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【寒グレ】釣果アップに不可欠の〝なじみ〟を考察 Part.3

食い渋りを見せる寒の時期のグレを釣りこなす要点としてタナの重要性が説かれるが、ウキ下をきちんと合わせていても仕掛けがなじんでいなければアタリは期待できない。ますます食うタナがシビアになる低水温期に好釣果を上げるために仕掛けのなじみをさらに考えてみよう

重めの仕掛けで確実に
タナを取ることを考慮

低水温期の基本となる深ダナを狙う場合、食いのよさだけを意識して軽い仕掛けを使うのはおすすめしない。効率的になじませることを考えるなら確実にタナを取れる重い仕掛けを用いるのが最適だ

(文:前西喜弘)

「仕掛けがなじむ」「刺し餌がなじむ」と釣り雑誌でよく目する「なじみ」とはいったいどういう意味なのか? 私はウキの浮力と同等か、それ以上の負荷が刺し餌にかかる状態のことだと考えている。ただ、潮流、サラシ、わき上がり、海面上のライン、風などのマイナス要素が多分にあり、上記の状態を保つのはなかなか難しい。

それでも私はたとえウキ下が50㌢であってもなじみを意識する。なぜなら、それほど浅いウキ下でもなじませ方で釣果に差が出るからだ。

タナが深いなら2B〜3Bの
ウキを積極的に使用!!

グレなじみ3−1

食いのよしあしよりもまずは刺し餌をタナへ送ることを考えよう。

ここではタナの深さに目をつけたなじませ方を考えてみたい。

タナが深い場合(魚が見えないとき)

寒グレ期は水温の変動とともにグレのタナが深くなりがちだ。竿2~3本分(10~15㍍)の深さになることもある。この水深へ確実に刺し餌を届けるためにまず考えたいのが仕掛けだ。

0や00号などオモリ負荷の軽いウキを用いた仕掛けでジワジワとタナを探ってくスタイルは効率がわるいうえ、思いのほか仕掛けが深くまで届いていないケースが多いから適さない。また、潮+αがない場合や、風でラインを取られる状況下では仕掛けの張りを作りづらいというネックがある。

私の場合、3B~5Bのオモリ負荷のウキを使い、ウキ止めを用いてタナを取る仕掛けで臨む。これなら刺し餌を狙いのタナへきちんと送ることができる。

ただし、このように重くなる仕掛けには底潮の様子を察知しにくいというデメリットがある。このため撒き餌の軌跡をたどりながら溜まるスポットへ刺し餌が届くように、なじみのよいハリスをできるだけ長く(2ヒロ以上)取ることを考える。長いハリスを用いれば、グレが覚える違和感も緩和できるという利点も生まれるから都合がいい。

グレなじみ3−2

状況を把握して撒き餌がどこできいているかをイメージしながら釣ることが欠かせない。

潮の流れが速い場合や、刺し餌が触られているのにウキにアタリがでにくい場合は、ハリ上30㌢ほどに5~7号程度のガン玉をつけるとよい。それだけで小さいアタリがでやすくなる。ただ、潮が動かないときや、グレの食いがわるいときははずした方がいいこともある。状況に応じて脱着したい。

なお、仕掛けのなじみも大切だが、撒き餌がどこになじんで(きいて)いるのかを考えることも忘れてはならない。潮流に加え、シモリ、サラシ、潮目などの重複する場所がグレのポイントになるのはタナが浅いときとかわらないからだ。

タナが浅い場合(魚が見えるとき)

寒グレ期に魚を見ながら釣ることは少ないが、水深が3〜4ヒロと浅い釣り場では撒き餌に反応するグレをチラッと見えることがよくある。この場合は軽めの仕掛けを用い、撒き餌と刺し餌の同調を意識して狙うのが得策だ。

グレなじみ3−3

同調に関しては撒き餌を打つ位置や時間差で対応できるが、刺し餌の負荷がウキにかかるまでの時間はウキ下に関係なく短いほどいいと考えている。なぜなら、なじんだ状態になるほどアタリがでやすいうえ、刺し餌が飲み込まれにくいぶんクチビルにハリが掛かりやすいからだ。

なじみをよりよくしようと思えば、ハリ上10㌢ほどにガン玉を打つのがよい。それを魚が嫌うならハリスをワンランク細くするのが有効だ。

そして、潮受けゴムを使う場合は、ある程度ハリスがなじんでからラインをフリーにするとよい。こうすることで仕掛けがV字にならず、刺し餌先行でなじませられる。

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