制)、最初に行ったのが砂浜でのキス釣り。その際に釣った魚のおいしさに感動するとともに、遠くに仕掛けを飛ばす爽快さに魅力を覚えて投げ釣りにはまる。基本は、週末の釣行が中心のサンデーアングラー。カレイ・アイナメ狙いとともに、コロダイ・タマミなどを狙った磯投げが特に好き。
がまかつフィールドテスター。

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